東野圭吾「白夜行」と伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」
どうも最近、小説はこの手の軽いものしか読めない。小説を読むことが、ほとんど時間つぶしや気晴らし以外のなにものでもなくなってしまってて、あまり重いものを受け付けられないカラダになってしまっているようだ。
東野圭吾は「容疑者Xの献身」だけでは、よくわからないので、TVドラマもやってるしということでミーハーまるだしで、「白夜行」も読んでみた。文庫本の解説で馳さんが書いてるように、主人公の内面が一切語られず、事件を基点として20年近い時を語るというのはすごい手腕だと思う。これには驚いた。しかも事件の最も重要なところはほとんど語られてもいない。主人公二人の事件の関与もまったくといっていいほど描写されていない。所謂「ミステリー小説」が差し出す謎のようなものさえもこの小説にはない。謎といえば、そもそもなぜ主人公たちがこのような人生を送るのか、二人の間にどのような盟約や絆が結ばれているのかというおよそ「ミステリー小説」らしからぬ謎があるだけだ。しかもこれらの謎はあくまでもこうだったのだろう、ということでしか解決しない。にもかかわらず、小説としてはすべてが納まるところに納まり、きちんとした決着がつける。このあたりは「謎」を仕掛けとしてしか考えられない多くのミステリー作家さん達には到底書けそうにもないだろう。
白夜行 | |
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陽気なギャングが地球を回す | |
伊坂 幸太郎 祥伝社 2003-02 売り上げランキング : 1,051 おすすめ平均 最初から最後までトークが弾む いい感じの90分映画 面白い小説 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本作もそのまますぐに映画化できそうなぐらいに映像的だ。前田哲さん監督で映画化されるようだけれども、個人的には石井克人さんか中野裕之さんあたりに監督してもらいたい素材だと思う。
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コメント
東野圭吾 - 白夜行 (1999)
先日ドラマが最終回になったらしいが、一度も見ていない。最終回の翌日に原作を読了した。いやー、面白い。東野圭吾の作品の中でも群を抜いての傑作ではないでしょう...