忙しさを伝染させるリーダー

組織を伸ばす人、潰す人 社員の「成長スイッチ」をONにするリーダーの条件


組織を伸ばす人、潰す人社員の「成長スイッチ」をONにするリーダーの条件

posted with amazlet on 08.01.16



柴田 励司
PHP研究所 (2007/02/24)
売り上げランキング: 35762

おすすめ度の平均: 4.0

5 読みやすい「有能なビジネスマン」本
4 人事・組織マネジメントのポイントを分かりやすく説く
3 どこかの「組織リーダー論」で読んだ気がする・・・


いくつか面白いなと思うところがあったのだけれど、すごく身につまされたのは『「忙しさ」を伝染させない』という提言。

「忙しい」原因は「仕事が多いこと」。そして、この「仕事の多さ」をつくり出しているのは一部の実力派幹部社員だったりする。
彼はスーパー・キーパーソンなので仕事が集まる。そうするとこの「忙しさ」が組織に伝播する。

たとえば、スーパー・キーパーソンに評価されたい人々が彼の働き方を模倣するようになる。夜中の一時に彼から出されるメールに、一時十五分に答えたりするようになる。
そうすると、この人たちに評価されたい末端の方々がさらに、一時三十分に返信したりする。そして、延々と仕事をする雰囲気が生まれる。
このスーパー・キーパーソンの指示が顧客への価値創出に直接関わるものではない場合、やたらと忙しいが売上げは伸びないという悲惨な状況を招く。

うーむ。自分では意識してなかったが、たぶん、ボクも忙しさを伝染させてる張本人なんだろうなぁ。「スーパー」かどうかは別としてキーパーソンであることは間違いないわけで、ボクみたいな立場の人間が深夜休日問わずメールで指示出したり、何か訊いたりみたいなことをしてたら、そりゃ、それに応えようという意識も働くわね。

実際、深夜にチャットのようなメールの応酬が発生して、お互いがこんな時間までやってるんだということを暗にアピールするような場面もちらほらある。
よくよく考えたら最悪だ。上に立つ人間がそんなことしてたら、そりゃ現場が忙しくならないわけがない。

この業界はなぜか「忙しい」ことが価値のように語る人が多いし、「忙しくない」ということが自身の能力のなさを露呈しているような感覚を持ってる人も少なくはない。なので、みんなが過剰にも忙しさをアピールし始める。

もう一度、自分の言動を振り替えってみようと思う。自分の言動が周りに悪い影響を与えてることは少なくはない。残業を減らそうとスローガンを唱え続けるよりも、まずボクも含めて会社内のリーダーがこういうマインドを持てるか、意識できるかが大事なのではないか。

また
『「いかに休むか」を忘れない』という章でも同じようなことが書かれている。

「休むことができない人はそういう働き方をすることで、自分が組織にとつて、いかに大切な人間であるか、これが証明されているような気がする」「組織が個人技で動いてはいけない」のようなことを言いながらココロの奥底では「自分がいないと組織が動かない」と思っている。」「「下手に休むと自分が重要ではない人物と思われてしまう」という妄想」

これに対して、「本当に組織にとって重要な人間なら、二週間やそこら休んだところで、その「重要さ」はびくともしないはずです」と著者は言う。
確かに。言われてみればそうなのだけれど、アタマではわかっているのだけれど。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です