企業の生存確率

photo credit: Team Lane via photopin cc

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創業当時、企業の生存確率をどこかで知って、大変なことに挑戦してしまったのだなぁと思ったことがある。当時、何で知ったかわからないが、設立5年以内に95%ぐらいの企業は消える。つまり、5年の生存確率は5%だというような数値を聞いたのだと思う。5%の生存確率を聞いて、5%もあるのか、よし俺達が5%に残ってやるぜ、と思うぐらいの前向きさが経営者には必要なのかもしれないが、あいにくそんな性分をボクは持ち合わせておらず、かなりショックを受けてしまった覚えがある。ただ、若いという強みがあった。失敗してもなんとかなるや。命まではとられまいいという開き直りができた。

まぁ、普通に考えれば5%の中に入るほうが難しいだろう。しかも、ボクら創業メンバーは誰一人社会人経験がないという、今思えばかなりむちゃくちゃな起業だったわけだ。数年でも会社で働いた経験があれば、まだ会社の成り立ちや、仕組みの片鱗でも知っていたのだろうが、本当に誰一人と、会社勤めがなかった。普通に考えれば、圧倒的に不利だ。「5%の生存競争」として考えたら、免疫のまったくない超ひ弱な奴が戦いに参加しているようなもので、負けて当たり前だろう。

電話の受け方も知らなかった。営業も誰一人したことがない。見積もりや請求書もよくわからない。名刺のサイズだって印刷間違えたり、考えられないような無駄と失敗を繰り返して、おそろしいぐらいに遠回りをして日々日々をしのぐというような毎日だった。よくそんな状態で生き延びられたなというのが、振り返ってみての実感だ。

でも、なんだかんだと気づけば10年が過ぎていた。来年には15年か。

気になって、企業の生存確率を調べてみたら、こんなエントリーアキバコンセプト ディマージシェア 大内慎の社長ブログ)があった。

国税庁(2005年)によれば日本の全法人数約255万社の内、
設立5年約85%の企業が消え、
10年以上存続出来る企業は、6.3%
(中略)
設立20年続く会社は0.3%




なるほど、最初に聞いた5%という率ではないようだけど、設立10年が6.3%だったようだ。10年で6.3%というのも、たいした数値ではあるけれど、設立20年で0.3%。これはもう海がめの生存確率みたいな世界だ。

今は「若さ」に任せて開き直りすることなんてできない。もう100名近くの社員の生活や家族があるわけで、なんとしてでも会社は存続させなければならない。

でも、0.3%だろうが、0.1%だろうが、一緒に働く人たちを信じて、その人たち皆が力を発揮すれば、どんな局面だって乗り切れるとボクは信じている。

エレベーターピッチで語られるようなビジネスモデルや仕組みに依存してるだけでは、そうは行くまい。最も重要なのは、最後は人だ。その意味では、ボクはこの会社の人を信じている。どんなに苦しい局面でも突破していける力強さや、雑草根性を持っている人たちが多い。ピンチになれば一枚岩で戦える。優雅さとか軽やかさはないけれど、生存本能は強い、そんな連中がいるのだ。

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