虫の居所が悪いとき

どこか虫の居所が悪いとか、まぁそういうことは、人間にはよくあることなのだろうが、虫の居所が悪い人と一緒にいなきゃならない人はもっと居所が悪かったりする。
なんで、こいつのために気をすり減らさなきゃならんのじゃ、と思い始めると、だんだん腹がたってきて、ええぇい、なんてみみっちい奴だ。虫の居所が悪いなら悪いとはっきり言え!などと怒鳴りたくなる。が、虫の居所の悪い人にそんことしたら、火に油を注ぐようなものだ。ここはひとつ我慢我慢。今日は、一日我慢の日であった。 

あっしの両親は、腹をたてたり、怒ったりすることはあっても、それをほんの10分、20分ですっかり忘れてしまえる人たちだった。(だった、なんて書くともう亡くなってしまったかのようだけれども、まだまだ健在)
ボクも小さい頃機嫌が悪くなると、ぐずぐずといつまでも拗ねたり、泣いたりと、めめっちい性格だったのだが、そうやっていつまでも「不機嫌」を引きずっていると、親父はいつもひどく怒るのだ。その怒り方が今思うと変で、「こら!いつまでもめそめそすんな。笑え!10数え終わるまでに笑え、笑わんかったら、本気で怒るぞ!」と、笑うことを強要させるのだ。まぁ、ダブルバインドってやつで、こっちとしては、怒られるのは恐いので、笑うしかないのだけれど、ほとんど顔がひきつっていたりして。よく精神障害を起こさなかったなぁと思うのだけど、ああいう教育方法は教育方法でいろいろいい面もあるのかもしれない。現にボクは腹をたてたり、嫌な気分を引きずらない人間になった。一瞬腹がたって、その後は、すぐにそんなことは忘れてしまえる。
これもあの無理矢理笑いで訓練をつまされた賜物か。

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