積読記 2008年11月24日
先週買ったこの2冊は大当たりだった。
いずれ備忘録としてまとめるだろうけど、とにかくこの2冊は読んでおかねばならない。社員にもおすすめしてみたがほんとにこの2冊は読んでもらいたいなと心から思う。
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ネットでは話題になりすぎてて、今、これについて何か書くのは気がひけるが。
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水村美苗は、「続・明暗」と「私小説」の2冊は過去に読んでいる。「続・明暗」は当時、あまりにも文壇で話題だったのでわざわざこれを読むために漱石の「明暗」を読み返し随分時間がかかった覚えがある。「続・明暗」にはほんとにたまげた。彼女のバックグランドと、この漱石文体の模写とのギャップもそうだが、何より漱石が当時抱いていた苦しみそのものがそこにはあることだった。それは漱石のように考え、漱石のように苦しむということが出来ているという不思議さだ。文学で「内面」を描くことの難しさや、言文一致への掻痒感など。(といっても、ボクは漱石も小説はかなり熱心に読んでいるが、評論や随筆類はほとんど手にしておらず、漱石研究本などから、彼の苦悩や思索、実践を知った気になっているだけではあるけど) 水村美苗は単に文章模写にとどまらず、漱石そのものを描いたのだ。ある意味、どんな漱石研究家や作家よりも真摯に漱石に迫った作家と言えるのではないか。
そして「私小説」は今でも大好きな小説だこれを小説と言うべきかどうか?)。 まったく違う世界、文化の国で生活することを余儀なくされ、日本語や日本そのものへの渇望を抱き続けて暮らした主人公のまさに赤裸裸な告白、「私小説」。日本の脈々と続く私小説特有の負のオーラというかペシミズム的要素を含みながら随所に挿入される英文やまたこの「from left to right」という形式そのものによって独特の乾きや叙情が生まれ、それは今までの「私小説」とは全く違う世界を獲得することに成功している。
まったく関係のない境遇であり、自身とはほど遠い状況であるのに、なぜか主人公の「美苗」が抱く、日本への憧憬や渇望に、感情移入できてしまい、読んでると何度も込み上げてくるものがある。「私小説」を読むことで、「続・明暗」のような作品がなぜ可能となったのかがほのかに伺いしれる。
つまり漱石が日本語を通じての文学というものの構築に苦悩してた、その苦悩と同じような苦悩を彼女も異国の地で体験してきたということだったのだ。
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