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ソーシャルブレインズ入門

4062880393 ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)  ─ タイトルから、いわゆる「群集知」的な内容なのかなと想像して手にしたのですが、予想に反して本格的な「脳研究」の一分野をわかりやすく解説した本でした。想像してた内容とは違ってたものの、それは良い意味での裏切りで、内容は非常に興味深く面白い本でした。以下は本書の読書メモです。

今までのいわゆる脳研究が「脳」そのものだけを抽出して、それぞれの脳領域野を機能単位で研究(モジュール仮説)するものであったとするならば、ソーシャルブレインズの研究とはその名の通り脳をあらゆる社会、人間関係の中の1機能として捉える、より上位の視点から俯瞰的に現実環境に近い状況において脳を捉えてみる手法ということになるでしょうか。
脳の各分野は決して、ある特定の仕事を任せられて処理しているような機械的なものではなく、外的環境や状況、あるいは人間関係、社会状況や制約といった様々な要因に影響を受けているのです。
本書を読むと、脳がいかに脳単体や脳領野の各機能レベルでの機械的なルーチン処理を行っているのではなく、脳単体としても各機能は全体のネットワークの一部として相互連携しながら役割を変えたりして機能を担っているのか、またさらにそれだけではなく、自分自身に固有の1つの脳という単独の機能を超えて、社会や人間、文化といったより大きなネットワークの中の1つとしてもまた影響を受けているのかということが、よくわかります。

たとえば、他人のしぐさやふるまいを脳はどのように理解するのか、その一例として「ミラーニューロン」という神経システムの発見が説明されています。これは脳が「自分」だけの完結した世界で何かの機能を担っているのではないということのわかりやすい事例になっています。
ミラーニューロンとは、簡単に言うと、他人の行動も、自分の行動と同じように理解して把握する神経細胞のことです。

それはF5という腹側運動前野という場所で記録されました。
サルが目の前にある餌に自分自身で手を伸ばしたときには、F5が活動するのですが、そのF5は、実は他のヒトが手を動かして餌を取ったときにも同じような活動が記録されるのです。
この実験には色々突っ込みどこりがあったものの、非常に興味深いのは、ミラーニューロンが「他人の動きそのものに反応する」ことではなく、「他人の行動の目的に応じて反応する」ことでした。たとえば、実験者がボウルの中に入った果物に向かって手を伸ばした場合には、ミラーニューロンの活動は記録されるのに対して、何も入っていないボウルに手を伸ばした場合には反応を見せないのです。
このことはミラーニューロンが「単純な視覚刺激に対する反応ではなく、行動者の行動意図の内容を理解した反応」だということを意味します。
脳が「意図の共有」という働きを持つということは、感情の共有や共感へと拡張可能であり、私たちが人の痛みを理解できるのも、ここから説明可能にになるかもしれません。自閉症などもミラーニューロンの障害として捉えると、有効な療法の獲得へも繋がっていきます。

脳と社会や文化がどのような関係があるのか、ということを説明するために、著者は「認知コスト」という概念で説明しています。
「認知コスト」とは、脳内の認知操作に必要とされるエネルギーのことです。簡単に言うならば、この世界に何の制約もルールもなければ、あらゆる場面で何かの判断や決断を下すために脳は莫大なエネルギーが必要になるわけですが、そこに何かしらのルールやら決まりごとや道筋があれば、毎度毎度莫大なエネルギーを使うことなく、判断や決断の処理ができる。この脳がかけるエネルギーが「認知コスト」です。

脳は何かしらの行動規範を更新するには「認知コスト」を支払わなければならないのですが、脳はギリギリのエネルギー供給うしか受けていないので、可能なかぎり「認知コスト」をかけないでおこうとするのです。
人間が社会というものを形作り、そこで文化や規範みたいなものを生み出すのは、そのようにして作られた社会環境にのっとって生活することで可能な限り「認知コスト」をかけずないで済むからなのです。
僕らは法律やら文化的な規範やらしきたり、ルールやらといったものを、僕たちの与り知らぬところで生まれた、いわゆる「外部」から強制されて従っているものだと思い込んでいますが、実はそうではないと著者は言います。これれは「認知コスト」を可能なかぎり抑えたいからこそ、人間がルールを作り出すのです。

なので、世論といった漠然、曖昧としたものも「認知コスト」を極力かけないで済ませることができるかという脳の働きと言えます。しかし、一方でこのような脳の働きは有名な「ミグルラム実験」や「スタンフォード監獄実験」などからも明らかなように、うまく利用されると知らず知らずのうちの非常に危険な行動を行ってしまうということもまた事実です。
脳単体での機能や脳各分野での働きの研究のなかでは、このような世論と人との関係や、なぜ多くの善良な人たちが、そのような状況下では平気で人を人と思わぬような言動、行動を選択してしまえるのかということの理解にはなかなかたどり着くことはできなかったでしょう。
そういう意味では、ソーシャルブレインズ研究とは、本当の意味での「人間」や「社会」「文化」の新しい研究の切り口として考えられるのではないかと思います。著者の「つながる脳」に続けて読んでみたいなと思いました。

(なぜか、今回は久々に「です/ます」調で書いてみました。あまりこだわりがなくて、今回はなんとなく「です/ます」の方が書きやすそうだったというただそれだけです。得意不得意で言うと「です/ます」で書くのは苦手なんですが、書きたいと思う文章によっては「です/ます」のほうが書きやすそうに思えるというのはなんだか不思議です。)

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ブログはWordTwit、他はFriendFeedからTwitterへ。

Googleリーダーの共有アイテムからTwitterへの投稿連携は、Reader2Twitterというサービスがすごくよく出来ていて気に入っていたのだけれど、先週ぐらいからURLが途切れてしまったりしてうまく投稿できなくなった。

ということで、Reader2Twitterから別のツール、サービスへの乗り換えで色々試行錯誤したのだけれどどうもどれもいまいちで、結局、最終的にはFriendFeedに集約させて、FriendFeedからTwitterに投稿させるという形に一旦落ち着いた。

Twitter、Tumblr、delicious、Googleリーダー、Flickr、Picasa、を、全部、FriendFeedの集約させる。そしてそれをTwitterに流す、という設定だ。(Twitterの投稿も流すとしてしまうと、ループしてしまうので、Twitter以外)

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サービスんところで集約させたいサービスを設定して、「Twitter投稿の優先設定」でTwitterに何をどんな風に投稿するかを設定するだけ。
(追記:と、設定してて気づいたけど、一方で、papativa.jp→wordtwit→Twitter/papativa.jp→FriendFeed/papativa.jp→FriendFeedとなってると、FrineFeedには、papativa.jpのエントリーがループしてしまう… なので、papativa.jp→FriendFeedを切って、papativa.jp→wordtwit→Twitter→FriendFeedってルートだけにした。なんかややこしいなぁ。)

これで、ひとまずFriendFeed経由でTwitterとの連携がなされる。
連携されて何が嬉しいのかわからないけど、なんとなく繋がったり集約されたりすると、個人的には整理された気がして嬉しい。

このブログ(papativa.jp)も最初はFriendFeed経由での投稿にしてしまっていたのだけれど、こっちは結局、WordTwitを入れて直接流すように設定した。(参考:ブログの更新情報はFriendfeedじゃなくて、WordTwitでTwitterに流すことにした – IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ
投稿されてからTwitterに流れるまでのタイムラグはあまり気にしてないのだけれど、bit.lyをかますことができれば、クリック数のカウントがとれるんで、単純にそれが見たいというのがその理由。

クリックのカウントをとったり、ブログからTwitterへ連携したりというものでいくと、twitterfeed.comや、FeedTweet (フィードツイート) なんかもあって、FeedTweetは一度使ってみたんだけど、これはこれで良く出来ててすごく便利そうだった。でも、せっかくWordPress使ってるんだから、プラグインがあるならそちらのほうがスッキリするかなというこれは完全に自分の好み。

ちなみに、実はこの数日、他にも色々と試行錯誤した。
最初に使ったのは、Buzz2tweet。これは厳密には、共有アイテムとの連携ではなく、Googleバズの投稿をTwitterにも流すためのサービスだ。さっき見たらなんかサービス停止しているような感じだったけど、なんかすごく間に合わせで作った感じもあり、Reader2Twitterのような細かい設定は一切できない。

ちょっと不安定だったので、これは厳しそうだと思い、すぐさま連携をやめて、次に、Buzz can tweetを試してみた。これもBuzz2Tweetと同じく、Googleバズとの連携。bit.lyとの連携などもあるので、比較的Reader2Twitterに近い使い勝手だったのでいけるかなと思った。なので、このBuzz2Tweetを使うために、僕はいったんFriendFeedとTwitterの連携を全部切ったりした。
もともと、Tumblrやこのブログ、flickrの写真などは、FriendFeed経由でTwitterに投稿するような設定をしていたのだけれど、一方で、GoogleバズでもTumblrやflickrの連携が設定できたので、それならGoogleバズに集約させてしまったほうがいいんではないかと思ったわけだ。

これで万事OK、うまくいくかなと思ったのだけど、やはり問題があった。
BuzzCanTweetの最大の問題は、「遅い」ということだ。
Googleバズに投稿されたものが、Twitterに投稿されるまでに半日〜1日ぐらい遅れる。Googleリーダーの共有アイテムなんかは、ニュース系のものが多いので、1日遅れて投稿されてりするとあんまり意味がなかったりする。
また、リンク先がGoogleバズのエントリーになってしまう、ということもどうも気になる。TwitterとかをiPhoneで見ていて、流れてきたツイートのURLをinstapaperとかでひろっても、Googleバズのエントリーしか取得できないのはあんまり嬉しくないだろう。
ということで、これも気に入らないということで連携を切った。

結局、Googleリーダーは、FriendFeedで連携するってことで落ち着いた。Reader2Twitterみたいに、コメント付けたものだけ投稿するとか、Bit.lyと連携させてクリック数とったりはできないけど、まぁ、一番無難だろうし、安定しているだろうから。(そもそも、FrinedFeedがGoogleリーダー共有アイテムと連携してるってことを知らなかった)

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WordTwitからの投稿テスト(再)

bit.lyの設定のところ、API Keyを入れないといけないのにアカウントのパスワード入れてた。
今度こそ。

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iPhoneとツイッターで会社は儲かる/小さなチーム、大きな仕事

良い意味での「小さな」会社が大きな企業や市場相手に戦っていくための独自の分野や考え方に触れることができた二冊だった。
今までの「常識」だとか、世間一般の会社がやるような普通のやり方や考え方ではなく、「小さい」からこそ可能となる考え方や戦い方など色々刺激を受けた。

(「いろんな本から色々良いところどりするのは良くない。良いところどりばかりしてるので細かいところで矛盾や疑問が出てくる」という指摘を受けたので、いちおう断っておくと、読んで刺激を受けた本についてはなるべく感想を書いておきたいなと思っているだけで、すべて経営に取り入れようとか、マネジメントに役立てようと思ってるわけではないです。ただ、結果的にそんな風になってしまって元々の意見だとか主張が矛盾したりすることがあるのかもしれないです。すいません。いろんな本に手を出すのは不安とか自信のなさでもあるわけですが、一方で純粋な趣味だったりもするので、たぶん、これからもこれは辞めないとは思います。でも、あるものを受け入れる際にはよく咀嚼して、自分の主義や考えときちんと照らし合わせて、しっかりとした考えをもって取り入れていくように気をつけていこうと思います。)

4839934444iPhoneとツイッターで会社は儲かる」─ツイッターを全社に導入していくときの課題や、導入によって得られる効果みたいなことも参考にはなったのだけれど、何よりも本書内で一番面白いのは、やはりこのECスタジオという会社の独特の分野や考え方、オペレーション部分が垣間見られることだと思う。

たとえば、ECスタジオでは商談をすべて動画記録している。動画で記録しておくことで、それが議事録にもなるし商談への参加者を少なくもできる。また、生の現場を見られるのでそのまま教育ツールにもなる。これらの動画はGoogleApps上で共有され、社員は会社から支払いのiPhoneから出勤中でも移動中の隙間時間でも見ることができるようになっている。

また、電話サポートは一切行わず、基本メールのみでの対応なので、在宅勤務などの敷居も低くなるし、また社内が静かで仕事に集中できる。事務所の場所も中心部から外れることも可能になる。

IT企業が、ITをフル活用・実践して、その恩恵を蒙ってるケースというのは意外と少ないんじゃないかと思うけれどもECスタジオでは自らが新しい技術を積極的に取り入れ、その恩恵を最大限に授かろうとしている。著者は、インターネットは「弱者に光を当てる技術」と書いているが、自らがその実践者となっていく、見本を示していくということを積極的に行っているというわけだ。(だから、ECスタジオの会社サイトでは、「IT経営実践企業」と謳っているのだろう)

これらの仕組みが、単なるユニークさや奇抜さではなく、「小さな」会社がより効率的にそして効果的に戦っていくために欠かせない必須要素として会社に組み込まれているのは本当に凄いことだ。この姿勢は見習わないと思った。(でも、真似するのではなく、自分たちで考える仕方でね)

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小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」─ 37シグナルズも非常にユニークな「小さな」会社だ。もともとは、ウェブデザインのコンサルティング会社としてスタートして、その後、プロジェクト管理ツールの「ベースキャンプ」や、簡易なCRMツール「ハイライズ」、ビジネス用リアルタイムチャット「キャンプファイアー」といった、ユニークなASPサービスを提供する会社として知られる存在となった。一方では、Ruby人気に火をつけるきっかけとなったフレームワーク「Ruby on Rails」の開発元である。うちの会社でもベースキャンプを利用しているプロジェクトはいくつかあったし、Ruby on Railsでも間接的にはお世話になっている。

提供している製品の利用ユーザー数や、その製品でやりとりされているトランザクションなどを見れば、大企業が提供する同分野製品などにも匹敵するような(むしろ上回るような)規模にも関わらず、この会社はいまだに、創業当時の「小さなチーム」の体制を維持している。社員は十数人だが、その社員は二つの大陸の八つの都市に散らばっていてお互いほとんど会うこともない。

他の多くの会社が、それがなければビジネスなどやっていけない、と指摘するようなものを、この会社では極力排除しようとしてる。彼らの製品は、無駄なものを排除して、徹底して必要な機能だけに絞り込んだ使い勝手の良さが最大の魅力だが、この製品を生み出す背景には、彼ら独自のポリシーや思想があり、それらポリシーや思想が彼らの会社運営そのもの会社のあり方そのものにも貫かれている。
その独自のポリシーや思想は、端的に言ってみれば、あらゆるものに「それ本当に必要か?」という疑問の目を向けて、不必要なものをそぎ落としてしまう、ということに集約される。

たとえば、彼らは「計画」が本当に必要か?と問いかける。普通人々は長期計画を何かを始める前に作るが、「重要なことを決定するのにこれ以上悪いタイミングはない。」と言う。皆が立てているのは「計画」ではなく、あくまでも「予想」に過ぎない。計画は「過去に未来の操縦をさせる」もので、それは「目隠しするのと同じ」。計画によって身軽さがなくなるのは間違っている。

今年ではなく、今週することを決めよう。次にやるべき最重要課題を見つけ出して、取り組むのだ。何かをするずっと前ではなく、直前に決定を下そう
 計画なしに仕事をするのは恐ろしく思えるかもしれない。しかし現実と折りあわない計画にしたがうのは、もっと恐ろしいことだ。

あるいは、彼らは「顧客の声」は書き留める必要はない、と言う。製品の利用顧客からは様々な要望や意見が上がってくるだろう。普通の会社ならそれらをスプレッドシートやデータベースに記録したり、ファイリングシステムで管理したりといことをするだろうが、彼らは「本当に気にしなければならない顧客の要求はあなたが繰り返し聞くことになるものだ。」として、記憶できずに忘れてしまうようなものは、重要出はないというサインだと考える。

また、「書類上の合意は幻想」だと言い、「解決策」でさえも、「そこそこ」のもので構わないのだと考える。

製品に対しての考え方もシンプルで一貫している。彼らの製品はすべて「自身のビジネスに必要な製品を作っている」。「解決しようとしているのが自分自身の問題であれば、足元は明るく、どれが正しい答えかがわかるはずだ」と説く。

ECスタジオの「IT経営実践企業」と同じように、自分たちが作る製品やサービスにおいても、自分たちが必要なもの、自分たちが使うものを作るというのは最も利に適っている考え方だろう。自分たちが使わないような製品やサービスを他社に提供して、他社が納得して買ってくれるだろうか。
また、「中途半端な1つのものより、とてもよくできた半分の大きさなものの方がいいに決まっている」と言い、「多くのものは小さくすればするほどよくなる。」と断言する。

僕らもいくつかの製品やサービスをリリースしているが、競合製品やサービスのバージョンアップや追加機能のリリースはすごく気になってしまう。機能比較表で◯をつけられないところがでてくるのが恐怖というか、ついつい機能数の競争に巻き込まれてしまいそうになる。お客さんへのプレゼンテーションでも、常に機能の数が重要な比較要素になっている気がして、機能の数が足りなくて選ばれないと思ってしまう。なので、追いつけ追い越せと、機能の追加に勤しむことになる。
しかし、本当に機能の数が、その製品の魅力や競争優位なのだろうか? 機能をてんこ盛りにしていくことは、その製品をどんどんありきたりのモノにしていってるに過ぎない。

だから彼らは、競合相手が何をしているかを心配するのは意味がない。気にせず、あなたが信じるもので戦えばいいと諭す。

競合相手を打ち負かすには、なにごとも相手よりも「少なく」しかしないのだ。簡単な問題を解決して、競合相手には危険で難しくて扱いにくい問題を残す。ひとつ上を行くかわりに、ひとつ下回るようにしてみよう。やりすぎるかわりに、やっていることが相手以下になるようにしてみよう。

上級者向けの機能を追加していって、そもそもの顧客に合わない製品にしていくよりは、顧客が製品(あなたを)を追い抜けるようにして、基本的な製品に絞り込めばいい。

基本的なものへのニーズは不変だ。それを必要としている顧客の供給は際限なくある。
 そして常に、あなたの製品を使ってる人よりも使ってない人のほうが多く存在する。こうした人たちが使い始めることができるように簡単になっていることを確かめよう。

いやぁほんとすごい言葉だと思った。言われてみればそうだけれども、リリースした製品をずっと「基本的なもの」にしておくことには、それはそれで勇気がいることだ。最初の顧客が成長してその製品の仕様にあわなくなっていくことに、僕らはやはり恐怖を感じる。顧客が製品を離れていくことに寂しさや悔しさを感じる。
でも、彼らは顧客に製品を追い越してもらったほうがいいと割り切る。基本的なものへのニーズは不変だと言い切る。
これらの言葉にはすごく自信を与えられたし、自分たちが作っていくもの、手がけていく製品やサービスでも、本当に基本的なものや基礎的なものが何なのかということをしっかり見つめなければならないと思った。

最後に、この2つの企業に共通することで、「小さなチーム、大きな仕事」にも触れられていたけれど、すごく重要な考え方。
それは会社のノウハウや舞台裏を「教える」「あからさまにする」ということじゃないかと思った。

「教える/あからさまにする」ということが「小さな会社」にとって、大きな企業と戦っていく上での重要な武器になるということ。それを37シグナルズもECスタジオも実践しているのではないだろうか。
「小さなチーム、大きな仕事」から、長い文章になるけれど引用しておこうと思う。この一連の文章にはすごく心をうたれた。グランズウェルやソーシャルや何だかんだ、とあれこれ考えたり悩んだりするよりも、ありのまま、そのままを見せればいいのだという大きな励ましを受けた気がしたのだ。

大きな企業は、スーパーボウルにCMをドンと打つことができるが、あなたには無理だ。でもあなたは「教える」ことができる。大企業はノウハウや戦略を秘密にする方が利益につながると考えている。大きな企業が同じようなことをやろうとすると、弁護士のチェックが入り、面倒くさい手続きをくぐり抜けなければならない。教えることには、彼らと充分に戦えるチャンスがある。
(略)
人々を舞台裏に導くと新しい関係が生まれる。彼らはつながりを感じ、顔の見えない企業ではなく、あなたを人間として見てくれるようになる。彼らは、製品やサービスに捧げられた汗と努力を見だろう。そして、彼らはさらに深い理解や評価をしてくれるだろう。
(略)
欠点を見せることを恐れてはいけない。不完全さはリアルであり、人はリアルなものに反応するのだ。だから、僕たちはいつまでも変わらないプラスチックの花より、しおれてしまう本物の花が好きなのだ。どのように思われるか、どのように振舞うべきか、あれこれ心配する必要はない。すべてありのままの本当の自分を世界に見せればいい。
(略)
だからあなたらしく語ろう。他の人が話題にしたくないようなこともはっきりと見せるのだ。欠点を隠さず、出来上がってなくても、今取り組んでいるものの一番新しい形を見せるのだ。完璧でなくても大丈夫。「プロフェッショナル」の顔がなくなったとしても、面白みと親近感のある香をつくれるのだ。

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なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本

44783500941分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!」という本がある。この本、その後に「1ページ・マネジャー」やら「ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ」やらと、いろんなフォロワーを生み出した原点のような本だ。世間的にも相当大きな影響を与えた本だと思う。

昔、うちの会社でもこの本が流行った時期があった。すごく薄い本で、すぐに読めてしまうということも人気の秘密だったと思うけれど、そこに書かれてあることもシンプルながら説得力のあるマネージャーとしての心得や作法みたいなもので、当時、社員が増えはじめて、多くのメンバーが初めて本格的にマネジメントということを意識しはじめ、こぞってこの本を手にしたように記憶している。もちろん僕も読んで、けっこう感化されたと思う。

さて、この本にはどんなことが書かれていただろうか??

自問自答してみる。確か、部下を怒る時には、なにか間違いを犯した直後にその場で、何が悪いかを間違ってるかをはっきりと示すことが重要、みたいなことが書かれてたなぁ… 他には他には他には… 目標をシンプルにするとか、あれって、あれは「1ページ・マネジャー」の方だったけな??

ほとんど思い出せない。

あんなにこの本はすごいすごいと嬉々として受け入れて読んで、読んだ直後には意識して行動したり考えたりしていたはずなのに、たったこれぐらいしか記憶に残ってない。

振り返ってみる。
「1分間マネジャー」に書かれてることを実践できているか? 覚えてもいないのに出来ているわけがない。
意識してマネジメントしているか? 出来てるわけがない。
「これはすごい」と読んでてても、それを実践できるわけではない。実践できてもそれを持続できない。

4478004463なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本」は、「1分間マネジャー」の著者の新作本である。
この本がテーマにしてることは、ズバリ、このタイトル通り、先程、「1分間マネジャー」を実践できていないという振り返りをしていた僕が陥ってる症状そのものの問題と解決法を指摘することだ。

たえず新しい情報に接することが習慣になっていると、忘れることも習慣になってしまう。実践することではなく、新しいことを知るトレーニングばかりしている。
(略)
本当に一つの分野をマスターするには、大量の情報に触れるより焦点をしぼった情報に取り組むべきです。
(略)
多量の知識を1、2度学ぶより、少量の知識を何度も学んだほうがいい。

ごもっともすぎる指摘というか。なんか完全に自分の弱いところを突かれてるような気がした。なにせ、この本を手にしていたのは昨日の東京帰りの新幹線だったけど、その脇には、この本と同時に買ったこれから読もうと待ち構えてる本が5冊も待ち構えてたりしたからだ。

「1分間マネジャー」に違わず、本書も非常にシンプルな構成、わかりやすい文章で綴られている。早い人なら30分もあれば充分に読みきってしまえるぐらいの文量しかない。でも、指摘していることはものすごく重要なことばかりだ。

本書では、「ノウハウ本を実行できない」理由を3つにまとめている。
情報過多」「ネガティブなフィルター装置」「フォローの欠如」だ。そして、それぞれの問題について解決策を提示する。
「情報過多」なら、先程の引用の通り、「少数のことを何度も行う」ことを奨める。この「少数のことを何度も行う」というのは、本書全体を貫く根本的なテーマでもある。
ネガティブなフィルター装置を外して、ポジティブに受け入れるためにも、「反復」が必要であり、何度も同じことを繰り返し考えていくことで、ポジティブな心が開けていくということを示す。「フォローの欠如」でも、「反復」が重要なキーワードとなっている。

教える
やって見せる
それをやらせる
見守る
上達を褒める、または方向を変えさせる
教える
やって見せる
それをやらせる
見守る
上達を褒める、または方向を変えさせる

何度もやらせて、見守る、上達を褒める、または方向を変えさせる、が繰り返されていくと、そのうち「頼む、やらせて見守る、褒める」になり、最終的には「自分で考えさせる、実行させる、自分で上達を褒める、または方向を変える」になる。
本編全編を通じて、繰り返すことや反復すること、少ないことに絞り込んでいくことをこれでもかというぐらい徹底して説いている。本書自体が、本書で提示されている「少数のことを何度も行う」ことの実践になっているというわけだ。

この本に限らず、本から得られる知識は大きいし、どんな本にもたいてい何か重要なヒントが隠されていたり、自分の考え方や行動を変えてくれるきっかけが潜んでいたりするわけだけど、問題はせっかくそういうものを得ても、吸収できたのはその時、その瞬間だけで、すぐに忘れてしまう、ということだろう。すぐに忘れてしまい、また新しいソリューションを求める。以前にも同じようなソリューションには接しているのかもしれないけれど、毎回毎回新鮮なものとして受け入れて、そして忘れていく。これの繰り返しだ。
だから、自分がこれだと思うものに集中して何度も取り組む、考えることをしていくほうが、多くのものを吸収して何もしないよりも余程、結果が出る。その通りだと思う。
たぶん、多くのマネジメント本に手を伸ばして、色々な手法を取り入れるよりは、「1分間マネジャー」に書かれてあることだけを徹底して繰り返して実践できたほうが良い結果を生み出していたのだろうと思う。少し反省。

というような指摘を受けながらも、僕はこれからも引き続き、新しい本やら知識を貪欲に取り入れていこうと奔走するんだろうと思う。貧乏性と健忘症を兼ね備えて反省することなく、同じことを繰り返すんだろうな。新しいもの好きだし、本を読むのは僕にとっては何かのためというよりも、完全に趣味の領域なんで許してもらいたい。
でも、会社に取り入れていくソリューションはなるべくシンプルに、少なく、そして繰り返すということを意識していきたいと思うんで。ということで、もう一度、「1分間マネジャー」も読み返してみて見ようと思う。

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