個人株主はお客様

日経産業新聞で連載されている「株主と向き合う」という特集。
今日はナムコとカゴメ。二社は個人株主を基本「お客様」と捉えている。ナムコは株主総会の一環に株主懇親会を用意し、株主の「家族サービス」を充実。人気のゲームが遊べたり、同社のキャラクターによるダンスショーや、ケーキの試食など。

カゴメは三年前に「個人株主十万人」構想を掲げた。2002年2月から年に一度のペースで名古屋と東京でカゴメ商品を無料で試食できる株主向け立食パーティーを開催している。同社の広報総費用は年間四億円。従来のほぼ四倍にはねあがったが、2001年3月待つに6500人だった個人株主は三年の間で76000人超へ。10倍以上に増えた。
喜岡社長によると「カゴメのブランドも、株式も、お客様の支持があってこそ。個人株主には一般消費者の約十倍のカゴメ製品を買ってもらってる」とのこと。

東京証券取引所によると、個人株主の総数は2003年度で3400万人。1994年度の2720万人から700万人近く増えた。

いわゆるメーカーが個人株主=お客様という視点から個人株主施策を強化するというのは、マーケティング観点から考えても重要だろう。IRというと、どうもマーケティングセクションから切り離されたコミュニケーション機能として見られてしまいがちではあるけれど、これだけ個人株主が増え、今後も増え続けるであろうことを考えると、個人株主をいかにして振り向かせ、長期的な関係を築くかということは、きわめて重要なマーケティングテーマになるのではないかと思う。
確かに、自分が株主になっている企業のことは気になる。この「気にしてもらえる」ということだけでも企業にとっては十分価値のあることではないか。(もちろん個人株主施策としては、デイトレーダーのような移り気な人たちではなく、いかに長期保有してもらえるような安定個人株主の比率をあげられるかが重要。)

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コメント

  1. 大西宏 より:

    いいご指摘ですね。確かに、NETによる個人投資家が急増しています。二重の意味で、いい顧客になりえるわけですか。
    今、Livedoorの社長の個人批判をした、共同通信の「署名で書く気記者のニュース日記」に非難のコメントが嵐のように寄せられていますが、ちょうど阪神タイガースファンの姿が重なり、個人投資家は会社の熱狂的なFANになるものだと感じています。
    ただ業績と株価を維持してこそ、FANをつなぎ止めるのでしょうね。

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