いまさらの楽天のメリット・デメリット

楽天

すでにいろんなところで分析されまくっている楽天だろうが、いまさらながらにあえてメリット、デメリットを考えてみる。

楽天のシステム利用料って月売上げ100万円ぐらいが10%前後ぐらいで、売上が大きくなるにつれ下がっていって7~8%ぐらいまで落ちるってのがだいたいの目安だろう。売上1000万円規模なら70~80万円ぐらいがシステム利用費やらポイント負担分やらカード利用手数料やらが含まれた額になるだろう。
もちろん、店舗によってポイント10倍キャンペーンをやったり、共同購入やらオークションで利用費がかかったり、データダウンロードでお金がかかったりと、まぁ、マチマチなので一概にこの比率で正しいとも言えないのだが、目安としてはこんな感じではないだろうか。

このコストだけ見て、高いか安いかということを考えると、独自店舗運営の場合は、ある一定の規模に行くまでやはり楽天のほうが安いなと思えてしまうかもしれない。ただ、楽天の場合、売上に比例して利用料の支払い額が増えていくので、売上が右肩あがりのところや、ある一定規模の売上を達成できる場合いは独自店舗にして、固定費をほぼ一定におさえられるほうがメリットが大きいと思うだろう。独自店舗でも安価なレンタルカートシステムなどをうまく使えば、楽天の費用よりもよほど安いコストで開発、運用していくことは充分できるし。


もちろん、楽天には単に店舗運営のための基本的な機能が揃っているだけでなく、最大のメリットとしては買おうと思ってるユーザーがたくさんいる、そのユーザーに色々な方法でアピールすることができるということがある。立ち上げたばかりの独自店舗は、SEOも厳しいだろうし、集客ってのは大きな問題だ。その点は、楽天には、初期の集客プランみたいなものも幅広く用意されているわけで、ここに惹かれて楽天を選ぶ人も多いのではないだろうか。

確かに店舗が無料で参加できるキャンペーンなどもいろいろ用意されていて(といっても、ポイント何倍かを店舗が負担するとか、そういう負担はあるが)、そういうものを利用していけば、初期でのプロモーションってのは、独自で店舗を立ち上げるよりは安上がりかもしれない。さらに、初期段階で見込み客を集めるためのプレゼントキャンペーンなどでも、懸賞市場と連携していることもあり、たいした賞品でなくとも、応募者はかなりの数集めることができる。そのリストをうまく利用してフォローしていくことで売上を立てることも出来るのだろう。

が、もちろん、困ったこともたくさんある。

例えば、よく言われてるが、「メールの配信」だ。売上がとてつもなく大きい楽天にとっても重要な店舗は何かしら優遇されていることもあるのかもしれないが、一般の零細店舗は、思いついてすぐメールを出そう、なんてことはまずできない。直近数日、4~5日はほぼ予約でいっぱいで、配信予約さえできない(らしい)。これは結構深刻だ。 

困るのは、楽天が主催するポイント変倍キャンペーンなどへの参加申込みをして、それをネタにメールで既存客などにセールスをかけたいときなどではないだろうか。キャンペーン参加の承認が降りるのは、そのキャンペーンが始まる3~4日前だったりする。が、もうその時点は、キャンペーン開始時のメール配信予約はまず不可能な混雑状況になっている(ことが多いらしい)。
あらかじめ予約しておけと思うかもしれないが、あらかじめ予約していて、その予約日で原稿だけを差し替えるというような機能がないわけで、結局、原稿を差し替えるとなると予約を取り消さないといけない。

リアル店舗でもECでも同じことだが、物販には「今月客」という重要な概念がある。
仮に、月半ばぐらいまでいって、今月は少しお客の動きが鈍い、今月は前期割れ、前月割れしそうだな、目標ラインが厳しいなというような状況の場合には、何かしらのキャンペーンを企画するなり、なんなりで、どうやって「今月客」を作るか、とうことを考えなければならない。この場合、ECなら、最もてっとり早い方法は、ハウスリストの活用で、既存客やメルマガ登録者、特定商品購入者などに対して、何しらのメリットのあるオファー付きのキャンペーンをしかけたりする。
しかし、楽天のメールのシステムでは、こういう柔軟な対応というのは、相当難しい。さぁ、メールを送ろうと思っても、予約できるのが1週間先だったりしては、もうその頃にはタイミングを外してしまっているかもしれない。

また、プレゼント応募に関しては、相当敷居を上げなければ、かなりの数の不正多重応募が入る。
ロボットや自動投稿のソフトなどを用いて、片っ端からプレゼントに応募する輩だ。この数を甘く見てはいけない。「楽天多重応募者 斉藤 告発サイトゥ」のようなサイトもあるぐらいで、ほんとに悪質な応募があるのが事実だ。

楽天のプレゼント管理システムには、根本的な欠陥があって、あまり詳しくは書かないけれども、楽天で当選者多数のプレゼントキャンペーンを実施するのはよーく考えてから行ったほうがいい。不正投稿があることは100歩譲って、仕方ないと考えよう。不正だということがわかれば、当選取り消しにすればいいだろう。が、今の楽天のプレンゼント管理システム上では、まずどの応募が不正応募かを判別する方法がない。これはシステム上で少なくとも、操作レベルで管理者がわかるような仕組みをつくってもらいたいものだが、現状ではかなり厳しそうだ。

外部の広告を利用するときの広告効果計測が困難というのも意外と問題だ。
キーワード広告などはやはり安価に実施できる効果の高い広告手法なのだが、キーワード広告から商品が売れたのかどうかはわからない。OverTureとAdsense両方使ってても、どちらのコンバージョン率が高いのかとか、どういうキーワードが効果あるのかがわからない。クリック率が高くても、コンバージョンに結びつかないキーワードってのはあるわけで、そういう金食い虫キーワードの古い落としができないし、ランディングページがそもそもどうなのかとう評価も難しい。

と、まぁデメリットをあげていけば、それはそれでキリがないぐらいにある。
ただ、じゃぁ独自店舗にしたとしても、楽天のデメリットは解消されるかもしれないけど、別のデメリットがあったりすることも事実だと思うので、結局のところ、店舗運営者の好みというか、戦略次第だろうと思う。
楽天でも何億という売上を上げて、大きなビジネスにしている店舗はいくつでもあるし。

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