CB(コーポレートブランド価値)

企業ブランド価値ランキングが発表されてた。
一橋大学大学院教授の伊藤邦雄教授と日本経済新聞社が協力して開発したコーポレートブランド価値評価モデル「CBバリューター」を使い、主要企業680社のCB価値を測定….

原発のトラブルやなんかで東京電力が減少額が一番大きく、
増加額では、1位キャノン、2位ホンダ、3位武田薬品。そして日産自動車、トヨタ自動車、松下電器、ローム、マブチモーター、ブリヂストン、HOYAと続く。

価値ランキングでは、2年連続でトヨタが1位。

1(1)トヨタ自動車
2(2)NTTドコモ
3(5)キャノン
4(3)ソニー
5(7)ホンダ
6(4)NTT
7(8)武田薬品
8(6)セブン-イレブン
9(9)任天堂
10(11)ローム
※カッコ内は昨年順位

トップ10をみると、SONY、NTT、セブン-イレブンがダウン。減少額1位だった東京電力は前年10位から、11位へと。トップ10を逃した。

なんか、納税ランキングやCDセールスランキングや、そういったものを見る感覚と同じだなぁ。これはよく言われることだけれど、この手のランキングとかっては、この発表やランキングそのものがもたらすポジティブ価値、ネガティブ価値を計算に入れてないからなぁ。(それほど影響力ないかな。)

日経産業に「CBバリューター」の調査の仕組みが買い左折されている。
CB価値はそもそも、「ブランド力を源泉として将来得られるキャッシュフローを現在価値に置き換えたもので、」「CBスコア」「CB活用力「CB活用機会」の3つを基本要素として算出されるらしい。

CBスコアは、「優良な顧客・従業員・株主をどれほど多くかつ長期的にわtって引きつけ、つなぎとめておくことができるかを示す」
顧客、従業員、株主という3つのステークホルダーを「プレミヤム」「認知」「忠誠度」という軸で測定し、それぞれの値を乗じるらしい。たとえば、「顧客」におけるプレミヤム指標としては売上高営業利益率を採用した、とある。

他、「CB活用力」「CB活用機会」についてもそれぞれ数値化してるわけだけだ。

少し話しは変わるが、WEBでもGomezのランキングや、大和インベスターリレーションズだったかどこかがやるIRサイトランキングなんてものがあって、毎シーズン、毎年発表されている。

時々こういったランキングの悪い側面が出る。ランキングを出す以上、いちおう何かしら採点が行われ、そこにはヒューリスティック的な採点項目が設けられる。この採点項目がやっかいで、細部の積み上げが、全体を構成するという構造になっちゃってる。
で、お客さんからは、「どうしてもランクをあげたいので、これとこれとこれを対応しなきゃならない」という相談がきたりする。でも、実は、単純に細部の積み上げでつくられたウェブサイトが全体として価値を持つかというと、必ずしもそうじゃなかったりする。というかほとんどの場合、そうではない。

よい点をとるために、あるチェックポイントをクリアしていくことはできるのだけれど、それらの基準を全部クリアしても、良いものができない。

CBバリューターの評価基準を知ったからといって、各企業がその指標を改善しようと、奔走するかというと、当然、そんなことはないのだろうけれども、この手のランキングや指標化ってのは、結局のところ「結果」から分析されたものにすぎず、仮にこの指標の改善を全部やったところで、その企業のコーポレートブランドが強化されるとか、価値が増大するとか、そういう単純なものでもないだろう。

企業ってのは経済合理性だけで動いてるわけじゃないし、それはそこに働く人達や、利害関係者もそうだ。ボクは数値化できないものの価値のほうが圧倒的に大きいんじゃないかと思ってて、なんでもかんでも数値化する、できると思い込むのは大きな間違いだろう。

バランススコアカード経営などでは、CSF(Critical Success Factor)をどのように測定するか、数値化するかというのが重要視されているけれども、(数値化できないものは、改善できないという前提がある) ほんとに数値化してその数値を追いかけるだけで「改善」になるのだろうか。数値化されているというのは、あくまでも「カイゼン」や「Why×5」みたいな文化を根付かせるため、その文化を組織のDNAみたいなものにさせるためのフックにすぎず、数値自体が重要なわけではないだろう。

なんかえらく脱線してきたけど、何が言いたいのかというと、要は、数値の上下だけに注目が集まって、その数値をつくりだしている要素のカイゼンだけに目が向いてしまうような事態というのは、意味がないんじゃないかということだ。

(バランススコアカードの場合のCSFの数値化に関してはちょっと違うんだけど)

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