愛のむきだし

随分とエントリーしてなかったけど、その間にも色々なことがあった。
個人的にはiPadを買ったり、iPhone4に乗り換えたり、バルト三国を旅行でめぐったりと、この2ヶ月あまりで相当散財してしまい、今年の後半はかなり節約モードで過ごさないとなという感じ。これらの記録も気が向いたら備忘録としてつけようとは思ってるけれど、今はそういう気分でもない。なので、久々ということで、リハビリがてら、今日観た映画(DVD)についての感想。

B002AE5A7M 妻が借りてきた「愛のむきだし」という映画を観た。
昨年、随分と話題になっていたようなのだけど、映画からも遠く離れて過ごしているボクはまったく知らなかった。
いやー、観てよかった。けっこう度肝抜かれた。これは大傑作だと思う。こんな作品はそうそうは生まれないだろう。
約4時間(DVD2枚組)と、商業映画としてはかなり無茶な長編。内容も、実話に基づくというものの、あまり一般受けする要素もなく、演出の過剰さや音楽がゆらゆら帝国というあたりも相まって、いかにもカルトな臭いが漂う映画だ。

でも、観始めたら、飽きる間もなく、最後まで一気に突っ走ってしまった。観終えた後には、なんだろうこの感動は、良いストーリーや良い話でじーんと感動するみたいな、いわゆる普通の「感動」とは違う種類の感動がここにはある。よくぞここまで突き抜けたな、やり尽くしたな、というような思いが沸き起こってくるような、そんな感動だ。観ればわかるけど、とにかく「すべて」を詰め込んだという感じだ。それが良いとか悪いとかあるにせ、さまざまな表現や演出の可能性や手法を、かなり貪欲に盛りこんでいる。なので、映画を観ている4時間という時間の中で、この映画はどんなジャンルの映画なのかという認識が何度も何度も変わっていくのだ。
そして、身体的にも精神的にけっこうな疲れが押し寄せてくる。なにせ4時間、相当なテンションで画面に注視するからだ。こんなにカロリー使う映画はここ最近は観た覚えがない。それぐらい凄まじいテンションの映画だということだ。

映画を支えている役者陣もなかなか凄い。よくこの映画の出演を許可したなとも思う。やっぱり園子温監督の作品だからだろうか。特に、主役の女子高生役を演じた満島ひかりという子。最近注目されてるようだけど、この人の演技はなかなか鬼気迫るものがある。愛くるしい女子高生を演じたかと思えば、ドスの利いた声で荒くれ男どもをなぎ倒す。どのシーンでもかなり過剰に演出されているけれど、その過剰さに乗っかっても彼女の演技は「演技」や「嘘」にならない。これは凄いなと。もしかしたら、この映画は彼女じゃないと持たなかったかもしれない。奥田瑛二の娘の安藤サクラも、かなりいい味だしてた。あの気持ち悪さは相当なものだ。並の役者ではない。

観終えてから数時間経つけど、まだ、ゆらゆら帝国の「空洞です」が頭の中でリフレインしてる。ゆら帝の音楽がまた、この映画の雰囲気にはまってるというか、より雰囲気を助長しているというか。



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