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2004年01月14日

変な広告:電即納

今朝の日経産業新聞にアルプス電気のインターネットオーダーシステム「電即納」というサービスの広告が掲載れている(関西版だけかもしれないけど)

その広告はこんな感じだ。
「Webでの検索キーワードは・・・」という見出しに、キーワード入力フォームらしきものが3つ縦に並んでいて、それぞれに「でんそくのう」「電子部品」「通信販売」という言葉が入っている。

何のサービスかはさっぱりわからないけど、これはこのキーワードで検索を実行してみろ、というメッセージかと思い、試しにGoogleで検索をかけてみた。
「でんそくのう」で検索すると、アルプス電気のプレスリリースがヒットする。プレスリリースに書いてあるURLは「http://www.alps.co.jp/densok/」だが、「ページが見つかりません」だ。「電子部品」では7位にアルプス電気のサイトがヒット。しかしこれは「電即納」のサイトではない。「通信販売」は当然期待していなかったけど、予想通り。いちいちぐーまにとか使って調べるのも面倒なので調べてないが、少なくとも20位以内には表示されない。検索するサイトを間違ったのかと思い、Yahoo!JAPANでも、検索してみたが結果はほぼ変わらず。

結局、「www4.alps.co.jp」というURLを打ち込んで見てみることにした。
なるほど。このページの検索フォームに、こういうキーワードを入れて検索してみなさい、ということだったのか。と思いつつ、3つのキーワードで検索を実行してみたが、「通信販売」以外では0件。なんじゃこりゃ。

この広告はいったい何を言いたい広告なのだろうか?
「電即納」がどんなサービスかということも一切わからないし、且つ、そのメッセージが何を伝えようとしているのかもわからない。まぁ、アルプス電気ということで、なんとなく想像はつくのだろうけど、しかし、こんな広告意味あるんだろうか?
ものすごい金の無駄使いだろう。これは。

商品やサービスがテレビなどのメディアで放送されるタイミングをはかって、Google ADWordsやOverTureなどのキーワード広告を購入するって手法は、今後増えてくるだろうなと思ってたけど(特に、「あるある大辞典」や「思いっきりテレビ」で紹介されるときに、その商品を販売しているなら、キーワード広告を買っておけば効果は高い。でも同じこと考えている人はいっぱいいるだろうけど) 、テレビ以外でもこの手法ってのはいろいろ使えるんじゃないだろうか。URLを打ち込むよりも、ある言葉で検索するほうが楽な人も多いだろうし。

キャンペーンなどでよくやる穴抜き広告を、キーワード広告に使うって方法なんかもあるかもね。記憶させたい特殊なキーワードをキャンペーン直前に購入しておくとか。(でも、数集めたいキャンペーンとかでAdWordsとかはどうなんだろね。PPCって安上がりなんだろうか?)

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2004/01/14 10:17

「観光地」つながりで思い出した事例【メモ】

今朝は小雨まじりの雪。バスで40分ぐらいかけて出勤してきた。
久しぶりにバスだったのでぼーっと考え事をしてたら、ふと、昨日の「観光地のブランド力診断」のつながりからか、観光地や国、地域といったもののブランディング事例を思い出した。思い出したとはいっても、あの本のどこかに、どこかの国のブランディング手法が載ってたな、というレベルでしか思い出せなかったんで、その本にあたってみた。

その本とは、「あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス」だ。

あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス

この本のなかの『便益ポータル』という章で、「ジャマイカに米国の旅行者たちをいかに集めるか」という課題の例が載っている。

当時カリブ海はリゾート地としてはあまり知られていなかった。ジャマイカは多くの魅力を有する観光地ではあったが、ほとんどのアメリカ人にとって、南海の一国にしか映らなかったのである。
そこで考えられたのが、ジャマイカにハワイのイメージをダブらせる方法だった。

「ジャマイカ、それはカリブ海のハワイ」

というコンセプトが開発された。


あらかじめ良いイメージや感情を抱いているものに「商品」をだぶらせることで、わかりやすく且つうまく感情を刺激するようなコンセプトを考え出したというわけだね。なるほど。


■テッピングポイント

ブランディング事例ではないけれど、「ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか」のなかに、ニューヨークの犯罪率が下がった話がある。

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

1980年代のニューヨークでは平均して年に2000件以上の殺人事件と60万件以上の重犯罪が発生したが、1992年に約62万件の重罪事件を記録してから、その後5年間で殺人事件の発生件数は64.3%も落ち、重罪事件の数もほぼ半分の約35万件にまで低下した。つまりある臨界点を超えて、著者の言葉を借りれば、「一気に何かが傾いた」のだ。

著者はこれを単に雇用、経済が安定したことではなく、犯罪の蔓延が伝染病として生まれている背景から、犯罪率が一気に低下したのは「背景の力」だと考える。

感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する

そして、著者は、犯罪学者のQ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した「割れた窓」理論を引っ張ってきて、ニューヨーク地下鉄の「落書き清掃作戦」と「無賃乗車の撲滅」が「きっかけ」をつくりだした一つの要因ではないかとする。「落書き」や「無賃乗車」といったものが、
さらに深刻な犯罪を誘発する合図、無秩序を象徴する小さなしるしだと信じていたのである。

こういった取るに足らない小さな犯罪の取り締まりが、巨悪犯罪激減のテッピング・ポイントだったのではないか、と。
「割れた窓」理論と背景の力は同一のものである。どちらも、感染現象は直接的な環境の些細な要素に手を加えることによって、それを反転させ、一気に傾かせることができるという前提にたっている。

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2004/01/14 09:36

2004年01月13日

企業ブランド構築支援サービス

(日経産業新聞)

新サービス「ブランドシンク」は、まずグラムコが顧客企業の持つ商品やサービス、会社自身のブランドイメージにあった商品の展示方法や店舗デザインについて助言する。
その上でスカイライトが消費者との接点となるホームページの作成支援などブランド浸透に役立つIT戦略について指導。

ブランディングとIT。初年度で1億5000万円程度の売上を見込む。
こういう提携のパターンってのは今後も増えてくるのかな。アクセンチュアとメンバーズの提携とかも似たようなもんだろうし。
でも、どちらのページを見ても、いまいち説得力ないんだけどなぁ。

スカイライトコンサルティング(トラコスの子会社)
グラムコ(ブランド構築支援業務)

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2004/01/13 11:20

観光地のブランド力診断

日本経済新聞
博報堂が観光地のブランド力を評価、診断する手法を開発したとのこと。
この手法で評価したら、「京都」が首位だったらしい。二位以下は沖縄、札幌、神戸、富良野の順だって。(富良野が入ってるところからしても、メディアの影響はものすごく大きいんだろうな)
うーん。「そうだ、京都へ行こう」キャンペーンのおかげじゃないかとう気もしなくはない。

消費者に各観光地について「見たいものはあるか」「周囲の人の評判は良いか」「宿泊施設は快適か」など約15項目を聞く。消費者がどの項目を重視しているかの重み付けを加えることで、観光地が消費者の期待にどの程度応えているかを分析する。

調査リポートは1万円前後で販売するとのことだが、当然、博報堂はそんなものを売って儲けようなんて気はない。地方自治体やらからブランディングの仕事をとりたいのだろう。

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2004/01/13 11:00

窓販拡大 商品多彩に

日経新聞の「ニュースがわかる」で大手銀行が証券会社との共同店舗を広げているという記事。

これまでの共同店舗といえば、一階に銀行、二階に証券、隣接ビルに信託といった形式が多く、銀行に立ち寄った後に、他のサービスを受けるのに、階段を上ったり別のビルに足を運んだりする必要があった。三菱東京の新拠点「MTFGプラザ」ではレイアウトを利用者の視点にたって大きく見直した。
一階は振込などを「すばやく手続き」するフロア。二階は資産運用からローンまで「ゆっくり相談するフロア」。三階は富裕層向けの「じっくりコンサル」のフロア。銀行、信託、証券の営業担当者が各階で共同で顧客に対応する。

UFJや三井住友は証券仲介業務の解禁をにらんだ店舗戦略。つまり解禁になれば、共同店舗なんて必要なく、銀行窓口でそのまま株式を扱えるわけだ。

どちらにしても、銀行がたんなる銀行から「金融総合サービス」に変わろうとしている。そして、そこには利用者の視点にたった商品の組み合わせや、店舗設計やオペレーションが必要とされる。単純にこれは良いことだと思う。「護送船団方式」が崩れ(といっても完全に崩壊したわけじゃないだろうけど)、ようはく本格的な競争時代に入り、銀行もずいぶんと変わってきたなぁと思う。ドラッカーは競争がない業界は衰退するというようなことを言っていたけど、今までの銀行ってのはまさにそうだったわけで、今後は証券、生保などとも競合していくことで、サービスはどんどん改善されていくだろうな。それは生保、証券側でもそうだろうし。

さて、これらはウェブではどのように表現されるだろうか。東京三菱のフロア設計のように、利用者のニーズや行動にそった形で設計されるのか、それとも「銀行」「証券」「保険」といったようにわかりやすく商品・業務単位を切り口とするのか、はたまた...

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2004/01/13 10:51