「決定」で儲かる会社をつくりなさい
前作というのか「儲かる仕組みをつくりなさい」には相当影響を受けたというか、かなり参考にさせていただいた。
今日の役員会議でも同じような話になったのだが、結局、「●●●●をやれ」と指示するだけで、●●●が速やかに確実に実行されるのであれば、経営なんていらない。マネジメントなんていらない。ただ言ってるだけでは出来ないからこその経営なのだ。それをやらざるをえない仕組みや、やることにモチベーションや働きがいを感じさせる仕掛けなど、●●●がなされるために環境や仕掛け、仕組みを用意していく。そこにこそ経営の醍醐味があり、ダイナミズムが潜んでいる。小山さんの方からボクはそんなことをほんの少し学んだ。
しかし、小山さんのやりかたというのは、ちょっと劇薬すぎるというか「普通」からはやはりだいぶズレている。これを実行するにはかなり勇気が必要だ。
もちろん、他と違うことをするから意味があるのであって、他の会社がやってることをそのままなぞっていても駄目なことはわかっている。それでもどうしても長いものに巻かれろ精神というか、大方の人がそうであろうと考える方法をあまり深く考えずに採用しがちなのが会社経営だ。でも、それってよくよく考えてみれば、会社経営でもなんでもない。小山さんの本を読むと、そういうことを考えさせられ、改めさせられる。
前作が「仕組み」であり、そういう仕組みをつくることで、そうせざるをえなくするという様々なテクニックや考え方が披露されたが、今回は「決定」だ。経営にはさまざまな「決定」がつきまとう。決定一つで会社が傾くかもしれないし、決定一つで大きく成長カーブを描くこともある。決定ができるのは経営者だけだ。本書ではさまざまな場面における小山流の「決定」方法、「決定」への考え方、ポリシーが明らかにされる。銀行との交渉方法など、ちょっとした裏技的なテクニックも明らかにされていて面白い。
でも、今作は前作に比べると、やっぱり物足りないなぁと思う。やはり前作から漏れた事象を拾い集めた感は否めず、全体に散漫な感じはする。それでもやはり得られるものは少なくない。読んでおいて損はなし。
スポンサーリンク
スポンサーリンク