2003年12月30日

博報堂、広告の効果媒体別分析

昨日の記事だけど。

博報堂は消費者とマスメディアや店頭、インターネットなどの様々な広告媒体(接点)が、それぞれどの程度影響力を持つかを分析する事業を始める。
[ 略 ]
新手法「タッチポイント・アナライザー(接点分析)」は広告展開の前に消費者との接点ごとの影響力を分析し、広告した後にも影響力を測る。
(日本経済新聞)

「タッチングポイント」か。「コンタクトポイント」って言葉は電通がとってんのかな。
んなことはどうでもいいんだけど。

地上派デジタルが本格化したり、ハードディスクレコーダーなんかが広がっちゃうと、ゴールデンタイムって概念もなくなっちゃうだろうし(もう既になくなりつつある?)、CMは飛ばされるのが当たり前になるかもしれない。(放送業界側もなんとかしようと、仕様をつくろうとしているのだろうが)
そうなると、TVCMどかーん、マージンがっぽりみたいなビジネスってのはそもそも立ち行かなくなる。少なくとも日本の現大手広告会社の売上構造は、やはりここに頼っているわけで、これはすごく危険だ。だからこそ各社は、「ブランディング」というキーワードを掲げ、企業の経営の中心にまで入り込もう(入り込みたい)としているのだろう。(その意味では、広告会社とコンサルティング会社は競合でもある)

ブランディングの考え方で大事なことに一つ「接点管理」というものがある。
これを電通は「コンタクトポイント」と呼び、博報堂は「タッチポイント」と呼ぶ。呼び方は違えど、同じようなものだ。

「接点」はもちろんメディアだけとは限らず、コールセンターの対応やら、商品のパッケージ、それこそ社員の言動、態度といったことまで含む幅広い概念だ。

これらを「最適化」(最適化ってのも抽象的だけれど)して、ブランドを損なわないようにしましょうー、ブランドアイデンティティを強化していきましょうー!ってのが、今後の広告会社の主力事業だ(と言われている。)。ある意味これはコンサルティング会社が担っていた領域でもあるわけで、その意味では、今後はますます広告会社がコンサルティング会社を買収したり、また逆にコンサルティング会社が広告会社を買収するなんてことが起きるだろう。
(そういえば、コンサルティング会社がワンダーマンを買収しようとしたことあったんじゃなかったけ? 逆だったけな?)

今回の博報堂の商品は、そういった流れのなかで、まず複数のメディアへ適切な予算配分をするための効果予測を行うということを目指した商品だろう。少なくとも4マス、特にTVが圧倒的な力を持っていた時代にはこんな商品は必要はなかった。
生活者の断片化、細分化が加速するなか、当然ながらメディアプランニングも、ターゲットや商品特性、ROIを踏まえて行わないと、お金をドブに捨てることにもなりかねない。広告主もTVCMだけやっとくなんて安易な選択はできない。広告会社にとっては大変なことになってきたものだ。

もちろん、今まで広告会社がそういったことをやっていなかったというわけではなく、今までより、複数メディアを組み合わせなければならない必然性が現前化してきたということだ。

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categories [ マーケティング関係 ] 2003/12/30 19:05


Comments

コンタクトポイントに天気をからめた企画をうまくやってみたいと思っている今日この頃です。

Posted by: もんきち : 2004年02月14日 01:21
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