ワンダフルライフ

ワンダフルライフ [DVD]
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さっき観終えた。是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」。いやーむちゃくちゃ良かった。これまた傑作だ。ほんとに是枝さんの作品には外れがない。作品ごとのテーマや世界観の違いなどで好き嫌いはあるだろうが、どの作品も映画としての完成度が極めて高く、良い意味でしっかりと作り込まれている。

この映画の設定は是枝さんっぽくない架空の世界。亡くなった人たちがやってくる施設のお話だ。死者達はその施設で一番大切な想い出をひとつ選ばなければならない。施設の職員たちはその想い出を可能な限り再現し映画化する。最終日にその「想い出」の映画を観た死者たちは、その想い出を胸に天国へ旅立っていく。このストーリーだけ聞けば、おとぎ話のような映画を思い浮かべるかもしれない。

しかし、設定が現実離れしているのに、人生を振り返り想い出を語る人達の口ぶりは表情、仕草のリアルさは、いつもの是枝節だ。施設も浮き世離れした建物ながら、ディティールの作り込みや細かさで、安っぽくならない。かといって作り込みすぎてもいない。良い意味で気が抜けてるところもあり、そこが世界観の微妙なバランスを作り出してるのだろう。
施設の職員たちが死者の想い出を映像化するシーンなどは、普通のドラマの撮影現場のシーンのようで、そこだけ切り出して見れば、かなり荒唐無稽な話になってしまいそうだが、そうならない。この世界の中ではそれがそうであるように確かさを感じられる。

見終えた人の誰もが、自分がその施設にやってきたらどんな想い出を選ぶだろうかと考えるだろう。死者が人生を振り返るという設定を通じて、自身の「生」そのものを考えさせられる。はて、ボクは今死んだら、どんな「想い出」を選ぶんだろうか?

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