楽天市場公式 ネットショップの教科書

楽天市場公式 ネットショップの教科書
楽天市場公式 ネットショップの教科書楽天大学 三木谷 浩史

インプレスR&D 2007-09-10
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おすすめ平均 starstar参考にはなるが・・
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この本は案外馬鹿にできない。というか、すごくよくまとまってる。
楽天特有のことについて書かれてあることも多いけれど、考え方の大部分は独自店舗などを手がける上でも理解しておかなければならないし実践したほうがいいものが多い。
自分がECサイトの運営主になったということもあるのだろうが、実際、委託されて運営しているのと自身が運営主になるのとでは相当意識に差があって、運営主になった意識としては、こういう本は基本中の基本がきちんと押さえられ、まとまっているので役に立つというわけだ。

楽天大学では、
集客⇒参客⇒接客⇒増客
という4つのステップ・サイクルによる枠組みで売上増を考えていく。
この枠組みもとくに珍しいものでもない。若干「参客」というステップは楽天っぽいが、言ってしまえば、メールアドレスなどの個人情報を集める、ということで、メールマガジン発行しましょう、懸賞などの際にオプトインを取っておきましょう、みたいなことで誰もが言ってることだ。

しかし、「当たり前」のことであっても、じゃぁそれをきちんと実践している/できるかというとそれはまた別であって、意外とここに書かれてあることを愚直に1つ1つ実践していき、継続していくことが、売上を伸ばしていく近道なんじゃないかとも思う。

自身がEC運営主になってから、このへんの意識は随分変わった。委託されての運営では、「当たり前」のことに飽きが来るのだ。「当たり前」のことを提案しても面白みがない。メールマガジン重要ですよ、メール重要ですよ、とか、懸賞キャンペーンを続けていきましょうとか。何年も言い続けてると、何かもっと劇的な仕掛けとか、仕組みとかそういうものを考えたくなる。あえてそういう基本部分のネガティブなところをクローズアップしてしまったり。

でも、こういう基本はやはり大事であって絶対に外してはいけない。

さて、
集客として11の方法が挙げられている。
ECで何が大事かって、集客はやはり最重要だ。とにかく多少なりとも興味ある、関心ある人がサイトに訪れなければ何も始まらない。逆に言うと、集客なしに増客はありえないし、売上拡大もありえない。
SEOにこれだけ注目が集まり、PPCや広告にみんなが群がるのも実感できる。とにかく集客なのだ。少しでも来訪者を増やしたい。特に立ち上げたばかりのEC運営主にとっては、集客問題は切実だ。

1)検索エンジン登録・対策
2)プレゼント企画+懸賞サイト登録
3)オークション・共同購入
4)広告
5)メール
6)クチコミ
7)アフィリエイトプログラム
8)モバイル(+紙媒体)
9)商品点数アップ
10)地道な広報活動
11)プレスリリース

3)なんかは楽天特有とも思うかもしれないが、ヤフーオークションなどを使ったり、海外ならebayを使うなど、オークションサイトを集客チャンネルとして利用するという方法はあるだろう。

10)と11)をあえて分ける必要があるのかどうかはあるが、10)は例えば、名刺にショップのことを入れる、QRコードを入れるとか。会社案内やらパンフレットやらに入れるとか、とにかく人との接点になるあらゆる媒体・メディアに店舗紹介を盛り込んでいくということだ。
こんなことは当たり前なのだが、しかし徹底してできてるところは意外と少ないかもしれない。どんな接点があるいかをリストアップしてチェックしてみるといいかもしれない。

2)も馬鹿にはできない。すでに定番の手法だし、オポチュニティシーカーみたいな奴ばかり集まって、リストは集まるけど、たいして意味がないみたいなことを言う人もいるが、多分、そういう人は自身でECを運営していない人だろう。
確かにそういうユーザーも多いが、地道にこれを繰り返してでもオプトインされたメールアドレスを集めるというのはECにとってはものすごく重要だ。

5)メールについてはそもそも「集客」ってのとはちょっと違うんじゃないかという気もする…. 「メール」で集客ってのは変だ。
ただ、EC運営においてメールはとてつもなく大事であることは間違いない。本書にも店舗づくり2割:メール8割みたいな考え方が出てくるが強ち煽りでもない。
一時期のメルマガ発行ブームみたいなものがあり、企業がばんばんメルマガを出すようになって、ゴミみたいなメルマガ増え、おまけに楽天は一度でも買いものしよなら、カテゴリーやらジャンルやら店舗やらとにかく、メールがわんさと送られてくるという状況があり、ボク個人はメールには冷め気味だった。
でも、自分自身でECを運営してみると、メールはやはり大事だし、メールの効果は大きい。
メールと一言で言っても「メルマガ」のようなものもあれば、購入客に感想を聞くためにフォローメールを送ったり、プレゼントキャンペーンの結果発表のメールであったりと、とにかくECをやっていく上で、メールを使う場面というのはいっぱいある。これらの場面でいかに効果的に活用できるか、こういう場面をいかにつくり出せるのか。
ここはきちんと頭を使わないといけないし、相当力を入れないといけないところでもある。

ちなみに、ボクが実際に試してみたデータでは、懸賞で集めたリストに対してセールスメールを投げた場合で、そのメールから紹介した商品が売れる率は0.01~0.1%程度。自店舗の過去購入者(既存顧客)へ投げた場合だと、3~10%程度。

もちろん扱ってる商品やリストの状況、投げるメールのクリエイティブ、ランディングページのクリエイティブなど、様々な要素が加味されるので、この率はもっと高くなったり低くなったりということはするだろうけど、唯一いえることは、懸賞で集めた見込みリストに対して、購入者のリストというのは何十倍もの価値があるということだ。
昔、ある人から「顧客を1万人つくれば安定する」みたいなことを聞いたことがあるが、既存顧客が1万人を超えだすと、このリストを母体として商材を広げていっても、最初からある程度の売上見込みが立つということなのかもしれない。

9)の商品点数アップは随分昔から商品点数と来訪ユニークユーザー数の関係性や、売上との関係性みたいなものは分析されていたし、指摘されてもいたが、ここ最近は以前ほどは重視されなくもなったという話も聞く。商品数が少ないというのは確かに不利は不利で、多いに越したことはないが、販売している商品がオンリーワン商品で、他では買えないものなら、商品数の少なさをカバーできる方法はいろいろあるだろう。
ただし、本書にもあるが「人気(ひとけ/にんき)」をサイトから醸し出させることは必要で、商品点数が少ないと、どうしてもページ&サイトが寂しくなりがちなので、そこをどうやって補うかがポイントになるだろう。

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コメント

  1. 吉村正春 より:

    ご無沙汰しております。
    あ、RSSがちゃんと改行されてる。
    なにが問題だったんでしょうね。

  2. yudemen より:

    ども、お久しぶりですね。RSS改行されてる? まじですか。何もしてませんが....

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