大手広告会社の状況
大手広告会社の中間期やら第一四半期やらの発表を調べてみた。
■電通
昨年度のワールドカップの反動もあるのだが上期(2008年4~9月)はかなり厳しい数字。
前年比で売上が97.1%、営業利益が81.8%。
取締役報酬を10%~5%当面の間、返上するという発表を行ったばかり。
第一四半期(4~6月)は「インタラクティブメディア」が前期比で+2.7%だったものの、新聞・雑誌・テレビなどの四マスでの落ち込みが大きかった。
成長領域への投資として
「アドテクノロジー開発への投資」を掲げている。期首の「今後の経営方針」でもこれらは掲げられており「アドネットワーク事業などのプラットホーム型ビジネスを強化」という言葉が見られる。
総合ソリューション力の向上として、グループ全体に拡散している「専門性」を「クリエーティブ」「ストラテジー」「クロスメディアプランニング」という3視点から統合させていくようだ。
■博報堂DYホールディングス
2009年3月期の第一四半期、つまりこの4~6月だが、
かなり厳しい数字が出ている。
売上高では前年同期比で-0.7%、粗利で-4.6%
媒体べうではインターネットメディアが34.5%、アウトドアメディアが12.8%、ラジオが2.2%と伸ばしたものの新聞、雑誌、テレビはかなり落ち込んでいる。
四マス合計では-7.7%の落ち込みだ。
コア広告領域以外の収益獲得力・利益創出の強化を掲げ、
制作業務の内製化強化のために博報堂プロダクツが博報堂アドダムを吸収
大広グループの制作業務担当の機能会社3社が合併して大広ONESを設立
ファッション・アクセサリー・コスメ関連に特化し雑誌広告を中心とした統合型マーケティングサービスを行う新会社博報堂マグネットを設立
などのトピック。
■ADK
電通、博報堂DYは決算が3月だが、ADKは12月だ。
よって2008年1月~6月が2008年12月期決算の中間期となる。
グループ連結での売上高は前期比-6.5%。
ADKの場合はデジタルメディア広告も-3.9%。
OOHメディア広告が7%と伸びた以外は、軒並み前年比マイナスだ。
中間期の説明資料を見ると、下期のテーマとしては、
・営業力強化(360度コミュニケーションの推進など)
・ダイレクトビジネスへの取り組み強化
・アニメコンテンツビジネスの推進
・国内支社の営業力強化
とある。
特に関西支社の落ち込みが大きいようで、支社では九州/中部が伸びてるが関西支社の落ち込みで、支社全体では前期比マイナス。