情報アーキテクチャ入門―ウェブサイトとイントラネットの情報整理術

情報アーキテクチャは可視化しづらい。
僕らは日常生活のなかで、無意識的にアーキテクチャに基づいた情報探査や理解を行っているのだけれど、それがあまりにも自動化してて、自然なため、裏側の構造について考えようとはしないものだ。
当たり前のことだが、テレビを買う人は、テレビ番組を見たいのであって、テレビが番組を受像する仕組みや、映像や音声を流す仕組みを理解したいわけではない。
Web構築をお願いするクライアント側も、別にアーキテクチャについて知りたいわけではないだろう。
ところが、特にビジネスとの親和性の高いWebサイトなどにおいてはクライアント側にもアーキテクチャの重要性に理解してもらわないと、プロセスが破綻してしまう可能性もあるわけだ。

本書では、情報アーキテクチャとは何か?という問いから始まり、情報アーキテクチャはどのようにして構築するのか? 情報アーキテクチャの破綻がもたらす損害などをチャート化している。第一版に比べて、レベルは格段に上がり、内容も、より学術味を帯びている。

しかし、この本で得られることは、情報アーキテクチャに関するほんの一部のことにすぎない。情報アーキテクチャという分野の裏側には認知科学や記号論、文化人類学、心理学といった、さまざまな分野の研究の裏づけが不可欠なのだ。
その意味では、本書はそれらさまざまな学問への「リンク」に近いものであり、本書から奥深い情報アーキテクチャという新しい分野への入り口程度のものだと考えたほうが良いのかもしれない。

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