桑田泉:クォーター理論についての雑感

桑田泉さんのことを調べてる方が予想外に多いので、もう少し彼の理論について僕なりの意見みたいなものを展開してみたいと思う。

参考:結果的にそうなる/そう見えるスイングの極意 – 桑田泉 | papativa.jp

クォーター理論の対象者について

Amazonなどの桑田泉関連書籍のレビューは軒並みかなり高い評価になっている。ゴルフレッスン本では森守洋さん、中井学さんらと並んで、評価の高い人の一人だ。それだけ彼の理論に助けられた開眼させられた人も多いということだろう。

参考:もっと手を使うスイング〜森守洋 | papativa.jp
参考:森守洋か中井学か〜手を使うか使わないか | papativa.jp
参考:ゴルフ練習 学Special DVD 中井 学 | papativa.jp

一方で、彼への批判として、出鱈目だとか、そんなスイングやってても永遠に巧くならないよ、みたいな上級者っぽい人からの上から目線的なものもチラホラ目につく。(まぁ、ゴルフのレッスンものへの批判は、ほとんどがこの手の上から目線、「典型的な日本式」みたいな、いかにも日本流のゴルフスイングがあってそれが世界的に見たら遅れてる、間違ってるかみたいな言説になってる)

この手の批判への前提として、まず考えないといけないのは、桑田泉さんはプロになるような人、プロを目指してるような人を対象にして教えようとしてないということがある。

彼の理論で練習をり積み重ねて、プロになるのは無理かもしれないが、素人で90切りとかのレベルを目標とするなら、十分可能なんだろうと思う。

彼はあくまでもアマチュア、小さい頃からゴルフになれ親しみ、特訓を積んできたような人ではなく、大人になってからゴルフを始め、趣味としてゴルフをやっていて、もっと巧くなりたいと模索してる人を対象としている。そういう人と、プロになるような幼い頃から練習を積んできた人とはそもそも全然違う。

本人自身が21歳からゴルフを始めたということもあり、かなり遅くから始めて色んなスランプを経験しながら独自に組み立てて来た理論なので、その辺はもともとジュニア時代からゴルフをやってたようなプロになれなかったけど、プロ並みの練習量をこなしてきたような大方の他のレッスンプロが語ることとは、かなり根本的なところが違ってる。

素人はプロのスイングの「結果」を真似しようとしてもムリ

桑田泉さんが非常に強く意識してるるのは、前のこちらのエントリー(結果的にそうなる/そう見えるスイングの極意 – 桑田泉 | papativa.jp)にも書いたが、「結果としてのスイング」と、「結果としてのそういうスイングになるために」「どんなカラダの動かし方をするのか、そしてそのカラダの動かし方は、言葉ではどんな風に伝えられるか、イメージすると良いか」というところだ。

素人はプロがやってるスイング(結果)を真似しようとしても、そんな風にカラダは動かないし、クラブも動いてくれない、だから結果としてのスイングを真似るのではなく、結果としてそうなるスイングをやろうとしなければならない、という考え方だ。

武井壮流のスポーツ上達法とクォーター理論の前提

武井壮が笑っていいともで、どんなスポーツにおいても、上手くなろうと思う時、一番大事なのは頭でイメージしたカラダの動きと実際のカラダの動きがきちんと合うようにすることだと言ってた。

そして、タモリさんに目を瞑ってもらい、両手を地面と水平になる位置まで真っ直ぐ上げていってもらう、という実験をやってもらっていた。

本人が地面と水平だと思うところで腕を止める。すると、どうだろうか、腕は随分と下の方で止まってしまい、全然水平になっていない。

武井壮曰く、これがイメージと実際の動きとのズレだ。このズレを理解して修正していく。こういうイメージとカラダの動きとのギャップを一つづつ潰していくことで、きちんとイメージ通りにカラダが動いてくれるようになるのだそうだ。

こういう状態を作り、メンテナンスしておけば、何か新しいスポーツを始める際にも、そのスポーツの優秀な選手の動きをしっかり見て、その動きをアタマに焼き付けてしまえば、少し練習するだけで、カラダもそのように動けるようになる。これがコツらしい。武井壮が短期間で10種目競技で圧倒的な強さを発揮できたのは、こういうイメージと実際の動きとのギャップをなくすという訓練ばかりやっていたからなんだろうか。

ちなみに武井壮はゴルフ留学をしてたこともあって、ゴルフもかなり巧い。しかし、本人的には彼が取り組んだ数多くのスポーツの中でもゴルフが一番難しいと感じたそうだ。

この武井壮の話ではないが、素人にはアスリートのようにイメージとカラダの動きを一致させるのなんて到底無理だ。だから、違うイメージでスイングを組み立てないとダメなんだ、というのが桑田泉さんのクォーター理論の前提にある考え方だ。

クォーター理論ぐらい体系化されたスイング理論ってあるのかな?

クォーター理論がすごいと思うのは、部分部分の組み立てと、ステップで全体をきちんと構成していくように出来てるところで、僕は結構色んなゴルフ理論を漁ってるけど、ここまできちんと体系化して、アプローチからフルスイングまで、しかも左足下がり上がりつま先上がり下がりなどのライの違いのパターンにも対応するように組み立てらてた理論というのは、見たことがない。この構成の緻密さとかは本当にかなりマニアックだ。

手打ち推奨についての誤解

桑田泉と言えば、森守洋さんと並んで「手打ち」推奨派の一人だ。しかし、ウェブや雑誌の連載などクォーター理論をつまみ食いしている人は、多分クォーター理論における「手打ち」というのを誤解しているように思える。
クォーター理論でも、上級者向けの最終的なスイングは、所謂、ボディターンがメインとなっている。

要は素人も素人、初心者でスライスばかり打ちまくってる人には、まず、手打ちしろ、というのが桑田泉さんの考え方なのだ。それは森守洋さんと同じく、間違ったボディターンでカラダの開いて、振り遅れてしまってる人への特効薬は、まず、ちゃんと手を振ってボールを打つことだ、という至極当たり前の理屈だ。

クォーター理論における上級者向けのボディターンスイングは、この動画を見ると少しは齧る事が出来る。



上半身90度捻って、下半身で戻す、というこの動きはクォーター理論でいくとS2と呼ばれるスイングだが、初級向けの場合は、このスイングはアプローチまででしか使わない。

S2でフルスイングまで行くと、素人の場合は大抵重いヘッドが遅れてしまう。なので、初級者ターゲットの場合は、フルスイングは、手打ち=リストターンのS3スイングがベースとなる。

ただ、このS3だと普通に球を捉えられるようになると、引っ掛け、フックばかり出るようになるので、ボディターンの要素=スライスを加えて、ストレートボールにしていく。これが初級のクォーター理論のフルスイングだ。
初級のクォーター理論のフルスイングについては、下の動画でだいたいは掴める。




上級向け?の場合は、カラダの動きはS2の横回転で、そこにリストを使ったクラブの縦への振り下ろしという縦への動きという二つの異なる方向への動きを同時にしないといけない。これは初心者にはいきなりは難しい。なので、最初は、「手打ち」「足の裏」という、一つの動作が終わってから次の動作をやるという単純なスイングから始めるというわけだ。
もちろん、このスイングでもちゃんとやればそこそこ普通にゴルフになる。僕自身がドライバーのスライスから卒業できたのも、このスイングに近いスイングに取り組んだからだ。

「手打ち・足の裏」だけを見てると、あまりにも特殊というか、まがい物っぽい感じもするけど、上級向けのボディターンにクラブの縦への振り下ろしってのを見ると、クォーター理論への見方も少し変わるんじゃないだろうか。上級向けといっても、あくまでと素人レベルの中での上級者(スコア云々での上級者とかって意味では多分ないと思う)なので、そこは桑田泉節というか、やはり一つ一つの動作をかなり大袈裟にやってることは間違いないとは思う。大袈裟にしないと素人は出来ないからだ。そこに怪しさも漂うのだけども、でも、何をやってもうまいいかないという人は、桑田泉さんが言うぐらい極端にやってみるということは、何かの解決につながることが多いんだろうと思う。

なにはともあれ、桑田泉=手打ち推奨でというのは大きな誤解だということは理解できるだろう。

桑田泉書籍のレビュー

この本は、とにかく構成が悪い。編集者が馬鹿なんじゃないかと思うぐらい、なんでこんな順番に並べたのか全く意味がわからない。多分、クォーター理論を何も知らずいきなりこの本を読んでしまうと、すごーくわかりにくいんじゃないだろか。クォーター理論って、体系化されてるのがミソなのに、この本はそれを最初にあえてバラして、断片を散りばめてしまってて、クォーター理論が何かさっぱりわからない状態を作り出ししてる。
ただ、クォーター理論を一通り知ってる人には、こういった断片は、クォーター理論を補うものとして役立つものも多いだろう。なんで、この本は別の本なりDVDで、クォーター理論を体系的に理解してから読んだ方がいいと思う。

カラーでもなく表紙からして地味なんだけど、内容的にはすごく整理されてまとまってる。パターからアプローチ、そしてフルスイングへ。パットアプローチからS1、S2、S3、そして融合のフルスイングまで、クォーター理論の構成通りに展開されてるのでスムーズに理解できる。
言ってることや細かい解説も、他で展開される内容と大差なく、これといってこのほんでなければならないという要素がないのも事実だけれども、DVDのレッスンは価格も高く、テキストもないので、手元でテキストとして確認するという意味では、本書が一番良いのではないかと思う。

最初に社員の一人に借りたのがこの二冊。中身は漫画で、付属のDVDの内容はほとんどYouTubeに上がってる。クォーター理論のとっかかりとしては安上がりでわかりやすいかもしれない。

ちょっと高いけどこの二つのDVDはオススメだ。DVDだけでテキストはないけど、とりあえずパターからパッティングアプローチ、S1、S2、S3、フルスイングまでが説明されており、さらにバンカーショットや、アプローチにいたっては右足上がり、下り、つま先上がり、下りの組み合わせにおいて、かなり具体的に対処法が説明されている。その説明も非常に論理的で、全てのパターンでS2やS3といった、クォーター理論を体系付けるスイングのパーツを組み合わせていくことで対処できるようになっているというのも凄い。きちんとこれらのスイングパーツを習得することで、実ラウンドでの様々なライに対応していけ、これはそのままスコアアップに直結する。

クォーター理論絶賛のようや記事だけども・・・

前にも書いたけど、僕はクォーター理論は結局挫折したというか、途中でこれを続けていく勇気がないってことで辞めてしまったヘタれだったりする。

僕の場合は、その後、レッスンに通って、結果的に、クォーター理論と同じようなステップでスイング固めをして、100切りを達成したという経緯で、振り返ってみて、なんだクォーター理論ってやっぱり良かったんじゃんと再評価したわけで、純粋にクォーター理論を信じて練習してきたわけではない。

もちろんレッスンも全くクォーター理論と同じだったわけでもなく、リストの使い方、右手の使い方みたいなところはクォーター理論には扱われてなかったけど、そこではかなり重要な要素ときて教えられたりもしてる。だかは、クォーター理論だけでやってたらどうだったかも正直良くわからない。

僕は基本ゴルフは可能であればレッスンとかに通って人に見てもらう方が良いと思ってるけど、レッスンに行けない人であれば、クォーター理論のように、実戦でのライや緊張して力が入ってしまうみたいな状況も踏まえて、網羅的に体系化されてる手法の方が、成長できるのではないなかと思う。

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コメント

  1. 長田雅芳 より:

    勉強になります

  2. kohji より:

    桑田理論を繰返しやっていたら 苦手だったロングアイアンがよく当たるようになった。まだ練習場のみですが。

  3. YUSAKU NAGATO より:

    実際に泉さんに習っているものです。もう5年になります。
    すばらしい考察だと思います。

    初級:手打ち足の裏スイング
    中級:セブンポイントスイング
    上級:ボディーターンスイング

    という流れで覚えていきますが、おっしゃるとおり、プロの結果をアマチュアに練習させても出来ないよ。というところから徹底的に基礎からおしえていただけます。

    最初は120うってましたが、今はフルバックからでも80台がでるようになりました。私がいま習得しているのはボディーターンスイングです。
    背中からでるドローボール。です。

    泉さんは良く
    5mのキャッチボールもまともに出来ない人に150キロの球をなげさせようとしてるものとよくいいます。なるほどな。と。

    あとは、泉さんのところには何人かプロがいますが、S1・S2・S3といった共通言語化したことが、クォーター理論の最大の特徴を私は思っていまして、誰が教えても同じイメージをモテることがすごいと思っています。

    何を信じるか、だと思いますが実際に一緒にラウンドレッスンをやったり実践として球を打って、本当にそのような結果になるので、いつも楽しくレッスンしていただいています。

  4. 江塚 紀久 より:

    先日レッスンして頂こうと南町田に足を運びました。
    結論はこの人には教わりたくない!と。
    固有名詞を挙げて非難ともとれる自己アピールに碧碧しました。しかも何度も。
    スポーツマンの風上にも置けません。体験料損しました。
    理論に感激し足を運んだのに実際のレッスンは15分程。
    教えるは教わる人の考え、状況など理解も必要かと。
    まずは体験を通じて双方理解することから始まることを知らない指導者になって欲しくありません。

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