2004年11月23日

紙業界では当たり前?

HTMLではどうしようもないけれども、CSSでは単語間や個々の文字間の調整ができる。HTMLレイアウト時にはカーニングなど、画像テキストでしか気にする必要なかった。HTML(XHTML)が本来の文章構造を定義するマークアップ言語として利用され、視覚的表現をCSSに譲るときには、テキスト文字にも、繊細な気配りが必要になる。

ボクは実は、カーニングさえもつい2~3年前まで知らなかった。そういうことを気にしたことがなかった。ある人から、(うちの会社がつくったウェブサイトに対して)「このへんの文字詰めが甘いね」と指摘されて初めてそういうものが重要だということに気づいた。印刷業界やら出版業界ではあたりまえの知識なのだろうけれど、ウェブ業界ではこのあたりの知識に疎い人もけっこういるんじゃないだろうか? いかにキレイに、読みやすい文字組みをつくるか、ということは紙業界じゃ当たり前で、そういった知識や技術の歴史が根付いてる。ウェブの場合は、ブラウザの性能の問題やらもあって、あまり意識されてこなかったのかもしれない。(もちろん、こういったところまで徹底して気配りして製作されている制作者さんも多くいます)

そういえば、Wordの機能に、「行頭の記号を1/2の幅にする」とか「日本語と英字の間隔を自動調整する」だとか「日本語と数字の間隔を自動調整する」「句読点、かなの間隔を調整する」みたいなオプション機能がついてる。WordはDTPソフトじゃないので、「自動調整する」レベルのオプションなのだろうけど、こういうオプションがついてるということは、「紙」では、この手の文字間処理ってのには最低限気を使わなきゃならない、ということなんだろう。(もちろん他にもいろいろあるのだろうけど)
普段、そんなことにはまったくといっていいほど気を使ってなかったけど、確かに「日本語と英字」の間隔は他の字間と同じだと、ちと詰まりすぎててキレイではない。行頭に括弧とかがくると、グリッドがそろってないように見える。ちょっと調整してやれば随分と読みやすく、美しくなる。
このあたりの知識さえもボクは持っていなくて、Wordのオプションで意識したというなさけないレベルだ。

CSSレイアウトが普通になるとき、このあたりへの配慮の差というのは、すごく出てくるんだろうなぁと思う今日この頃。ちゃんと勉強しておかないと、恥ずかしい目にあいそうだ。

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categories [ ネット・ウェブ関係 ] 2004/11/23 18:31


Comments

ネットのタイポグラフィ、とくに日本語の場合、まだまだこれからですね。偶然かどうか、Web Designing最新号で、「エディトリアル・デザインから学ぶ」という特集。CSS以前は考えられなかった企画ですね。

印刷デザインとWebデザインの違いについての考察はニールセンのコラム「印刷デザインとウェブデザインの違い」でとりあげられているが、そこで彼は、書体に本質的な違いはない、と断じています。ご参考までに。
http://www.usability.gr.jp/alertbox/990124.html

Posted by: 津川義明 : 2004年11月25日 09:59
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