意思決定:問題の定義・問題の分析

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ドラッカーは「マネジメントとは意思決定のプロセスである。」と言っている。「意思決定」ではなく「意思決定のプロセス」と言ってるところに意味がある。
それを裏付けるように彼は「最もよく見られる誤りは、正しい問いを発することではなく、正しい答えを得ることに焦点を合わせてしまうことによってもたらされている。」と語る。

経営は日々何かしらの問題との遭遇だ。ある問題が解決したと思えば、また別の問題が生じる。
問題の波に揉まれていると、私たちはついつい「正しい答え」を求めることにばかり頭がいってしまいがちになる。その判断は妥当なのか、正しいのか。その決断は良い決断なのか、悪い決断なのか。

しかし、ドラッカーは「問題の解決だけを重視してよい意思決定は、さして重要でない日常の戦術的な意思決定」だとも言う。

そう、経営にとって意味を持つ意思決定、つまり「戦略的な意思決定」において重要なことは「正しい答え」を急いて得ることではなく、「正しい問いを発する」ことなのだ。「問い」が間違えていれば、そこから得られる答えも間違ってしまう。重要なのはその問題がどういう問題なのかをしっかり見据えること。

似たようなことを保坂和志さんが言っていた。このブログでも「想像力の摩耗」というエントリーでとりあげた。

戦略的な意思決定には5つのプロセスがある。

問題の定義」「問題の分析」「複数の解決案の作成」「解決策の選定」「効果的な実行」だ。

このプロセスのなかでは「問題の定義」「問題の分析」「解決案の作成」にはたっぷり時間をかけなければならないが、「選定」には時間を使ってはならないと言う。そもそも「選定」に時間がかかるのは、前段階のプロセスの失敗なのだ。
すべてのプロセスを細かく説明することはできないが、勉強のため、最も重要なステップとされる「問題の定義」「問題の分析」をドラッカーのテキストを下敷きにその考え方やステップをまとめてみる。

「問題の定義」においてとるべき最初のステップは「決定要因」を発見することとされている。
「決定要因」とは、何よりも優先して変更し、動かし、働きかける要因のことだ。
直接問題を分析して決定要因を見つけることは容易なことではない。なので、以下のような補助的な手法をつかう。

1)何事も変化、変動しないものと仮定して、「何もしなければ何が起こるか」を問うこと
2)過去のさかのぼり、「問題が最初に起こったとき何ができたか、あるいは何が放置できたか、その場合、現在の状態はどうなっていたか」を問うこと


特に(1)を考えてみることは極めて有用だ。何かの問題の際に私たちはついつい「何かする」という前提で思考する。
「組織の組み替えが必要なんじゃないか」「誰をリーダーにする必要があるか」などなど。。。ところが(1)で考えてみた場合、実は、何もしなくても特に何も問題がない、何も変わらないのではないかということも実際少なくはない。
ボク自身、問題にぶちあたり、なんやかんやと解決策をいろいろと考えていたときに、ふとこの方法で考え直してみて、何もしなくても良いということに思い当たったことがある。「何もしなくても良い」というところから、その問題が今まで自分が見ていた問題とは全く違う問題であったことに気づかされたことがあるのだ。

第二ステップは、問題解決のための条件を明らかにすること。そして
第三ステップは、問題系決策に制限を課す原則のたぐいを検討すること。守るべき原則や方針やルールは何かを確認するということだ。

この3ステップを通じて、「問題の定義」がなされる。
「問題の定義」が終わってはじめて「問題の分析」を始めることができる。

問題の分析のステップにおいて重要なのは、事実を収集するということだ。
可能な限り有用なデータを集める。そして、それらデータに基づき、問題の種類を問いかけるのだ。
問題の種類は大きく4つの軸から考えらえる。

 1)意思決定の時間性
 2)意思決定の分野や機能への影響度
 3)意思決定に関わる価値的な要因の数
 4)その意思決定は特異なものか反復的なものか

だ。これらの基準によって問題を分類しておくことで「目前の課題や局部の解決に没入することなく、事業全体に貢献」できる意思決定が可能になる。
それぞれ4つの性質については、別のエントリーで再度、詳しく説明してみたいと思うが、本エントリーはひとまずここまで。

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コメント

  1. 名無しのリーク より:

    香川県ルー餃子のフジフーヅはバイトにパワハラの末指切断の重傷を負わせた犯罪企業

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