3つのチーム型

ドラッカーは組織のチーム型には「野球型」「サッカー型」「テニスのダブルス型」があると語っている。このどれかが唯一正しいというものではなく、「何をなしうるか」「何に使うか」という点でそれぞれ強み、弱みがある。(「実践する経営者」第25章◎チームの種類と使い方ー野球型、サッカー型、テニス・ダブルス型)

野球型

  • 選手はチームに属してプレーするが、チームがプレーするわけではない
  • 選手のポジションは固定されている
  • 一人一人を評価し、目標と責任をもたせることができる
  • 自らの強みを限度一杯まで伸ばすことができる。他のメンバーに調子をあわせる必要がない
  • 柔軟性がない
  • 例)心臓手術を行う外科チーム

サッカー型

  • 選手のポジションは決まっているがチームでプレーする
  • 野球型が直列なら、サッカー型は並列
  • 高い柔軟性を持つが、前提条件として、サッカーの監督が指示する戦術のような楽譜を必要とする
  • あらゆるメンバーがチームのリーダーに従う
  • チームのリーダーが許したときのみソロを演じる

テニスダブルス型

  • 少人数編成のジャズバンドや大企業の経営陣がこの型
  • メンバーはせいぜい5人から7人の少人数
  • 基本のポジションがあり、パートナーの強みや弱みに応じ、あるいはゲームの状況に応じ、お互いをカバーする
  • チームが機能するようになるには、時間をかけて訓練を積み、共に働く必要がある
  • 個々のメンバーの仕事は柔軟であっても、チーム全体の目標は明確でなければならない
  • 業績をあげるのはチームであって、メンバーはチームに貢献するだけ

チームをどのような型にしていくべきか。もともと30人程度のスタッフ数のときにつくったチーム体制は、70人近くになった今となってはいろいろな弊害もでてきていると思う。現状では機能別のグループが前提としてあり、グループ内にいくつかの目的別チームが分かれている体制となっている。しかし、これが果たしてクライアントが求めるものにふさわしい体制だろうか? 機能別にグループが分断されている最大の弱点は、成果をあげるための業務がグループ単位で分断されてしまうことだ。コミュニケーションが最も必要なところで、それを難しくしているとも言える。もちろん、こういったグループ分けをとったことのメリットも多い。各グループであたえられた機能のついての洗練を行っていくには良かった。もちろんこの組織はそのままにマトリクス型に案件ごと、あるいはクライアント単位でのチームを用意していくということもありかもしれない。あるいは、まったく違う考え方に基づいて組織しなおす方法もありかもしれない。

それはディレクターや、アートディレクターといった役割や業務範囲の問題とも密接に絡んでいる。「アカウントプランニング思考」のなかでクリエイティブの一所発想、二所発想みたいな話がでてきて、興味深く読んだ。現状はどちらかというと二所発想の体制が組まれているわけだけれども、理想はやはり一所発想なのだろうなぁと思う。とすると、やはりアカウントプランナーなのだろうか。アカウントプランナーの下に、プロダクションマネジャーやアートディレクターが構成されるチーム体制が望ましいのだろうか? いやいやそもそもドラッカーは職務を設計して、その職務に合う人を探すということが組織を弱くするんだといっているじゃないか。職務は仕事の要請により規定されるが、その職務はスタッフの強みを最大に生かせるところでなければならない。うーむ。まだまだ考えが足りない。思案中。

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コメント

  1. 農家の本棚 より:

    P・F・ドラッガー 実践する経営者

    現代の経営が難しいと感じた人に。

  2. 玲治 より:

    農家の本棚運営者の玲治です。
    トラックバック張らせていただき、ありがとうございます。

    私的には、現代の経営よりも、今回の実践する経営者の方が読みやすかったです。

    特に同族会社の経営の仕方など、家族的経営の多い農家の方にも役立つと思っています。

    これからも宜しくお願いいたします。

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