三浦 展「下流社会」と井上 尚登「T.R.Y」
連休もなかなかこれで忙しかったんである。仕事でもプライベートでも決めなきゃならないことや、やらなきゃいけないことが多くて気が滅入ってくる。
今週は東京だったが、結局、ホテルに帰っても朝方まで仕事の繰り返しで、かなり慢性的な寝不足。明日は土曜日だが、朝一で用事。そのあとは月曜日納品のための仕事… いつまでこんなのが続くのだ。
Amazonの書評でもさんざん叩かれてるけど、ビジネスを考える上では何かヒントになるようなものがあるのではないかと期待して「下流社会」を読んでみた。本書を読まなくても、消費の二極化なんて話は誰でも知ってることなのだが、おさらいの意味で最初のほうだけ囓っといてもいいかも。
ビジネスを考えるうえで、間もなく定年を迎えようとする団塊世代と、そして30~40代という最も家計支出が増える年齢に差し掛かった団塊ジュニアをどう捉えるか。
あとは調査結果をだらだら紹介してるだけで、確かにサンプルも少ない。かなり著者の偏見も混じってるのでカチンと来る人も多いだろう。
下流社会 新たな階層集団の出現 | |
三浦 展 光文社 2005-09-20 売り上げランキング : 362 おすすめ平均分析に疑問 これがベストセラーになるというのがすでに… 作者は統計学、社会学を勉強した方がいい Amazonで詳しく見る by G-Tools |
一方、忙しくなればなるほど、本を読む時間がなくなるので、そういうときは便所だとか、ちょっとした移動だとかでとにかく活字にふれたくなる。隙間時間はほぼ読書にあてて、東京出張の間の息抜きに読んだのがこれ。
T.R.Y. 井上 尚登 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ボクは詐欺師の小説とかマンガは結構好きなのだ。騙し騙されに大どんでん返しと、決まり切ったパターンなのだけど惹かれてしまう。この手のストーリーのパターンは、騙してた人が実は騙されてて、と思ったら、さらにそれ自体も騙してて、みたいな入れ子構造になることがすごく多い。本書もそのパターンで、この手の小説が好きな人は、後半はこういうことなんだろうなぁと、そのネタに気づいてしまうだろう。史実のフィクションへの絡ませ方がうまい。でも文章はいまいち。だから町とか人とか時代が活き活きしない。勉強しましたー。勉強した知識をいっぱい盛り込みましたー。そんな感じが残ってしまう。
読んでてやたら映像的だなぁと思って、誰か映画化するんだろうなぁなんて考えてたら、とっくの昔に映画化されてたのね。大森一樹か。批評を見る限り、日本映画の一番ダメなパターンにはまったみたいなことらしいが。うまくやればかなり面白い映画になったのだろうに。それぐらいに映画向きの小説だ。著者はもしかしたら「映画」のことを考えてつくってんじゃないかと思うぐらいだ。最後のどんでん返しも、「羊たちの沈黙」ぐらいにうまくやれば、かなり映画でもはまるだろし。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメント
下流社会