森守洋か中井学か〜手を使うか使わないか

中井学さんはスイングでは「腕を使ってはいけない」と言い、森守洋さんは「もっと腕を振れ」と言う。人気レッスンプロ二人は、まるで正反対のことを主張している。

腕を使ってはいけない〜中井学

中井さんの「腕を使ってはならない」とは、腕を意識して動かそうとしてはいけない、という意味だ。腕は「使う」のではなく、「使われる」というような表現も中井さんはよく使っている。カラダをきちんと動かせば、腕はカラダの動きにつられて勝手に動く、腕のように細かい神経が集中してるところで、頭で考え、意識して動かすと、緊張やちょっとした感覚の変化で、スイングがおかしくなってしまう。だからカラダ全体、股関節や肩甲骨といった大きな関節と大きな筋肉で振らないとダメで、そういうスイングは緊張に強く、また再現性も高い、というのが主張だ。根本的な考え方が、こんな感じでこれに基づいて、スイング理論が組み立てられている。

もっと腕使え〜森守洋

森守洋さんは、素人のミスのほとんどは振り遅れにあると言っている。そして、振り遅れの根本原因は、ボディターンを意識するあまり、カラダが先に動いて、腕がきちんと使えてないことにあるとし、「もっと腕を振る」ことを教えている。

僕自身は最初中井学さんのDVDや本からスイングの基礎づくりをしてきて、途中からレッスンに通うようになって、腕を使う、腕を振るスイングを教えてもらい、森守洋さん的な「手打ち」に目覚めたという経緯がある。目覚めたのは自分のスイングを動画で見た時に、森さんが悪い例として紹介している、カラダが開くスイングになっていたことに気づいた時だ。自分ではそんな風にスイングをしてるつもりは全くなかったのだけど、動画で見る自分のスイングはなんともみっともないスイングになってしまっていた。
そんな僕自身の経験から言うと、素人がまったく腕を使わず、カラダだけでスイングするなんてのは、そもそも無理じゃないかと思う。

素人が腕を使わないと・・・

中井さんは股関節を動かす、肩甲骨を動かすと腕は勝手にローテーションして、勝手にコックもできて、トップの位置も何も考えなくても決まる、みたいに説明するのだが、腕をまったく意識しなければ、そもそも腕は上がらなくないだろうか。カラダだけで腕をトップに持っていこうとすると、おそらく多くの人はクラブをインサイドに引き過ぎてしまう。カラダを右に回転させて、その回転だけで腕を上げないといけないので、カラダにくっついた腕は、カラダの回転にそのままつられて動かないといけないからだ。
僕がまさにそうで、ボディターン意識のあまりか、クラブはかなりインサイドに引かれ、そこからさらにカラダで振るので、インサイドアウト軌道に振り遅れがくっついて、プッシュアウト&スライスが頻発するという状況だった。

腕を意識しないというのは、最初にある程度、腕を使うスイングに取り組んで、スイングが出来てからなら、重要なのだと思うけど、まともなスイングもできないど素人に、腕を使わずにカラダだけというのは、かなり無理のある教え方じゃないかという気がする。

腕をしっかり使えるようになれば、腕を使う意識なくカラダの動きだけで打つということも出来るようになるかもしれない。しかし、その逆は、多分ない。腕を使えない人がカラダだけ使ってスイングを完成させるなんでのは、逆にものすごく遠回りに思えるのだ。

腕を使えるようになってからボディターンを学ぶべき?

森守洋さんは、実は、ボディターンを否定しているわけではない。森さんが否定してるのは、ボディターンをやろうとして、ただカラダだけが全体で回転して開いてしまうスイングだ。それは素人がボディターンを練習して陥る弊害で、もちろん最初からボディターンでうまいスイングが出来る人もいるだろうし、その人は問題ないのだろうけど、殆どのアマチュアはうまく出来ない、そこに問題を感じているわけだ。

だから、まず手をしっかり振ることを教える。それが最優先なのだ。

森さんのスイング理論と、桑田泉さんの「クォーター理論」のフルスイングの考え方は非常に近いものがある。どちらも下半身や足はほとんど使わない。ベタ足でもいいと言う。森さんは腕をしっかり振れば自然にカラダもつられ、足も動くとし、桑田さんは、手打ちの後に、「足の裏」と、意識的に動かすことで、フック要素にスライス要素を足して、真っ直ぐな球になるという独自の組み立てをしている。いずれにせよ、両者とも、まず手を振って、それでコンタクトすることが重要だという認識に立っている。

僕の経験から言えば、初心者は最初は森さんや桑田さんの指導するような手を振るスイングをまず練習していくべかではないかと思う。
それである程度球がつかまえるようになってきたら、カラダを使う要素を足していけばいいんじゃないかと思う。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です