見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み
見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み遠藤 功

東洋経済新報社 2005-10-07
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まだ会社が小さくて、社員数も少なかった頃は誰が何をやってるかなんて誰もが理解してた。誰が今てんぱってて、誰がどのお客さんの案件やってて、どこのフェイズにいるのか、どんなトラブルが発生しているのか、意識せずとも「見え」ていた。次第に人が増え、情報の伝達の効率性や共通スキルの蓄積などのために部署ができ、業務が細分化され、気づけば「見えない」領域が広がっていた。

そして「情報共有」が経営課題として持ち上がる。「隣の人が何してるかもわからない」なんて悩みが俎上に上がり、掛け声のように「情報共有」が叫ばれる。

しかし、よくよく考えて見ると、当たり前だが、「情報共有」は目的ではない
「情報共有」はあくまでも手段だ。であれば、「隣の人が何をしているか」を把握する必要なんて実はないことも多いのではないか。何かの目的のために情報共有しなければならないのであって、ただ「隣の人が何をしてるか」を理解しても、その目的が達成されなければ意味はない。

昨今、トヨタ流の経営手法が人気で、「見える化」というキーワードもトヨタ経営の重要なワードの一つだけれども、「見える化」というのも一種の「情報共有」だ。

本書では、「見える化」の目的とは、ずばり問題を解決するためと言い切る。そして、「問題」とは「基準や標準の姿と現実に起きている姿とのギャップ」だ。

「情報共有」という抽象的な言葉を解いていくと、それは問題を解決するために、理想と現実のギャップを可視化すること、ということになる。問題を見えるようにすることで、組織がその問題を自律的に(ボトムアップ的に)解決させていくための現場力を養っていくことが必要なのだ。

本書では「見える化」の必要な領域を、「問題」を中核とし、それを取り囲む「状況」「顧客」「経営」「知恵」の4分野をあげている。

「問題の見える化」を以下の5分野と設定している。

1.異常の見える化
2.ギャップの見える化
3.シグナルの見える化
4.真因の見える化
5.効果の見える化

異常が発生していることを見えるようにすること。自らが見ようと意識せずとも見えてしまうような仕掛け(シグナル)を盛り込むことが重要だ。異常を見えるようにすることで、異常へどのように対処していくか、という意識が生まれる。もちろん、それが異常であると判断するには、何が普通か、基準かということが前提として明らかになっていなければならない(ギャップ)。そして、その異常や問題がなぜ発生したのかということが見え(真因)、さらに問題は解決されたのかどうか、どのように解決されたのか(効果)ということが見えなければならない。

私たちの会社にも問題は山積みだ。ただ莫大な問題を前に途方に暮れるのではなく、その問題を自律的に解決していけるための「見える化」を進めよう。

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コメント

  1. Lele より:

    That's really thninikg of the highest order

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