楽天店舗は外部の広告は使い辛い

楽天の店舗は、広告効果などの分析がほとんど出来ない。
楽天内に設置するページには、当然ながら外部へデータを飛ばすようなビーコンタグを配置することはできない。(そもそも外部リンク自体がNGになっている) GoogleAnalyticsなどを導入することも出来ない。
(インラインフレームを使って、gold内に配置するファイルを呼び出して…みたいにやれないこともないのかもしれないけど、おそらく規約上NG)
また、楽天が提供している管理ツールのアクセス分析機能は、非常に機能が制限されていて、ここから得られる情報はかなり限られてる。

どちらについても、楽天出店者はそこまで分析したり、色々な数値から仮説をたてたりみたいなことをしない、あるいはそんな分析をしなくてももっと単純に楽天に広告さえ出せば売れるから気にならない、ということもあるのかもしれない。
実際、楽天店舗オーナーに色々話を聞いても、楽天内に広告を出し続けられれば、ある程度は売れるんで、難しいこと考えずにプロモーション費を楽天に払えばよい、みたいなことを言う人も多い。(もちろんきちんと利益を確保できるのかどうかは別だが。)

しかし、楽天が提供する広告は高くて手が出せず、非常に少ない予算の中で、なんとか少しでも売上を伸ばそうと試行錯誤したい店舗にとっては、今の楽天のポリシーや提供されている機能はあまりにも貧弱だと思う。というか、意図的に貧弱にしているように思えてしまう。

楽天内の広告でも安価で効果的なものももちろんある。しかし、OverTureやAdwordsのように誰もが簡単に広告を出すことができるようなものはすごく少ない。(楽天サーチのキーワード広告は、OverTureやGoogleのそれとはあまりにもかけ離れすぎている)。楽天が用意する広告は、費用対効果で見れば安いものも多いのだろうが、やはり敷居が高い。価格もそうだし、あと、バナーやバッジを作らなければならなかったり。思いついてすぐに今日出稿みたいなことは出来ない。
零細店舗ならばキーワード広告というのはとても魅力的な広告手法だ。
予算のコントロールがしやすい、バナーなどを制作する必要がない、細かいデータが把握できる、など、効果以外の面でも忙しい店舗オーナーにとってありがたい要素がたくさんある。(バナーを作成しなくて良いというのも実は大きい。店舗運営してるだからバナーぐらい作れるだろうと言うかもしれないが、バナーはバナーでけっこう手間がかかる。)

しかし、楽天店舗ではキーワード広告を効果的に活用していくことは難しい。一番困るのは、キーワード広告を出していても、どのキーワードがコンバージョンに至ったのか、至ってないのかさえわからないことだ。
(キーワード広告に限らず、結局、広告の効果検証をきちんとやって、その結果データなどを踏まえて、次のアクションにつなげていくみたいなことをきちんとやろうと思うと、今の楽天の効果分析機能では貧弱すぎる)

たとえば、ある商品でいくつかのキーワードで広告を出している。
広告からは直接、その商品の詳細ページに飛ぶようになってるとする。
よくあるキーワード広告+ランディングページのパターンで、そのまま購入につなげたいという意図がある。

楽天の分析機能では、各商品詳細ページごとのアクセス数、アクセス人数、そして、ページ転換率(そのページを見て、その商品の購入に至る率)などは表示される。
楽天内や他からのその商品ページへのアクセスが少なく、ほとんどがキーワード広告からの来訪ということであれば、この転換率で広告でコンバージョンにつながってるかどうかというざっくりとしたデータはわかる。ただ、どのキーワードがどうかという細かいデータは見られない。1商品で1ワードしか出稿しないケースのほうが稀だろう。

キーワード広告側の管理ツールでどのキーワードがどれぐらいの単価で、何回クリックされてるかということはわかるにせよ、必ずしもクリック率の高い広告やワードがコンバージョンに繋がってるとは限らないので、楽天側で少なくとも転換した人がどこから訪れて、どんなキーワードを使っていたのかぐらいは表示できる機能を持ってもらわないと、キーワード広告のパフォーマンスを改善していったりするのはすごく難しい。
仮説に仮説を上塗りしてい、さらに仮説で固めてみたいな感じで、それはほとんど妄想みたいな域に入る。

効果の高いキーワードに絞ってお金をかけていきたいのだが、どのキーワードが効果が高いのか、どの原稿が効果が高いのかがわからないので改善のしようがないわけだ。

トラッキングという機能もあって、コンバージョンに至った人や、カゴに入れた人の店舗内の動きを見るようなこともできるのだけれども、この機能はなぜか1日単位でしかデータを出力できないし、楽天外部からのトランザクションについては、検索ワードやリファラーなどの情報は明らかにされない。(修正:外部の検索エンジンであっても情報が表示されるようです。間違いでした。ただ、トランザクション1件1件で見ていくしかないのが大変です。)

楽天サーチなどの利用の場合は、どんなワードを利用したかがわかるのに。外部からのアクセスの情報は徹底して遮断されているわけだ。

検索ワードは検索ワードで別途、それだけを分析できる機能も用意されていて、Yahoo!からこういうキーワードで何人来ているとか、Googleでこのワードなんて具合に、ワードと検索エンジンの組み合わせで、その数を表示できる機能は用意されている。
でも、検索ワードとコンバージョンの組み合わせを表示してくれはしない。検索ワードは検索ワードなのだ。

このへんはどう見ても楽天は意図的に見せない、意識させないようにしているとしか思えない。一般に人は、キーワード一覧とその来訪数を見て、なるほどと思うかもしれないけれど、そのデータにはほとんど何の意味もない。
少なくとも、どのキーワードがコンバージョンに貢献したのかどうかがわかれば、このキーワード一覧も大きな意味を持つのだが。楽天はそれを店舗オーナーに意識させたくないんじゃないかと思う。

仮に、検索ワード一覧で来訪ワードと、ワードごとのコンバージョン率が表示されたとすると、多くの店舗オーナーは、外部のキーワード広告への出向をより積極的に考えるようになるだろう。来訪きっかけとなった様々なワードでコンバージョンに繋がっている意外性のあるワードなどが発見されれば、それを広告として利用したいとい思う人も少なくはないだろう。

現状の楽天サーチのキーワード広告はいわゆるビッグワードみたいなものしか買えないけど、そういうビッグワードでは拾えないようなニッチなワードでも、外部の検索エンジンでは拾える。ニッチなワードでもコンバージョンにつながってることがわかれば、OverTureやAdwordsへの関心は高まるだろう。

楽天としては、楽天外部の広告に関心が向いたり、積極的に外部の広告を利用していくような状況はあまり好ましくない。楽天店舗にとって、一番の広告媒体は常に楽天市場自体だというポジションを築いておきたいというのが本音なのではないか。

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