2010年の大晦日は大雪
2010年の大晦日は京都はすごい雪が降った。ここ数年、雪らしい雪がほとんどなかった京都だったので、久々の本格的な雪に少し気分が高揚した。
ボクは前日から大学時代の友人と大原の宿に泊まっていたのだが、前日は多少小雨ながらそんな気配はほとんどなかったのに(実は天気予報では明日は大雪大荒れと予報されていたそうだけれど)、朝起きてみたらあまりにも大雪ではないか。少なくとも、午前3時過ぎに腹を減らした一人がコンビニに買出しに出かけたがその時は雪なんて一粒たりとも降ってなかったので、おそらく朝方から一気に降り積もったのだろう。いやはや、これほどの大雪は京都に長く住んでいるけれどあまり経験したことがない。雪景色というような悠長なものを通り越してまさに猛吹雪。積雪はゆうに10cmは超えようかというぐらいだし雪はものすごいスピードで降り注ぐ。旅館の人たちが駐車場の車に積もる雪を落とそうと水を撒いてくれるのだが、雪を溶かすきりから猛烈な吹雪で、あっという間に車が雪に覆われてしまう。
仲間の一人が乗ってきてる車はスタッドレスタイヤを履いておらず、チェーンのみ。大雪降りしきる中、チェーンの取り付け作業を始めたのだが、これがなかなか一筋縄ではいかない。取り扱い説明書には、「着脱簡単」と陽気なコピーが踊っているが、どこがやねんと誰もがツッコミを入れたくなるような難解さ。数人がかりであーでもないこーでもないと取り組むものの、なかなかうまく行かず、その間も雪は降り続け、作業にあたったメンバーは雪まみれ。最初は、雪だ雪だと喜んでいたものの、いざ雪の中での作業を強いられるとなると、雪の厄介さにかなり気分も消沈した。
しかし、こんな時もいつものクロダ氏はさすがというか、ほとんど一人でチェーンを付けてしまった。前日の麻雀でもトップ勝ちするわ、チェーンも付けるわ、ほんと彼は器用で物知りだ。旅行などで彼ほど頼りになる存在はいない。
結局、旅館から寂光院までは歩いてほんの数分という絶好のロケーションにも関わらず、外を出歩く気になれない。結局、皆の帰省の交通も危ないんじゃないかということも考慮して、何もせずにそそくさ山を降りてきた。そういえば、何年か前に、箱根で同じように皆で集まった時があったが、あの時も旅館について飯を食ってただ寝るだけで、ほとんど観光らしい観光をせずにそのまま帰ってきた。いかにもボクらしいというか、大学時代からこのへんは変わっていない。
下山中も。車はスタッドレスを履いてるとはゆえ、あまりもの吹雪で視界はものすごく悪い。どこまでが道か側溝があるのかないのか、山道の雪というのは不謹慎だが、なかなかスリルがあって愉しかった。観光はできなかったけど、こんな大雪の京都を皆で体験できたというだけでも十分貴重だ。
下山して最寄りの地下鉄駅まで送るがてら、久々に同志社の今出川校舎に足を踏み入れてみた。ボクは京都に帰ってきてから何度か写真を撮りにきてはいたけれど、殆どのメンバーは大学卒業以来なので15年ぶりぐらい。懐かしいということもあるが、校内は雪で真っ白でよくわからない。そもそもボクらの時は1、2年が田辺で、3年から今出川と校舎が分離されていた時代で、どちらかというとサークルのBOXとかでうだうだと無為な時間を過ごしていた田辺のほうが色々と思い出がある。今出川になると、あまりBOXに集まるということもなくなり(そういえば学館が取り壊されて別の建物になっちゃったわけだけど、学館にあった部室とかはいったい今はどこにあるんだろう。あの薄汚く前時代的な学館の部室は、なかなかあれはあれで味わいがあってよかったのになぁ)、この校舎でどうこうという思い出はあまりない。まぁ、古い校舎のすきま風がやたら寒かったとか、すぐ近くの麻雀店に入り浸ってたなーとか、そんなことばかりだ。
しかし、15年以上前にある時間を共に過ごした仲間たちだが、こうやって暮れの押し迫った時期にわざわざ京都に集まって泊まりに行けるというのは、いいものだなと思う。(この校舎は何って名前だったけな。もうすっかり忘れてしまった)