“ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実” (ジェフ・エメリック, ハワード・マッセイ)


“ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実” (ジェフ・エメリック, ハワード・マッセイ)


本書の紹介そのままんま使うと、
「1966年「リボルバー」から1970年「アビィ・ロード」まで、ジョージ・マーティンと共に、ビートルズのレコーディング現場にいた唯一人のレコーディング・エンジニア「ジェフ・エメリック」
が語った真実がここにあるらしい。

んなこと言われてビートルズファンのボクが読まないわけにはいかない。

ボクはビートルズが大好きで、この好きというのは、単なる楽曲が好きというレベルを超えて、その楽曲が生まれてきた背景、そのアレンジや生み出される過程、そしてバンドメンバーの確執やらといった、ビートルズを構成する様々な断片的な物語も含めて好きであり、そしてまたそれをある意味、知り尽くしたいと思っているファンの一人だ。
なので、ビートルズに絡む本はかなりの数を読破してる。
そのなかでも特にサウンド研究本は好きなジャンルの一つだ。

そんなボクにとっては本書は涎ものの一冊。すでに別のところで読み聞きして知っていたことも多かったのだが、細かくまで把握できてなかったレコーディングの裏側を伺い知ることができ、かなり興奮した。

確かに、本書内では、ジョージ・マーティンをかなりバカにしてるし、ポールの持ち上げ方とは裏腹に、ジョンやジョージはかなり辛辣だ。ポールはすばらしいミュージシャンであり、センスも最高で、また人への気遣いなどもできてて、実質のビートルズのリーダーだった、みたいに褒めちぎってるのだが、他のメンバーへはかなり厳しい。
ジョージなどはこれだけを読んでいると、ギターリストとしてはどうしようもないし、性格的にも問題ある最悪の男になっている。ジョンの気まぐれさも、いろんなところで語られてはいるので、大方そうなのだろうとは思うけれども、本書で描かれるその傲慢ぶりにはちょっとあきれてしまう。

こういうメンバーなどの描写については、かなり主観的なところも入ってるのだろうとは思うし、読んでいてあまり気持ちのよいものではない。
が、しかし、それでも本書はビートルズの音楽の秘密を少しでも探りたいと思うものなら読んでおかなければならない。ビートルズのサウンドメイキングの秘密、あの魔法が生まれる瞬間が描かれてるからだ。「魔法」を描いた本も何冊も読んできてはいるけれども、レコーディング現場の生々しさでは、やはり本書が一番だ。

ちなみに、ビートルズのサウンド研究本としては、日本の偉大なるビートルズ研究家チャック近藤氏の「ビートルズサウンド大研究」はぜひとも読んでいただきたい。ビートルズの公式発曲213曲(214曲との説もあるが)+「ree As A Bird」と「RealLove」の計215曲の聞き所、弾きどころを解説している希有な本。


“ビートルズサウンド大研究(上)” (チャック近藤)


“ビートルズサウンド大研究(下)” (チャック近藤)

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