「観光地」つながりで思い出した事例【メモ】

今朝は小雨まじりの雪。バスで40分ぐらいかけて出勤してきた。
久しぶりにバスだったのでぼーっと考え事をしてたら、ふと、昨日の「観光地のブランド力診断」のつながりからか、観光地や国、地域といったもののブランディング事例を思い出した。思い出したとはいっても、あの本のどこかに、どこかの国のブランディング手法が載ってたな、というレベルでしか思い出せなかったんで、その本にあたってみた。

その本とは、「あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス」だ。

あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス

この本のなかの『便益ポータル』という章で、「ジャマイカに米国の旅行者たちをいかに集めるか」という課題の例が載っている。

当時カリブ海はリゾート地としてはあまり知られていなかった。ジャマイカは多くの魅力を有する観光地ではあったが、ほとんどのアメリカ人にとって、南海の一国にしか映らなかったのである。
そこで考えられたのが、ジャマイカにハワイのイメージをダブらせる方法だった。

「ジャマイカ、それはカリブ海のハワイ」

というコンセプトが開発された。

あらかじめ良いイメージや感情を抱いているものに「商品」をだぶらせることで、わかりやすく且つうまく感情を刺激するようなコンセプトを考え出したというわけだね。なるほど。


■テッピングポイント

ブランディング事例ではないけれど、「ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか」のなかに、ニューヨークの犯罪率が下がった話がある。

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

1980年代のニューヨークでは平均して年に2000件以上の殺人事件と60万件以上の重犯罪が発生したが、1992年に約62万件の重罪事件を記録してから、その後5年間で殺人事件の発生件数は64.3%も落ち、重罪事件の数もほぼ半分の約35万件にまで低下した。つまりある臨界点を超えて、著者の言葉を借りれば、「一気に何かが傾いた」のだ。

著者はこれを単に雇用、経済が安定したことではなく、犯罪の蔓延が伝染病として生まれている背景から、犯罪率が一気に低下したのは「背景の力」だと考える。

感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する

そして、著者は、犯罪学者のQ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した「割れた窓」理論を引っ張ってきて、ニューヨーク地下鉄の「落書き清掃作戦」と「無賃乗車の撲滅」が「きっかけ」をつくりだした一つの要因ではないかとする。「落書き」や「無賃乗車」といったものが、

さらに深刻な犯罪を誘発する合図、無秩序を象徴する小さなしるしだと信じていたのである。

こういった取るに足らない小さな犯罪の取り締まりが、巨悪犯罪激減のテッピング・ポイントだったのではないか、と。

「割れた窓」理論と背景の力は同一のものである。どちらも、感染現象は直接的な環境の些細な要素に手を加えることによって、それを反転させ、一気に傾かせることができるという前提にたっている。

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