ある朝スウプは

2004年のPFFグランプリを受賞した「ある朝スウプは」(高橋泉監督/主演:廣末哲万)を観た。
この監督と主演の方は「群青いろ」映像ユニットを組んでいて、同じ2004年のPFF準グランプリは高橋泉さんが脚本、廣末哲万さんが監督・主演の「さようなら さようなら」という作品だ。
つまり同じ年のPFFのグランプリ、準グランプリはこの映像ユニット「群青いろ」の二人に独占されたということだ。
しかし、片方のこの「ある朝スウプは」だけを観ても、この「群青いろ」という映像ユニット、役者の力量のすばらしさは伺いしれる。素人のレベルとはまったく次元が違う。

「ある朝スウプは」という映画が持つ痛々しさ、切なさは強烈なものがある。ほとんど音楽や効果音を使わず長回しを中心に宗教に溺れていく男とそれを阻止しようと葛藤する女の姿が描かれる。過剰に感情をたぎらせるような演出などもなく、たんたんと映画は進んでいく。二人の溝はどんどん深まっていくがどうにも埋めようもない絶望。観終わってものすごく嫌なものが残る映画だ。というと誤解があるかもしれないけど、それぐらい強烈なリアリティを突きつけてくる。すばらしい映画なのだ。

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