Monthly Archives: 2月 2012

芥川賞二作品を読んで

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何かと話題だった今回の芥川賞受賞作二作品を読んだ。まったくタイプの違う作品で、「共喰い」が文学の「ド直球」だとすれば、「道化師の蝶」は「ド変化球」というべきだろうか。どちらも小説好きならかなり愉しめる作品だと思う。

田中慎弥さん「共喰い」の第一印象は、大江健三郎に憧れながら、それを乗り越えようともがき苦しんでいた初期の中上健次だ。田中さんはこれをあえて意識的にやっている。中上健次などの王道が好きな人なら必ず唸るんじゃないだろうか。川辺の部落の閉塞感。連鎖していくグロテスクなイメージ。そして暴力。エディプスコンプレックスの克服などの古典的なモチーフをてらいもなく持ってこれるところもある意味強いというか、やっぱり自信があるからだろう。すごく文学的で古典的な臭いすら感じるけど、こういう小説は最近読んでなかったのでなんか新鮮だった。実際、小説の技工としては、かなり高いレベルに達していると思う。職人技のような感じで、うまいなーというため息が漏れそうになる。田中さんの自信満々のあの発言は、自身の作品の揺ぎない自信に支えられているのだろう。

円城さんは他の作品も好きで読んでいる。田中さんが文学的な修辞の極地を目指してるとするならば、円城さんは「修辞」そのものを捉まえることを試みているのだろうか。「ド変化球」であるがゆえに、逆に、現代の文学のおいては「ど真ん中」を行ってるとも言える少し不思議な作品だ。一時期の筒井の実験小説を思わせるような作風で、最近の作家の中ではけっこう好んで読んでいる方かもしれない。

道化師の蝶」からは、少し長いけど次の箇所を引用しておく。円城さんが求めたもの、「道化の蝶」がまさに、次の箇所で語られているような「意味のない」「相矛盾」し、「脈略さえも無茶苦茶」だけれども文学としては成立しているような、そんな言葉だったのではないか。

 意味のない、相矛盾する、脈絡さえも無茶苦茶なお話がそこにあるとする。でもこの世の中のどこかには、そんな無理無体なお話を整合的に成り立たせる言葉があったりしないだろうか。翻訳してみてそれはありきたりのお話となり、どこがおかしいのかが隠蔽される。
 別に難しく考えなくとも、日常の会話にはそんな要素が多くある。互いの話は聞いていないし、前言は容易く翻されて、間投詞や相槌が盛んに割り込み、反復が多く行われる。わたしたちは流れの中でそれを会話として捉えているが、音をそのまま文学に起こして定着すると、何が言われているのかわからなくなる。
 (略)
次の文は嘘を言っている。前文は真実を言っている。この二文を読み流して問題はなく、生真面目に見つめるならば何かが起こる。次の文が嘘を言うなら、次の文は、前の文は嘘を言っていると主張していることになり、前の文が嘘を言っているなら、その主張は次の文が真実を言うとなり、次の文は、前の文は嘘を言っているとなる。
 でもしかし、そこでの矛盾の解消やら生成やらを、単語で行わなければいけないという決まりはない。そんな事態が文法的に解消されたり生成されたりする言葉というのはないものだろうか。
 繰り返し語られ直すエピソードが、互いに食い違いを見せるたび、文法の方が変化していく言語というのはないものだろうか。
 単に気がついていないだけということは。
 流れが尾を噛み輪になれば、それはもう流れではななくなるだろう。

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「ポトスライムの舟」(津村 記久子)

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ポトスライムの舟

はたらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり ぢっと手を見る

これは石川啄木の有名な歌だけれども、この小説で描かれてる世界はこれに近いといえば近い。
ただ、決定的に違うのは、「ポトスライムの舟 」には悲哀や悲壮感みたいながないものがないということだ。

啄木の歌にはこの苦しい生活や、この生活を強いる社会、あるいはこんな生活を送りながら浪費的な生活をやめられない自分への嘆きが込められているのだけれど、この小説にはそういう響きはほとんど感じない。爪に火を灯す生活ではあるけれど、悲壮感を煽り立てたりということもない。また、こういう生活からなんとしてでも脱出したい、這い上がりたいというような強い意思もない。かといって、後ろ向きで諦めているわけでもない。

これが自分たちの日常であり、これが続いていくんだろう、これを受け入れようというような自然な態度がたんたんと綴られていく。だから、「世界一周旅行」と自身の年収がほぼ同額である発見からお金を貯めようという意気込みはあるが、そこには絶対的にそこに向かって邁進するのだという強い意思はなく、その目標は、一種、生活にリズムを作ることや、延々と続いていく生活の中でなんとはなしに見つけ出した愉しみであり、ゲームみたいなものとして捉えられているのだろう。
「安いコップに差して水を替えてるだけ」なのに、「まったく萎れる様子が」ないポトスライムが「なんだかんだと生きていける」ということの象徴なのだろうか。

扱ってるテーマというか状況は暗くて重苦しいのかもしれないけど、そこに深刻さを帯びさせないようにしようというのが、作者の意図なんだろうと思う。本来この小説の主人公の「ナガセ」は、そのまま一人称の「ワタシ/私」などに置き換えても、ほとんど不都合がないのだろうけれど、あえて三人称を採用してるのも、主人公視点からだけ日常を捉えてしまえば、どうしてもそこに悲壮感や悲哀が生まれてしまうからだろう。

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PCサイトのスマホ変換サービス「shutto」がHTML挿入機能に対応した

先日、こういうエントリー(PCサイトを簡単にスマホサイトに変換できる「shutto」)でshuttoを紹介しました。

CSSの編集機能が加わって、機能としてもひと通り揃ってきたんじゃないかと思って紹介してみたのですが、舌の根も乾かぬうちにまたまたバージョンアップしました。

とうとうHTMLを挿入できるようなりました。 これもけっこう大きい進化だと思います。先のアップデートで搭載されたCSS編集機能とあわせて使えば、随分と痒いところにまで手が届くようになったんではないでしょうか。

HTMLを挿入できるようになりました | shutto開発ブログ

HTML挿入して、先のバージョンアップで対応したCSS編集機能で見た目を調整する。

shuttoブログの内容とかぶるけど、出来る限り多くの人に知ってもらいたいので、こっちのブログでもどういう機能か簡単に紹介します。

shutto HTML挿入機能
これまで「テキスト入力」のメニューだったところに「HTML入力」が追加されているので、そこにHTMLを記入します。
ここの例だと、グローバルメニューのところはHTMLで独自に記入してます。

shutto HTML挿入機能
で、CSS編集で見た目を揃えるます。すると、それっぽいメニューが完成、というわけです。

いや、これ実際、かなり使えるんじゃないかと思います。HTMLやCSSが多少なりわかれば、shuttoで対応できるページや表現の幅もぐんと広がるんじゃないでしょうか。

ぜひ使ってみてくださいね。

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解決策のプライオリティ付けの方法

何らかの課題に関して解決策を考えるような会議はたくさんあると思います。

●●●の売上をもっと伸ばしたいとか、顧客の解約率を減らしたいとか、優秀なエンジニアを採用したいとか、会社には色々な課題や問題があるものです。むしろ、会社とは、こういう問題をつねに解決して行かなけばならない組織とも言えるわけです。

そこで何らかの課題や問題に対して複数人でディスカッションし、色々な解決案・プランがあがってきたとしましょう。

こういう場合には、上がってきた解決案にどうやってプライオリティを付けていくのが良いでしょうか? 偉い人が「これとこれやりなさい」と決めればいいのでしょうか?  

こういう場合に使うと効果的なフレームワークとしてペイオフマトリクスというものがあります。とても単純なフレームワークですが、こういうもので各施策をきちんと整理して、同じ尺度で施策を評価できるようにしておくと、プライオリティを付ける時も判断がしやすくなります。

こんな感じのマトリクスを使って「解決策」を整理します。

ペイオフマトリクス

このマトリクスの軸は2つです。解決策の「実現性」と「効果」です。
実現性は、解決策実行の難易度と読み替えてもいいし、単純に「コスト」と考える方法もあります。効果は、期待できる成果の大きさや影響と考えてもいいでしょう。
このサンプルでは四象限のマトリクスになってますが、軸は「大/中/小」でも、「高/中/低」でも何でも構いません。整理しやい方法、マッピングのしやすさでそこの強弱はつければいいんじゃないかと思います。

いくつかの「解決案」が出てきたら、それを上記の2つの軸で作ったマトリクス内に配置していくわけです。一人でもできますが、複数人でアイディアを出しあったなら、そのメンバーで、この解決策はここだろう、いや、これは言うほど簡単じゃないぞ、なんて具合に意見を出しあいながらマッピングしていけば良いと思います。

当然ながら、実現性が高く/効果が大きい 象限に位置する解決策を重視していけば良いということになります。(もちろんあえて、効果は低いけど、実現性が高いものを優先する、という決断をなすこともあるでしょう。)
こいう軸で整理すると、どのプランから手を付けていくべきなのか、ということが俯瞰的に整理しやすくなるわけです。
(もちろん、どれだけ解決策やプランがでてきても、それを実行、完遂できなければ意味はないわけなので、こういうフレームワークだけで問題解決が行われるわけではないことは言うまでありませんが・・・。)

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PCサイトを簡単にスマホサイトに変換できる「shutto」

手前味噌になるけど、ほんとにかなーり良いサービスなので紹介します。
うちの会社で作ってる「shutto」というサービスです。

shuttoは、PCのウェブサイトをスマートフォンサイトに変換できるサービスです。

「誰でも簡単にスマートフォン対応」ということを考えて、非常に直感的に操作できるインターフェイスを実現してます。使ってもらえればわかるけど、本当にかなり簡単です。でも、慣れてきてコツを掴むと、けっこう細かい制御もできます。

こんな感じで、PCの要素をドラッグ&ドロップでスマートフォンサイトに変換できるんです。

こうやってスマートフォン用のページを作成したら保存すると、JavaScriptコードが発行されるんで、これをPCサイトに貼り付けるだけ。スマートフォンでサイトにアクセスすると、先程、Shuttoで作成したスマートフォンページが表示される、という仕組みです。

JavaScriptで変換してるので、スマートフォン用のURLなどを用意する必要がありません。また、PCページから持ってきて変換している要素については、PCページ側を更新したら、自動でスマホページ側も更新されます。同じコンテンツを複数の端末用に用意する必要がないので、運良手間も軽減できるでしょう。
PCサイトをスマートフォンに変換できるサービスは他にもいくつかあるけど、世界を見渡しても、こういう直感的なインターフェイスで操作できるようなサービスはないと思います。(今のところは)

リリースしたのは、昨年末だけど、着実にバージョンアップしてて、本格的な利用にも十分耐えられるようなレベルにはなってきたかなと思います。

・複数ページの変換設定
複数のページを変換できる設定を作成できるようになりました | shutto開発ブログ
1つの設定で、下部ページなどにまとめて同じ変換設定を適用したりということができます。

・操作の取り消し・やり直し
・キーボードショートカット
操作の取り消し他機能追加 | shutto開発ブログ

などのバージョンアップをしてきています。

そして、今日、またかなり大きいバージョンアップを行いました。

CSSの編集が可能なりました。
shutto用、CSS編集ができるようになりました | shutto開発ブログ

css編集機能の使い方動画(FlashPlayerが必要です)

機能としては細かいけど、多分、WEBマスターや、制作者さんにとっては大きい機能だと思います。PCページから必要な要素を持ってきて、スマホ用に各要素をCSSで制御できるので、表現の自由度はかなり高まると思います。

無料でご利用頂けるので、ぜひ、試してみてください。

ちなみに、現状のshuttoは無料で利用可能です。ただ、広告を挿入させて頂く場合があります。有料版は春頃にリリース予定ですが、基本的には、無料版も継続してサービス提供はさせて頂く予定です。

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