まじアポ」を確実に!90秒テレアポ営業術—ゆるアポ、かすアポ、すっぽかしは、もうゴメン!
「まじアポ」を確実に!90秒テレアポ営業術—ゆるアポ、かすアポ、すっぽかしは、もうゴメン! (単行本)
受ける側としてはテレアポってすごくうざい。あたかも僕のプライベートに関する内容を装って取り次がせたり、それが酷くなると会社名を名乗らず、友達かのように名前だけで取り次がせたり。そういう悪質なものは、電話に出た瞬間に嫌悪感を持ってしまう。いつも思うのだが、こういう半ば詐欺みたいな方法で強引に担当者や決裁権者まで電話を取り次いでもらったとして、その後の会話でうまくアポや契約にまで持ち込めるなんてことがあるんだろうか。というような疑問を持っていたけど、本書によるとやはりこの手のテレアポ手法はもう時代遅れだし、効率も効果も悪く意味がないらしい。そりゃそうだろう。
まず、本書の前半では、テレアポのマイナスイメージを払拭させる。普段テレアポをされるほうで嫌な印象しか残ってないので、自分がそれをやらなければならないとなったら、どうしても人の嫌がることをやらなければいけないという気持ちになってしまう。人の嫌がることをやるのが気持ちいい人なんてそんなにはいないだろう。やってる方だって嫌な気持ちになる。悪循環だ。
本書では、今のテレアポはそういう過去のテレアポのイメージとは違うんだ、ということが説明される。ほんとかどうかはわからないけど、その説明は確かにごもっともだし、本書のやり方を実践すれば、テレアポのイメージにあるような「もう結構!」「二度とかけてくるな!」と怒鳴られて電話を切られたり、怒られたりみたいなことはないのかもしれない。
具体的なテクニックもなるほどと思うものばかりだ。僕がこの手の手法にまったく疎いということもあって、実はテレアポ業界ではこんなことはもう当たり前のことだったりするのかもしれないけれど、僕にとってはすごく多くの発見があった。
どんな企業に電話するのか?
誰につないでももらうのか?
どうやって受付の壁をクリアするのか?
そのためにどんなスクリプトを用意すべきなのか?
どうやって来訪アポをとるのか?
これらのほとんどに具体的な数値や回答が用意されている。
まぁ、実際やったら相当大変なのだろうけど、チャレンジしてみようかなという気にさせられるところがスゴい。
実際にうまくいったスクリプトや、へぼスクリプトなどの事例が掲載されているが、この本を読まずにテレアポをしようとするとまず間違いなくへぼスクリプトパターンに嵌っていたろうと思う。
また単純な新規見込み掘り起こしのためのテレアポ手法だけでなく、資料請求者などの見込み客に対しての電話フォローでも、見込み客の温度を見分ける方法なども紹介されていてとても参考になった。
資料請求したから見込み客というわけでもなく、冷やかし客や競合調査も多いので、訪問の前にまず振るい分けをするというわけだ。これんかも拍子抜けするぐらい簡単な方法なのだけれど、著者はそうなんだと断言していて、それが妙な説得力がある。
本書ではじめて「オートコールシステム」の存在も知った。
「オートコールシステム」とは、コンピューターがリストに対して自動的に電話をして、人間の声でお客さんに聞き、プッシュボタンで回答してもらい、興味ある人だけをピックアップしていくためのシステムらしい。
なんかこういう分野で自動処理みたいなものを使うってことには抵抗あるし、自分のところにオートコールシステムからの電話がかかってきたら少し嫌な気持ちになりそうな気はするが。
「オートコールシステム」は主に個人向けの商材のテレアポのために使うと効率的らしい。
「オートコールシステム」でお客さんに訊くのは、「●●●●に興味はございますか?」というそれだけ。興味があればプッシュボタンの●番を、というような感じの電話をひたすらリストに対してかけていくそうな。そこで興味ありと回答した人に実際の人がフォローの電話をして、訪問アポをとり、クロージングにつなげていく、というような組み立てとなるようだ。
通販会社が休眠リストに対してかけたオートコールの実績では、
5000件にオートコールして、64件が興味ありの反応。うち訪問アポが54件とれて、最終的な定期購入申し込みが27件。
なんていうすごい数値が紹介されていた。もともとのその会社の顧客だった人のリストへのアタックとはゆえ、この数値が本当ならかなりすごい。
リフォーム会社で電話帳のリストを使っての実績では、1500件のオートコールで30件の見込み発掘。訪問アポが20件とれて、見積もりに進んだのが6件、最終的に受注に繫がったのが2件。というような事例も紹介されている。
オートコールシステムがどの程度の価格なのか、フォローアポや訪問などでどれぐらいの人が動いてて、最終的な受注額がどうなのかみたいな数値がないと、この数値が良いかわるかをきちんと判断することは難しのだろうけども、感覚的には悪くはないと思う。
いずれにせよ、これは相当うまくいった数値であろうことを肝に銘じておく必要はあるのだろうけど、こういう数値を覚えておくことは、自分の仕事にも無意味ではない。僕らの場合なら、リスティング広告やキャンペーンからの2ステップ型のセールスモデルとの比較でも使えるし。
今まで興味がないということもあって、今までテレアポに関しての本はほとんど読んだことがなかった。
テレアポについてではないけど、近いものとしては神田さんが紹介してた「売り込まなくても売れる! — 説得いらずの高確率セールス (単行本(ソフトカバー))」ぐらいだろうか。これも面白いには面白かったけど、これを日本で出来るんかいなとちょっと腰がひけてしまうような内容で、結局、ここで語られてた手法の何かが役に立ったかというと、うまくいかすことはできなかった。
でも、本書で説くテレアポ法は、あぁ、これなら出来そうだなと思わせられるところが多くあって、それだけでも読んだ価値は充分あったなと思う。何人かのメンバーにも読んでもらおうっと。