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2006年10月28日

啓蒙かまぼこ新聞のすごさ

なぜか手元に古い宝島がある。1983年の2月号だ。古い雑誌を捨てられない性質なので探せばまだあるが、手持ちの宝島では一番古い号かもしれない。
たまにこういう古い雑誌を読み返すのは面白い。自分が未来人みたいな感覚で楽しめるのだ。

さて、この宝島にあの伝説の「啓蒙かまぼこ新聞」が掲載されている。まだ7回目。まさかこれがウェブページになっても続くものになるとは、このときは誰も想像できなかったろう。しかし、いまさらながらに「啓蒙かまぼこ新聞」はすごい。

この号では、新春巻頭対談として、かねてつの食品常務中村健と、中島らもの対談になっているのだが、この自虐ぶり、これを許すかねてつの鷹揚さは、今、この時代のマーケティングを考える上でも重要ではないか。完全に遊んでる。

村上:私がアメリカにいる間に、かねてつの企業イメージが...
中島:ハイ、秋の陽のつるべ落としと申しますか(笑)
村上:営々と築きあげてきた老舗のイメージが...
中島:ハイ、今やパンクかかまごこ屋というイメージに変わりつつありますね(笑) 今度、金ラメ入りのカマボコなんてどうですか?

なんていう冒頭の会話から始まり、

中島:ところでカマボコって家庭で作れるんですか?
村上:作れます。でもまあ、まる一日はかかりますね。下ごしらえして・・・頭と尾と皮と小骨と、それに脂の多いところは全部とっちゃう。エソっていう魚なんか一匹からオチョコ二杯分の肉しか残らない。
中島:もったいない
村上:ぜいたくな食物ですよ。その割に評価が低い。でも低カロリー低脂肪なので最近はアメリカ人もよく食べています。ボイルド・フィッシュ・ペーストっていうのね。
中島:今後はかまぼこを尊敬するようにします。とりあえずカマボコと呼ばせていただいて(笑)

と、自然にかまぼこの基礎知識から、かまぼこがいかに体に良い食べ物かという語りに進むも、らもの最後の「オチ」で、この会話自体に宣伝くささや啓蒙くささを感じさせない。

今さらながらに中島らもはすばらしい広告マンだなととおもった。合掌。

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2006/10/28 21:25

2006年10月03日

電通、ネットでテレビCM受注へ

電通、ネットでテレビCM受注へ

電通は10月をめどに、インターネットを使ってテレビCM(スポット枠)を受注する新システムを導入する。ネット上で申し込みから決済までを完結させる広告業界初の試み。映像などCM制作素材をパッケージにすることで制作放映にかかるコストと期間を抑え、手薄だった中堅・ベンチャー企業を開拓する。半年間で200社からの受注獲得を目指す。

本日の日経産業誌面から補足。
料金は関東地域で15日間に10回放映する場合、525万円(税込み/放送局は選べず)。
国内127局の参加が決まっている。

とのこと。しかし、「専用ホームページで約50種類の見本映像から「開業」や「販売」などテーマに合った素材を選択。音楽やメッセージを組み合わせて15秒のCMを完成させる。」とあったのが、CMみたいなもんを素材の組合せだけでつくって大丈夫なんだろうかという気がする。通常より安いとは故、10回放送するだけで500万以上するわけだ。このサービスがターゲットとする中小企業にとっては大金だと思う。そういえばうちの会社がとある音楽イベントに協賛したときも同じぐらいの金額だった。どっちが得かというと、たぶん後者だろうなと思う。

似たようなサービスを手がけてるのは、アメリカのスポットランナー。ここはテレビCMの制作・放映を500ドル以内で行う。

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2006/10/03 09:32

2006年03月15日

MKを選ぶ理由、ブランドをつくるのは

京都ではボクはなるべくMKタクシーに乗りたいと思っている。うちの同居人は元MKなのだが、そんなことが理由ではなく、単純にサービスレベルが高くて、失望することがないからというのが大きい。というよりむしろ、MK以外のタクシー会社のサービスレベルが低すぎるのではないかと。

タクシーをよく利用するなら、たいてい人は嫌な気分を味わっているのではないか。もちろん全員がそうというわけではないのだが、不満というのは、満足よりも強く記憶に残ってるもので、また人によく喋るわけで、さらに記憶が強化されていたりする。

近い距離だと、目的地を告げたとたんに舌打ち、荒い運転...
ボクなど一度、おつりの小銭がないということで、逆切れされ、近くのコンビニまでこちらの料金でつれていかれ、且つ、両替をさせられ、お金を払ったとたん、「ここでええやろ、兄ちゃん」と走り去られてしまったなんて経験がある。ほいほいと乗務員のことを聞いて従ってるボクもボクだが、それにしてもむちゃくちゃだ。
「○○○橋を越えたすぐの交差点を右折でお願いします」とお願いしたのに、○○○橋にさしかかっても右折する気配がないので「ここの交差点ですよ」と指摘するや、これまた逆切れで「○○○交差点って言ってもらわなわからんな」と言われ、明らかにそれとわかるような怒りの込めた荒っぽい運転をしだす。

そんなことが何度も積み重なって、ほとんどのタクシー会社をボクは信用してない。タクシー乗るときに、また嫌な気分を味わうのではないかと気にしてしまうぐらいだ。
しかし、MKタクシーだけは別だ。MKなら信用できる。MKの人でも、態度の悪い人もいるのだが、最低レベルは満たされている。(ボクは別にMKの回し者ではないのだけれど)

MKタクシーはタクシー業界のなかでは異端児で、他のタクシー会社からの評判は悪い。京都駅のタクシー乗り場には、MKタクシーは入れないし、他のタクシーに乗ると、時々、MKの悪口を言う乗務員がいる。MKは事故を起こしても乗務員が責任をとらなければならないとか、タクシー業界の掟を破って市場を壊したとか、いろいろ。

何が本当で何が嘘なのかはわからない。一番信用できるのはけっきょく、自分が受けたサービスだけで、それで考えると、どう贔屓目に見ても、MKのサービスレベルは非常に高い。乗務員の教育もしっかりしてる。MKにはかなりの回数乗車してるけれども、他のタクシー会社で味わったような不満はさすがにない。

たぶん、ボクと同じようにMKを選んで乗る人は多いだろう。たぶん、MKが登場する前までは、タクシーを選ぶという発想なんてなかったんじゃないか。MKの乗務員は、1人1人がきちんとしたサービスを行うことで、顧客がMKを指名で選んでくれるようになることを知っているのではないか。MKというブランドをつくる、もっとも重要な接点は乗務員の対応だ。1人1人がその意識を持つことで、MKというタクシー会社のブランドが強くなる。フロントにいる人間がブランド構築の要なのだ。他のタクシー会社も少しは考えて欲しい。他のタクシー会社の乗務員は、ほとんどがその会社のネームを背負ってる、ブランド構築の一端を担ってるなんて意識はほとんどないだろう。

これは何もタクシー業界だけの話ではない。よくあるブランド構築の話だ。従業員一人一人がブランドをつくっていくための接点なのだと。1人の電話の対応が悪いだけど、その会社全体の対応に不満が募る、1人の営業マンの対応が会社全体の対応ととられる... 顧客はそういうものだ。ボクらももっと気をつけなければならない。

ちなみに、京都ではMK以外では、最近ちらほら見かけるようになったエコロタクシーは好きだ。数が少ないので乗る機会はほとんどないけど、この前たまたま乗れて、話をしたら乗務員が会社の志をきちんと理解していて、すごく共感が持てた。サービスも良かった。

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2006/03/15 01:07

2004年10月19日

オーソライズド・バリューとパーソナライズド・バリュー

メモ。宣伝会議の11月号「eマーケティングフォーラム」の模様を伝える記事にこんな文章。

"みんな"をキーワードに社会的認知のある「オーソライズド・バリュー」を創るマス広告と、"あなた"をキーワードに個人的な「パーソナライズド・バリュー」を創るインタラクティブ広告

オーソライズド・バリューとパーソナライズド・バリューね。
マス広告がオーソライズド・バリューを創るとあるけれど、いまやオーソライズ・バリューはAISASの最後のSによって形成されることも多いんじゃないだろうか。

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2004/10/19 19:50

2004年09月09日

ブランド形成-愛着度×情報感度

久々の更新だ。 今月号のアイ・エム・プレスに、第五回CRMソリューション・セミナーの模様や講演内容の要約が載ってる。ここで気になったもの。

基調講演「成功・失敗事例&CRMベンチマーク・データに見る顧客主導型マーケティング成功のポイント」より

  • プロモーションで伸びた売上の構成は、安いものしか買わない「スイッチャー」層によるものが大半。
    • 当然だろうと思ってはいたが、飲料メーカーにおけるロイヤルユーザーとスイッチャーの割合ってデータは面白かった。サントリーだけがスイッチャーよりロイヤルユーザーの比率が高い。

  • ブランド形成には「情報感度」と「愛着度」が深くかかわっている。この二軸でブランドをマッピングしてみる。情報感度は、年齢や周囲への情報発信力と関係。愛着度はそのまま。ブランドへの愛着。
    • 例)
    • ポカリスエットは愛着度が高く、情報感度は低い
    • アクエリアスは愛着度が低く、情報感度が高い

ポカリスエットはリニューアルしても、ブルーに白い線のデザインは変えない。アクエリアスはリニューアルするたびにパッケージのデザインを変える。
どちらが良い悪いではなく、そのブランドの生き様が違うだけ。

重要なのは、有力ブランドは、愛着度も情報感度も低い象限には3年は留まっていないとうこと。逆に言えば、購買層が3年続けて愛着度も情報感度も低い層であった場合、そのブランドはアウトだということ。

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2004/09/09 12:02

2004年07月15日

広告取引と報酬制度

今日のアドバタイムズに「広告取引と報酬精度 アメリカのフィー事情」というレポートが載っていた。このあたりの事情はWEB業界にも無関係ともいえないのでメモ。

全米広告主協会の調査によるとアメリカの広告主と広告会社との報酬精度は74%がフィー契約だそうな。1994年時点ではフィー取引は35%に過ぎなかった。
また、パフォーマンス・インセンティブ(成果報酬)を盛り込むケースも年々増加しているとのこと。
フィー制への移行は取引の透明性を確保したいというクライアント側だけの意向ではなく、広告会社側にとっても必要不可欠と考えられている。

「たとえばインターネット広告はコンサルタント的な要素と高度な専門性、特殊な人材を要するサービス。しかし媒体の値段がテレビや雑誌などのように高価でなく、コミッションを払ってもらっても広告会社としては利益を出すのが難しい」

ただ、フィー取引がすべて薔薇色かというと当然そんなことはない。本格的なフィー制を認めてもらうためには広告会社側は利益率や人件費、オーバーヘッドコストなどをクライアントに提示する必要もでてくる。実際、100%の情報開示を求めるクライアント側と、秘密情報のすべてを開示するわけにはいかないと主張する広告会社側で契約が決裂するケースもあるようだ。

フィー制度+成果報酬というようhな契約形態への移行は、契約をますます複雑化する。アメリカでは、契約に第三者のコンサルタントが入るケースが増えているそうだ。「現在約10社の広告コンサルタントがアメリカ市場をコントロールしており、彼らの台頭も新しい風として受け止めなくてはならないだろう」と記事は締めくくられている。

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2004/07/15 09:42

2004年06月29日

個人株主はお客様

日経産業新聞で連載されている「株主と向き合う」という特集。
今日はナムコとカゴメ。二社は個人株主を基本「お客様」と捉えている。ナムコは株主総会の一環に株主懇親会を用意し、株主の「家族サービス」を充実。人気のゲームが遊べたり、同社のキャラクターによるダンスショーや、ケーキの試食など。

カゴメは三年前に「個人株主十万人」構想を掲げた。2002年2月から年に一度のペースで名古屋と東京でカゴメ商品を無料で試食できる株主向け立食パーティーを開催している。同社の広報総費用は年間四億円。従来のほぼ四倍にはねあがったが、2001年3月待つに6500人だった個人株主は三年の間で76000人超へ。10倍以上に増えた。
喜岡社長によると「カゴメのブランドも、株式も、お客様の支持があってこそ。個人株主には一般消費者の約十倍のカゴメ製品を買ってもらってる」とのこと。

東京証券取引所によると、個人株主の総数は2003年度で3400万人。1994年度の2720万人から700万人近く増えた。

いわゆるメーカーが個人株主=お客様という視点から個人株主施策を強化するというのは、マーケティング観点から考えても重要だろう。IRというと、どうもマーケティングセクションから切り離されたコミュニケーション機能として見られてしまいがちではあるけれど、これだけ個人株主が増え、今後も増え続けるであろうことを考えると、個人株主をいかにして振り向かせ、長期的な関係を築くかということは、きわめて重要なマーケティングテーマになるのではないかと思う。
確かに、自分が株主になっている企業のことは気になる。この「気にしてもらえる」ということだけでも企業にとっては十分価値のあることではないか。(もちろん個人株主施策としては、デイトレーダーのような移り気な人たちではなく、いかに長期保有してもらえるような安定個人株主の比率をあげられるかが重要。)

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2004/06/29 13:31

2004年06月16日

個人情報とは?

日本経済新聞。

来年4月に個人情報保護法が全面施行になるのに備え、企業が持つ個人情報が流出した際に、法に触れるかどうかの基準を具体的に示す指針を公表した。(メモ)

対象対象外
名簿氏名のほか住所や職業などを掲載したもの住所、氏名、電話番号だけで構成する市販の電話帳
名刺50音順など体系的に整理されたもの他人がわからない独自の方法で分類した場合
メールアドレスkeizai_ichiro@meti.go.jpなど所属機関と名前がわかるものabc012@ispisp.comなど個人を特定できない場合
映像防犯カメラの映像などで本人が識別できるもの画像が不鮮明などで本人が識別できない場合
アンケートの回答用紙住所や氏名などに基づいて分類したもの未整理でまったく分類していない場合

先日ようやくプライバシーマークを申請した。プライバシーマークの取得は、「取得」そのものよりもその取得のプロセスを通じて、スタッフ全員が個人情報やセキュリティといったことに関心を持ち、勉強するということのほうを重要だろう。これは「資格」と同じようなものだ。資格を取得するよりも、そのプロセスが大事なのだ。プライバシーマーク取得のプロジェクトメンバーは、スタッフへのセミナーや勉強会など、かなりの労力をそこにつぎ込んでもらってる。そのおかげもあって、多分、個人情報についての意識や関心、知識はずいぶんと向上したし、必要に迫られてだけれども管理もチェックが効くようになってきたのではないかと思う。
時間もお金もずいぶんかかったけども個人情報保護の考え方が社内に浸透しつつあるというのは、良い投資だったなと思う。

社内勉強会では、メールアドレス単体は個人情報かどうかという判断はグレーゾーンであったが、会社などのメールアドレスはほとんどが個人名@会社のドメインで、個人を特定することが可能であるため個人情報であろう、という考えに基づいていたけれども、経済産業省が発表したこの指針も同じよな感じだ。個人を特定できない場合は、個人情報保護法の対象とはならない。

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2004/06/16 10:37

サカイ引越センター、盗聴器を探すサービス開始

日経産業新聞。「サカイ引越センターが、7月1日から盗聴器を探すサービスを開始する」という記事。引越し。盗聴バスターズと提携。サカイが販売窓口となる。盗聴器の存在を調べるだけの簡易調査なら1万円からだそうだ。引っ越しを希望する顧客から部屋に盗聴器が仕掛けられていないか不安視する声が上がっていたそう。
メディアの影響もあるだろうが、盗聴はたしかに気になる。僕の知り合いのある女の子もとある東京のワンルームマンションで被害にあった。前に住んでいた人が仕掛けたのか、清掃業者などが仕掛けたのか。真相はわからない。本人にしたらたまったものじゃない。
が、盗聴されているかどうかなんてのは確信が持てなければ、なかなか専門家に相談できるものでもない。その子の場合もとあるきっかけがなければ、ずーっと相談しなかっただろう。
引っ越しのタイミングで、引っ越し屋さんにこういったサービスを頼むことが出来るというのはとてもいい連携だと思う。盗聴バスターズにとってもメリットは大きいだろうし、サカイにとっても付加価値になる。
ここ最近、引っ越し業者はいろいろな付加サービスを考え出してきている。女性スタッフが担当するサービスだとか、靴下を履き替えてくれるだとか(ってこれは昔からあったっけな)、カメラ付携帯電話で部屋の写真を送ったら、引っ越し費用を見積もってくれるとか、顧客ニーズを汲み取り、新しいサービス・機能を盛り込んでいくというのは当然ながらサービス業においても必要なことなのだ。

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2004/06/16 10:11

2004年06月15日

品質改善のための言葉

日経産業新聞に「日産、品質悪化 克服急ぐ」という記事。
米国市場で新製品ラッシュにより、今年1-5月では前年同期比28.2%増の販売(約39万4700万台)と躍進をとげたものの、初期品質調査では惨憺たる結果を出してしまった日産。
原因は新製品が、新工場の新しく雇った従業員が新しく取引する部品メーカーと立ち上げたため、それぞれ連携などで十分なマネジメントができていなかった、ということらしい。

この記事自体よりも、この記事のなかの次の一節に出てくる言葉に興味を惹かれた。

米国では社員一人ひとりの職務範囲が決まっているため、それぞれの責任領域が交わるグレーな部分については責任があいまいになりがち。日本流の「すり合わせ」を持ち込み、開発から生産、部品メーカーまでの動きを一体化することに全力をあげている。

「すり合わせ」ってのが、品質改善の一つの手法として語られているのが面白いなと思った。僕らはよく「すり合わせ」って言葉を使う。あまり意味も考えずに。多分、そういった「すり合わせ」は何の意味もないだろう。しかし、こんな自動化されて、ほとんど意味を失ってしまったような言葉でも、その背景や意味をきちんと理解し、言葉にきちんと役割と意味をあたえ、それを共有すれば、それはメソッドになる。トヨタなんかまさにそうか。

トヨタ生産方式で使われる「ムダ」や「カンバン」「少人化」といった独特の言葉。これらの言葉のひとつひとつにもきちんとした意味があり、その言葉の背景も含めた深い理解が従業員に染み渡っている。これらの言葉がたんなる言葉の意味を超えて、会社内の哲学として生きるとき、それらの言葉は強力な規範の根拠となり、また手法となり、ツールとなる。

かなり脱線するが...

社内での取り組みのひとつに品質改善や、ワークフローの整備といったことがある。成果物、成果物にいたるまでのプロセスを洗練させ、顧客満足度を高めたいということが目的だが、これらの取り組みにとってより重要なのはもっともっと根本的な哲学や思想なのかもしれない。哲学や思想のもっとも根本は言葉だろう。ひとつの言葉を聞いたときに、すべての人がある同一の状況を志向できなければいけないだろう。単にプロセスがわかっているというよりも、個々のプロセスでどう考えなければいけないのか、何を念頭においておかなければならないのかという思想を持たなければならないのではないか。「すり合わせ」って言葉に価値を持たせられるかどうかは、その言葉がどのように共有化されているかに拠る。品質を改善するということであれば、まず品質とは何か、品質がどんな要素で組み立てられているかということをきちんと理解しなければならないだろう。それためには言葉にする必要があるだろう。
なんてことを記事を読みながら考えていた..

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2004/06/15 10:11

2004年06月10日

サービスの100%保証システム

Harvard Business Review 2004.6月号に1998年マッキンゼー賞受賞論文の「サービスの100%保証システム」が掲載されている。1998年ということでちと古いし、「100%保証」って概念は、日本なら神田さんをはじめとするマーケターに紹介されてるので、比較的馴染みある概念なので、今更という感じもしないではない。しかし、実は僕らのようなサービスで100%保証ってのが可能なのか不可能なのかってことについては、個人的には随分と前から考えていることだ。たいてい誰に言っても「無理」と言われるのだが.... 顧客満足を100%保証すると謳うには以下の5つの条件を満たしてなければならない。

  1. 留保条件がない
  2. わかりやすく、伝えやすい。
  3. 何らかの意味がある
  4. 保証の請求が簡単で、顧客に負担がかからない。
  5. 払い戻しがスピーディーである。

100%保証を謳っていても、これらの条件を満たしておらず、結局「詐欺」に近いことをやってる企業も多いだろう。いざ保証を利用しようとなると、厳密な審査があったり、何枚も書類を提出したり。もともと実はものすごく細かい条件がついていたりとか。 これらの条件を満たせないなら、100%保証の意味はほとんどなくなる。逆に、顧客不満足を導くだけだ。

しかし真の100%保証を掲げるならばその企業は以下の5つの副産物が得られると筆者は主張している。

  1. 組織全体が、マネジャーの仮説ではなく、顧客が定期する「優れたサービス」に注目するようになる。
  2. サービスに関する具体的な基準を設定し、従業員のサービスの質やモラールを向上させる。
  3. サービスが悪い場合、それを示すデータが払い戻しを通じてフィードバックされる。
  4. サービス・デリバリー・システムにおいてミスが発生しやすい部分をおのずと検討するようになる。
  5. 顧客の信頼を得ると同時に、売上げやシェアが向上する。

100%保証ってのは、どちらかというと顧客獲得側面での「手法」として語られることが多いけど、それよりも実は、100%保証は組織の改善に大きな影響力を及ぼすのではないか。つまりここで言うように、組織全体が、自然と顧客視点にたったサービスのあり方ということを考えるようになるということだ。顧客視点にたったサービスとは言うは易し、行うは難し。100%保証っては荒治療だけど、組織に顧客視点を導入するには良い方法かもしれない。もちろんリスクは大きいけど。

この論文の前半にでてくるマイアミを拠点とする害虫駆除会社、バグズ・バーガー・バグ・キラーズ(BBBK)は、競合のほとんどが「納得できる水準まで駆除するまで(害虫を)駆除する」と謳ってるのに対して、「完全に退治する」ことを約束している。 その徹底した約束は凄い。「建物内から害虫獣が根絶するまで、びた一文もいただきません」「サービスに満足いただけない時には、最長一年にさかのぼって料金を払い戻し、さらに翌年貴社が選ばれた当社以外の駆除会社の料金をお支払いいたします。」などなど。 100%満足しない場合には料金は貰わないということを宣言している。 この保証制度によってBBBKは、同業他社の最高10倍もの料金を設定していながら、各営業地域内ではずばぬけた高いシェアを誇るという。 1986年は売上3300万ドルに対して、支払った保証金は12万ドル。売上から見ればびびたるものだが、この保証制度が嘘ではないことを示している。

Webソリューション分野で100%保証の可能性はあるのだろうか。 一切ミスがないプロジェクト。顧客が100%満足してくれるプロジェクト。もちろん常にそんなプロジェクトを手掛けたいと思うが、実際はかなり難しい。 でも分野を絞ったり、商品を特定すれば100%保証ってのは十分考えられるだろう。それは顧客にも意味ある保証になるだろうと思う。それが何かはここでは語らないけど。

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2004/06/10 22:47

2004年06月04日

ADKと電通が次世代広告開発で合弁会社設立!

アサツー ディ・ケイと電通、次世代型広告のクリエーティブ開発事業で、合弁会社を設立
プレスリリース

びっくりしたー。こういうこともあるのだなぁ。広告ビックバンだものねぇ。
博報堂DYHといい、この合弁といい。広告業界はこれからますます騒がしくなるな。大手の合従連衡。中堅・中小広告会社の倒産。いろいろ起きるだろうな。

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2004/06/04 00:46

2004年05月24日

電通、今後3年で利益1.5倍を目標に

電通が2004年度3月期の決算説明会で、07年3月期の連結営業利益を04年3月期の1.5倍の700億円以上に高めるという目標を示した。こんな記事が日経産業に。 今後三年間で

  • コンテンツ市場などで1000億円
  • 海外市場で800億円
  • 販促などで200億円

を上積み。国内広告市場でも1200億円の増収を目指すらし。
って、、1200億ってさ。。。 今、読広で1000億ぐらいじゃない。凄い目標だなぁ。

コンテンツ市場で1000億ってのは気になる。新聞ではコンテンツ市場に「情報の内容」なんてわけのわからん説明がつけられていたけれど。当たれば大きいコンテンツ。

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2004/05/24 14:34

2004年04月26日

住宅各社がアフターサービスを充実

今朝の日経産業新聞に、「住宅各社がアフターサービスの充実による顧客満足度の向上に本腰を入れ始めた」という記事。メモ。

企業名会員組織・サービス名会員・利用者数
エス・バイ・エルすまいりんぐ倶楽部約1万7000人
旭化成ホームズヘーベリアンネット約2万人
ミサワホームライフサポートサービス不明(利用可能な顧客は55万人強)
大和ハウス工業ダイワファミリー倶楽部約2万1000人
積水ハウスNETオーナーズクラブ約9万人
三井ホーム三井ホーム倶楽部10万人程度

会員専用サイトなどで物販や住まいに関する情報を提供しているということだけれども、先に自社サイトをきちんとしたほうがいいんじゃないかと思うところもいくつかある。

記事にもあるけど、狙いは「アフターサービスの充実で、将来のリフォームやメンテナンス需要を取り込みたい」ということだ。

顧客情報漏洩して逆に信頼失うなんてことにならなきゃいいけど。

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2004/04/26 12:32

2004年04月03日

ホワイトカラーの生産性向上~ビジネス・プロセスの再設計

フィールドスタディやタスク分析、ユーザテストといった手法を使って、組織は仕事を行う新しい方法を見つけることができ、よりよい情報技術による作業のサポート方法も見つけられる。特に共同作業のインターフェイスの改善、ナレッジマネジメントの改善、決断サポートの改善は計り知れない生産性の向上につながる。既存のシステムはその名に値しない。それらは共同作業をよりよく行う手助けになっていないし、ナレッジの活用を向上させていないし、決断を早く、またはよりよく下すサポートを行っていない。しかし、不可能ではない。これが企業ユーザビリティの次なる開拓分野だ。
ホワイトカラーの生産性向上に、仕事を行う新しい方法=ワークフロー・ユーザビリティに注目しよう、というニールセン博士の提言。

ビジネスプロセスの絶え間ない「カイゼン」を組織のDNAとして有してる代表格がトヨタなのだろう。トヨタの強さというのは、生産性だけに留まらず、すべての領域においてプロセスのカイゼンを取り込んでいるところか。
「コンピューターのサポートによって最適化されたワークフローを設計するべきだ」と書かれてあるが、何もコンピューターのサポートがなくても、生産性を向上させられるプロセスなんていくらでもあるだろう。

多分、これもスタッフ一人一人が意識し続けられるかということが重要だろう。忙しい忙しいと口にするのは簡単だ。なぜ忙しいのか、どうしたらその忙しさは軽減されるのか、どのプロセスに問題が潜んでいるのか、どうすればもっと効率よく、大きなリターンを得られるのか、常に考え、検証していくおとの繰り返し。この中にしか生産性向上はないような気がする。

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2004/04/03 01:38

2004年04月02日

実際に採用された提案企画書全公開

今月の販促会議(2004年5月号)の、「実際に採用されたプロの企画書全公開!」に、東京ドアーズアルファブリッジに提案した「Mintmall(ミントモール)」の提案企画書が掲載されている。
(Mintmallは、4月にリニューアルされるらしい)

アルファブリッジは、サイトでカタログを閲覧するような感覚でページを見ることができる「ebook」というサービスを提供している。今回のオリエンは、このebookを採用している通販各社へのユーザー来訪数を増やすことと、ebookの導入促進を図ること。

仕事がら人が書いた企画書や提案書はものすごく気になる。人のを見たら、同じ課題、オリエンで自分がそれ以上の企画書をつくることができるかどうかを考える。
ここに掲載されている企画書自体がとりたてて凄いものではない。これは別に悪い意味ではない。きちんとそつなくまとめているという感じだ。

企画書が良いか悪いかは、僕が判断することでもないが、この提案で東京ドアーズの提案が採用されたポイントが以下の5つだったとしている。

  1. オリエンテーションの内容を理解していた
  2. クライアントの事業内容を理解したプレゼンテーションであった
  3. 事業提案としてのコンセプトがしっかりしていた
  4. 事業展開のフェーズごとの流れがイメージできるものであった
  5. サイト開設後の運営パートナーとしての体制が整っていた

当たり前のことばかりなのかもしれないけど、これが理由になるということは、他の競合5社にはこれらポイントのいずれかが欠けていたということだろうか。オリエンからプレゼンまで約1週間だけれども、これもそんなに短いとも思えない。もっと規模の大きいプレゼンでも営業日で5日を切ることはよくある。6社コンペだったようだけれど、おそらく何社かはデザイン案だけ出すというような端から受注を諦めたものだったのではないかと思う。

そういえば、昨日、東京で10社コンペだった案件が決まったという連絡が入った。10社コンペみたいなものには、あまり参加しないのだけれど、新規獲得をなおざりにしていると新規獲得能力は自然と落ちてくるし、新人も一気に増えて良い機会だということでチャレンジしたのだろう。企画書は先に見ていたけれど、他の9社はまずこの手の提案はしないだろうというようなものだったので、決まる確率は高いんじゃないかなと思っていた。

10社コンペみたいに競合が多い場合は、正攻法でいっても少なくとも2~3社は同じようなことを提案してくる。トリッキーな手法が良いというわけではなく、もう一度クライアントが何を求めているのかというところまで戻り、それを実現するためには、こういう考え方でもいいんじゃないか、と前提を疑ってみることも大事だろう。

今日は、明日の提案書と、来週にあるミニセミナー(勉強会)の資料をしあげた。
最近は1枚1枚のシートに凝らない。全体としての流れと、伝えたいことがきちんと伝わるのが一番だと思ってる。

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2004/04/02 00:06

2004年03月30日

ADKと電通の記事。

大手広告代理店の記事が2本。
1本は、日経産業新聞。ADKが「セサミストリート」の日本語版制作に乗り出すという記事。
ADKが代表幹事となって、「セサミストリート・パートナーズ・ジャパン(SSPJ)を設立する。番組製作と商品化、広告へのキャラクター使用許諾などを手掛ける。
http://www.adk.jp/news/pdf/040329.pdf(PDF)

昨年の11月にセサミストリート関連の商品の販売やプロモーション利用に関しての提携も発表しているけど、これが準備だったというわけだ。
http://www.adk.jp/news/news/031127.html

ADKは「ドラえもん」というビックキャラを抱えているけれども、「セサミ」もコンテンツビジネスとしては一大プロジェクトだろう。

もう1本は、日本経済新聞。
電通が大学のブランド力向上を支援する専門チームを四月一日に発足するという記事。

四月からの国立大学の法人化もあるし、少子化問題など、とにかく大学は熾烈な競争世紀に突入しようとしている。広告戦略、広報・PR戦略も大学の生き残り策に欠かせないものになるかもしれない。

そういえば、この前、立命館が受験者数を増やしているというニュースもどこかで見た。
僕が受験をした頃の立命館のイメージとはだいぶ違うようだ。魅力ある学部の設立や、カリキュラムの開発、就職斡旋活動... 地道なマーケティングの積み重ねによって、立命館ブランドは明らかに以前に比べて強くなった。

データ。国内の大学関連の広告市場は百五十億円強。そしてそれは五年後には二倍以上に膨らむと期待されている。

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2004/03/30 15:31

2004年02月20日

日本的プロジェクトマネジメントは4分類で考える

齋藤ディレクターが考える四つの分類は、2×2のマトリクスで表現する。マトリクスの横軸はその活動をプロジェクト期間中に常時行っているか、非定期で随時行っているかの区分。縦軸はその活動がプロジェクト全体を対象にするものか、特定のチームもしくはメンバー個人を対象にするかの区分だ。これらを組み合わせた「常時・全体」、「常時・個別」、「随時・全体」、「随時・個別」の4領域にマネジャの活動をマッピングする。
(要会員登録)

このマトリクスは会社経営、マネイジメントなんかでも使えるんじゃないかな。うちの会社には「随時・個別」が圧倒的にうまい、頼りになる人間がいて、彼がそういう“非業務”の活動をいろいろとやっていてくれるおかけげで、早期にリスクを見抜けたりできている。

なるほど、ちょうど今、評価制度をつくってたところだったえけれども、マネージャーの業務領域は、もしかしたらこのマトリクスを下敷きにして考えられるかもしれないなぁと。なんとなく。

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2004/02/20 14:43

2004年02月19日

2003年の日本の広告費は5兆6,841億円、前年比99.7%【電通】

2月18日の日本経済新聞には、「来年にもインターネット広告の市場規模がラジオ広告を上回る可能性が出来た」という記事がのっていた。2003年度の広告統計だと、ネット広告が1183億円に対して、ラジオ広告は1807億円。「四マス」なんて言葉もなくなっちゃうかも。インターネット広告だってブロードリーチ系のものはすでに十分「マス」だろうし。(キーワード広告みたいに敷居の低い広告を零細企業と大企業が同じように活用するってのもネット広告の底深さみたいなものか。)

同じ電通の発表記事ながら、同日の日経産業の方には、「国内広告費3年連続減」が見出しになっているのも面白い。
2003年の国内総広告費が前年比0.3%減の5兆6841億円。これで3年連続減少。
マス四媒体ではテレビはわずかにプラスだけど、全体で見ると99.7%。他、「折込」や「交通」が伸びた。SPが98%で3年連続減少というのもひっかかる。
業種別で見ると...

デジタルカメラの広告が活況の「精密機器・事務用品」と、パソコン、インターネット、携帯電話などの活発な出稿の「情報・通信」が2ケタの大幅な伸びを示し、21業種中10業種が前年実績を上回った。一方、「食品」「飲料・嗜好品」「流通・小売業」「自動車・関連品」「交通・レジャー」などが減少した。

でも今年は2.3%増の5兆8165億円と増加に転じる見込みだそうな。
で、とうとうネット広告がラジオを追い抜いちゃうかもしれないと。

電通のリリースはこちら

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2004/02/19 02:08

2004年02月17日

コミュニケーション術「課題バラシ」

トヨタやキャノンなど“勝ち組企業”の技術者たちは、大きな模造紙で「課題バラシ」を実践し、コミュニケーションを促進しています。 [略] 「課題バラシ」とは、知的業務のコミュニケーション技法です。チーム全体で、アウトプットイメージである「ありたい姿」を見えるようにし、「現状の姿」とのギャップ、つまり課題をばらします。成果は何で、成果の出し方は何かなど、やるべきことがはっきりします。課題はカードに書き出してドンドンばらしていき、模造紙に配置します。 ターゲットや課題、役割を見えるようにして、手順や日程を固めるのです。
多分、この手のコミュニケーション実践に最も重要なのはファシリテーターの役割だろうなぁと思う。「課題バラシ」みたいなコミュニケーション技法は「技法」としては重要で、たしかにうまくいけば何かしら改善につながっていくには違いないが、実践のためには、こういったミーティングをひっぱっていくリーダー、先導役の力量が問われる。 これらの専門能力も必要となるだろうなぁ。

「課題バラシ」ってのは、ゴールドラット博士の「現状問題解決ツリー」や「クラウド」なんて呼ばれる「対立解消図」を使った問題解決手法と同じようなものだろうか。
これらの手法を社内に導入しようとしたときのネックはやはりファシリテーター的役割の人間の力不足だった。(ボクなんだけど) あとは、ミーティングに参加するスタッフが、これらの手法の前提を理解していなかったということも(これも事前にきちんと教育しなければならないことだったな)。
本を読んだときには、「これはすげぇ」と思い、すぐさま社内に導入しようと思ったものの、そうは簡単には進まない。

バランススコアカードの本か何かで読んだけど、「戦略」の失敗の60%ぐらいが実は「実行段階」にあるらしい。つまり、そもそも「戦術」に落とし込み、実行される前に暗礁に乗り上げてしまうということ。
というようなことを考えると、「戦略」そのものよりも、とにもかくにも「実行」のほうが大事だということか。バットを振らなきゃ、絶対にホームランは生まれない。

話が脱線してるけど、コミュニケーション術やら技法も同じだ。理論や 
、考え方、その手法がもたらすメリットやらは十分理解できても、結局、実行に移せるかどうか、その実行を継続していけるかどうか。ここが鍵なんだろう。

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2004/02/17 14:28

2004年02月03日

マスターフーズリミテッドのマーケティング

マスターフーズリミテッドが特定の犬用ドッグフード「パーフェクトフィット」を発売する。(日本経済新聞)
発売するのは、ミニチュアダックスフンド、チワワ、シーズーの三種類。ミニチュアダックスなら「関節に負担がかかりやすい胴長の骨格と食欲旺盛な性質に対応」なんて具合。
オープン価格で店頭では1キロ入り千数百円の見込み。

うまいなぁと思う。ペット産業自体はすでに飽和に近づきつつあるという報告もあり、今後の人口増減を考えても、国民一人あたりのペット数が大幅に増加するなんてことはありえそうにもない。ということで、まず「ペットフード」での細分化が始まった。特定犬用に特化することで新しい付加価値を生み出そうということか。発売される三種類についても、おそらく精緻なマーケティングデータから設定されているのではないかと思う。
飼い主がペットに投じる金額であるとか、ペットに対してどのように接しているのか、あるいは国内で飼われている頭数、飼っている人の属性傾向などなど。

マスターフーズは、確か「シンプルマーケティング―市場の原点を見極める15の法則」のなかでもマーケティング上手な会社として採りあげられていたと思う。
マスターフーズは「スニッカーズ」の発売元でもあるけれど、それぞれのブランドを完全に独立して扱うことで、「犬が食べるもの」と「人が食べるもの」を一社で扱いながらも、消費者に衛生上の問題や、倫理的なところに考えが及ばないよう上手くコントロールしている云々。

マスターフーズリミテッドのウェブサイトでは、「ペットケア製品」と「スナックフード製品」が混在して表現されている。
「スニッカーズ」や「ぺディグリーチャム」をマスターフーズが販売していることを一般消費者はほとんど知らないだろうから、このウェブサイトに訪れるのは、「マスターフーズ」という会社に関して何かしらの情報を求めているのだろう。

ペディグリーチャムはちゃんと独立したサイトで展開している。「m & m's」も同じく。マスターフーズのつながりはフッタレベルにとどめられており、まったく別々のブランドとして、そのブランド固有の世界観をだそうとしている。
なるほど。このあたりもマスターフーズはリアルでのブランドマネイジメントをうまくサイトの運営に適応しているといえるのかもしれない。

ブランド・エンジニアリン」の中で、片平さんが指摘していたが、たとえば、BMW。BMWは「BMW」というコーポレートブランドでもあるし、BMWのさまざまなシリーズの自動車の総称的ブランドでもある。BMWのウェブサイトで徹底されているのは、そこに「MINI」の影がまったくないことだ。BMWのウェブサイトは、BMWという会社と、BMWという自動車のブランドを求めてくる人に向けられている。また、MINIのサイトにアクセスしてもそれは同じで、そこにはBMWの影は全くといっていいほど排除されている。
「Webサイトはブランドを映す鏡だ」というようなことを片平さんが仰ってた。ブランドの個性の理解や、各ブランドごとの関連性、ブランドと消費者の関係性などをきちんと理解していないと、それをWebサイトに反映できないということだ。

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2004/02/03 10:24

2004年01月27日

IMCは日本の広告を活性化する

宣伝会議3月号の「IMCは日本の広告を活性化する」という青山学院大学教授・商学博士小林保彦さんのコラムは、短いけど日本とアメリカの広告の違いや、IMCの概念がまとまっている。


  • 米国の「Advertising」と日本の「広告」は同じではない
  • 日本の広告は、アメリカのPRであり、日本のSPはアメリカの広告である
  • 日本語の「宣伝」はマーケティングを包括する活動であり、「広告はマーケティングの一機能」ではなく、「マーケティングが広告の一機能」となる。この発想がIMCに近い。
  • 日本にIMC概念が積極的に導入されなかったのは、1つは日本の「広告宣伝」にIMC感覚が内包されいたこと、2つめはマスメディア取引市場が自由でなく、広告会社、広告制作会社、媒体社の諸機能を企画に合わせて選び合わせることができないこと、3つめは日本では1業種1社が根付いてないので米国型IMCの導入は広告取引の問題を明らかにしたから。

コミュニケーション体系がツリー図でまとめられている。
コミュニケーション(訴求)は大きく、経済的訴求(企業の訴求活動)と宣伝・Propagandaにわかれる。宣伝・Propagandaは、経済的な訴求に対して、政治や宗教、教育という領域だ。
経済的訴求はさらに、「4Pのプロモーションに該当する「販売訴求」と、企業全体を伝えていく「全経営的訴求」となる。販売訴求は「個別的販売訴求」(マスメディアを使わない、人間による販売メッセージ伝達)と「集団的販売訴求」(マスメディアによる不特定多数への大量伝達)に分かれる。」
一方、全社的訴求(PR)は、「社内広報」と「パブリシティ」(外部意向形成/世論形成)という下部構造を持つ。
これがコミュニケーション体系のツリーだ。
このツリー上の、「経済的訴求」を根とする一連の構造が「IMC」(統合型マーケティングコミュニケーション)と位置づけれられている。
確かに、このようなツリーからIMCを考えてみると、日本の「広告代理店」が担っていた領域は、ほぼこれらすべてであり、電通のスローガンの通り、日本の広告、宣伝には「コミュニケーション」という考え方が前提としてあったことが良くわかる。

著者は1990年代の経済環境の変化、メディアの多様化、消費者の変質などがIMCの再評価を迫ったと書き、現代におていは既存メディア思考を超えたメディアプランニング、「メディアニュートラル」現象がIMCを必要としているとする。
IMCの本格的な導入は、日本の広告業界に「プランニング志向性」を根付かせることになるだろうか。メディア発想ではなく、プランニング発想。広告会社だけじゃなく、当然クライアントも変わっていく必要があるだろう。その変化は広告会社にとっては今までの既得権益を蔑ろにして、自らの首を絞めるような行為になる可能性だってある。
でも、タグボートをはじめとして、電通や博報堂を独立した優秀なクリエイターたちの成功は、この業界が変わろうとしつつある予兆なのかもしれない。

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2004/01/27 01:24

2004年01月26日

電通がデザイナー集団

電通が社内のデザイナーを集めた専門組織を設立したんだって。(日本経済新聞)

二月初旬には電通のホームページにインターネット上の仮想オフィスを設置、社内で横断的なチームを組んで、顧客企業の要望に柔軟に対応していく。
専門組織「デンツウ・デザイン・タンク」はまずデザイナー十三人で発足し、二月から本格的に活動する。

電通内クリエイティブエージェンシーみたいなものかな。

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2004/01/26 11:32

新卒向けウェブサイトのシーズン

今日の日本経済新聞の第二部は「新卒就職」の特集だ。
これはもちろん広告なのだろうが、掲載されている企業の採用広告を見ているといろいろ参考になることが多い。
たいていの広告は、採用ページへのURLを記載しているが、このURLのパターンだ。

xxxx.co.jp/saiyou/

というように、ディレクトリ名を「saiyou」としている会社が多いようだ。他には「job」「jinji」「recruit」などがある。自社サイトへ誘引するなら、「saiyou」の方がいいような気がする。「recruit」ってのは綴り間違いしそうだし。一番多いのは、おそらく会社名で検索して、検索結果からコーポレートサイトに行って、そこで「採用情報」のリンクを探すってパターンだろう。この場合には、会社名で検索して上位にヒットしてくることはもちろん、採用セクションへの導線はきちんと確保しておきたい。

URLで変わったものだと、みずほフィナンシャルグループが、「www.mizuho-jinji.net」というドメインでグループ会社をまとめた採用サイトを立ち上げてる。

NECソフトのURLは、
necsoft.saiyo.jp/2005/
だったので、saiyo.jpドメインで、NECグループがまとまってるのかなと思いきや、この「saioy.jp」は新卒採用ソリューションなどを提供している会社のものだった。つまり、その会社にアウトソーシングしているということだろう。

じゃぁ、NECはどうかな、と見てみると、新卒採用会員制サイトReal City 2005をたちあげている。どういう内容のサイトかは表向きではわからないけれど、確か以前新卒採用サイトランキングか何かで学生から高い評価を受けていた記憶がある。

SONYなんかは大学生向けに「StudentsGate.com」なんてものをたちあげてる。ソニーグループ全体として、新卒大学生との接点を確保しているわけだ。

三井住友銀行は「Web Banking College」。金融を学ぶインターネット大学というものをメタファーにしている。内容は受けていないのでわからないけれども、学生からの評判も良いようだ。NECと同じく、こちらも新卒採用サイトのランキングでは高いランクだったと思う。

大手企業では、新卒採用用に独立したサイトを構築して、学生とのコミュニケーションをはかっていくというのがトレンドのようだ。結果的に「不採用」になる人たちというのも企業にとっては重要なステークホルダーだろう。たとえ不採用でも良い会社だという印象を抱いてもらえるのと、「あの会社は最低だ」と思われるのでは大きな違いがある。

2005年春卒業予定の大学三年生を対象とした就職希望調査では、1位がJTB、2位サントリー、3位トヨタ。意識調査だと、男子はキャリアップ志向、女子は社会貢献のできる仕事に就くことを望んでいるという結果。

男女別でいくと、男子は1位トヨタ自動車、2位ソニー、3位富士通。女子は1位JTB、2位全日空、3位JALとなる。随分違うね。

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2004/01/26 11:15

2004年01月23日

IBM CRMを全世界で導入

「米IBMが全世界で顧客情報管理(CRM)システムによる営業改革に乗り出した」という記事が日経産業新聞に。

CRMを導入しただけでは、営業効率化には直結しない。導入前の段階として、営業活動の初期段階から商談成立に至るプロセスの定義を全IBMで統一。システムを有効活用するため、入力する言葉の意味をそろえた。

CRMってそもそも「営業効率化」を目指すものだろうか?結果的に営業の効率化につながればいいけど、本来の目的はそこじゃないだろう。この記事では、営業活動の効率化や、営業情報を一元管理して社員で共有を情報するなど、IBM側のメリットを中心として書かれているけど、それらは目的じゃないような気がするけどね。
CRMの話ではなくとも、商談プロセスの定義の統一とか、言葉の意味をそろえるとか、そういうことは必要なのだろうけど。(ただそういう「統一」が必ずしも顧客側の利益と結びつかなかったりすることも多いのだろうけど)

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2004/01/23 09:45

ランチェスター理論からの人生必勝の法則?

随分前に読んだ本だけども、「小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略」の最後の方に「人生の成功方程式」ってのがでてくる。

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略

ランチェスター理論の第二法則「攻撃力=兵力数2×武器性能」を仕事や人生に応用するとどうなるかと考え、「y=ax2」って公式を考えたそうな。
「y」は仕事の成果、[a」が素質、そして「x」が時間。
つまり、「成果」は「素質」×「時間」の2乗。これに「過去の実績・b」を足すと、それが人生の法的式になるのではないかと著者は考える。

y(人生)=a(素質)×x2(時間2)+b(過去の蓄積)

「a」は自分の才能や能力ってことになるわけだけど、ランチェスター理論から考えると、けっこう厳しいことが書かれてる。

自分が100人中10位だったら、順位評価でいくと上のほうにみえるでしょう。でも、10位は経済的な力では真ん中あたりなんです。自分の順位が20位だったら見た目は上ですが、実際は中のしたになるんですよ。60位だったら中の下ですが、経済的には下の下。これを「番外」と言います。
才能を経済的に評価すると、100人中3位以下には価値がないのです。

「パレートの法則」で考えてみると、こういうことになってしまう。

「b」には、1.親の財産、2.親の七光り、3.親の事業相続、4.自分のお金、5.不動産、6.学歴などが考えられる。

で、考えて見ると、たいていの人は「a・才能」も「b・過去の蓄積」もない。

aもbも定数で変えることはできない。それでも「y・人生」をより良く送るにはどうしたらいいか。
あとは、xを上げていくしかありません。x=努力=時間。これはいくらでも、自分の意志で上げることが可能なのです。しかもxは2乗になる。
つまり、aもbもなく、それでも人並み以上の成果を望むなら、長時間労働は不可欠なのです。

こんなこと言っちゃったら「お上」のお咎め受けるんじゃないかとちょっと心配なんですが、著者はアメリカ・コロンビア大学のバーナード・O・コープマンがシミュレーションして求めた必勝の法則を例に出す。それは、約3倍を投入するとたいていは勝てるって理論(理論なんだろうか?)
つまり、人の3倍働けばビジネスで成功するってことです。
じゃぁ3倍とはどれぐらいか? 1日7時間労働が平均なら、xは2乗になるので、ルートをかければいい。

7×(ルート3)=12時間

ということで、12時間働けば勝てると。
これを「日」で考えた場合には、中小企業の平均1850時間にルート3をかけて、3200時間ってことになる。

4倍の圧勝型が3700時間、5倍の決死型が4140時間となります。
自分はどうも人より才能や実力が劣ると思った人は4140時間。
これを10年から15年続ければいいのです。

この方程式で勇気付けられて前向きになれる人もいれば、こんな大変なことをしなきゃならないならそれは「良い人生」じゃないんじゃないの、と悲観的になる人もいるだろう。人生をこんな方程式で表すこと自体がバカバカしいし、意味ないことだと考える人もいるだろう。でも、好きな仕事や好きなことなら、多分、これぐらいは平気じゃないと駄目な気もする。(それで「成功」するとか「勝つ」とかそういうことはどうでもいいっちゃいいんじゃないか)
といことで、結局は、これだけの時間を投入しても平気なぐらい好きなことに取り組めれば「良い人生」が送れるってことじゃないかと。好きなことしてりゃ、睡眠時間削ってでも、その時間はとりたいって思うもんなぁ。

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2004/01/23 01:11

2004年01月21日

Relevant(レリバント)

2月の宣伝会議に電通の原野守弘さんが『「インターネットマーケティング」から「統合マーケティング」へ』というコラムを寄せている。

このコラムのなかで、原野さんは、最近注目されているマーケティングキーワードとして「Relevantレリバント)」という言葉をあげている。

分かりやすく言えば「消費者が望む情報を、望まれているかたちで、"適切に"提供する」というような意味である。
コンシューマーコントロールの時代においては、消費者自らが、自分の見たい「情報」や「広告」を選ぶ。したがって、これまでのような"(広告主が)言いたいことをキャッチフレーズにして届ける"、というような単純な仕掛けでは、もはや消費者に振り向いてもらえる可能性は極めて少ないと言わざるを得ない。

Relevantという言葉は、まったく意識してなかったんだけども、意識してみて見ると、けっこういろんなところで使われてるんだなと。某飲料メーカーの副社長が今後の時代の消費者との関わり方を「Relevant to Consumers」なんて言ってたり、2003年1月の読売ADレポートに「この広告は私のことを言っているなと感じる広告が最高の広告だ」というドラッカーの言葉をRelevantの概念として持ち出してきたり。

新しい考え方や認識の仕方が広がるには、言葉が広がらなきゃならなくて、その言葉が広がれば、その概念はなんとなく理解できるようになる。Relevantって言葉の概念は日本語では言い表し難いけれども、こういう言葉が広まれば便利だろうなぁと思う。クライアントと打ち合わせするときにもこの言葉だけで意志疎通が図れたりすると楽だろう。もちろん多くのクライアントはこういった概念をすでに理解しはいるのかもしれないけれど。

コミュニケーションを構成する「メッセージ」と「コンタクトポイント(TM)」─ブランドと消費者の全ての接点」の最適な組み合わせを、ターゲット消費者に対してRelevantな形で再構成する新しいプランニング手法が求められているのである。

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2004/01/21 14:50

2004年01月20日

TDK、調達先2000社 診断

TDKは内外の資材調達先二千社を対象に企業診断を実施し、診断結果に基づく技術指導を始めた。品質や環境対策など九分野、四百項目を超える調査票を送り、回答を集計して評価が低い点は調達先と一緒に問題解決に取り組む。(日本経済新聞)
まず、TDK側が作成した調査票を送って回答してもらったうえで、各分野の達成度合いに応じてA~Eまでの五段階で評価を算出。その後はTDKの担当者が直接訪問してTDKの評価も行う。A、Bは合格。Cは条件付合格。D、Eは不合格。でもすぐ取引停止ではなく、改善に向けて必要に応じ、TDKの技術者が無償で指導にあたるなど、改善のノウハウ提供なんかも行っていく。

大手広告会社や印刷会社、あるいは小さなデザイン会社やシステム会社を束ねたりしてプロジェクトを進行させる大手制作会社なんかも、こういう姿勢は求められるんじゃないかと思う。サービス業だから出来ないってことはないだろう。納期や環境、サービス、技術、品質を管理していくだけではなく、駄目なところを一緒に改善していくって考え方も必要だろう。

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2004/01/20 09:17

2004年01月19日

第一生命:企業融資担当者全員のHP開設

第一生命は一月から、資産運用部門で企業向けの融資を担当してい職員全員の専用ホームページを立ち上げた。経済指標など融資先の役立つ情報に加え、趣味など職員本人についての情報も発信するのが特徴 (日本経済新聞)
日本旅行も個々の営業担当者がHPを通じて営業を行うってのをはじめてる。

日本旅行も確かそうだけど、第一生命のほうも閲覧できるユーザーが限定されているので、どんなものかわからないのが悔しい。デジタルを利用してアナログのリレーションを強化する。それは単純に「効率」を求めるためではなく、むしろアナログ以上に親密なコミュニケーションをはかるためじゃなきゃ駄目。
僕はこういう取り組みは単純に面白いと思う。僕がクライアントだったら、やはり担当者のホームページは見ると思うし。

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2004/01/19 09:36

コンビニ配送車に広告

日本経済新聞。
三菱商事と凸版印刷がローソンと組んで、コンビに配送車を広告媒体にする事業を始めるとのこと。平均で媒体制作費も含め年間100-150万年程度。初年度売上目標は四億。

ラッピングバスなんかと同じだね。ほんと椎名誠の「アド・バード」みたいな世界が近づいてるのだろうか?

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2004/01/19 09:27

2004年01月14日

変な広告:電即納

今朝の日経産業新聞にアルプス電気のインターネットオーダーシステム「電即納」というサービスの広告が掲載れている(関西版だけかもしれないけど)

その広告はこんな感じだ。
「Webでの検索キーワードは・・・」という見出しに、キーワード入力フォームらしきものが3つ縦に並んでいて、それぞれに「でんそくのう」「電子部品」「通信販売」という言葉が入っている。

何のサービスかはさっぱりわからないけど、これはこのキーワードで検索を実行してみろ、というメッセージかと思い、試しにGoogleで検索をかけてみた。
「でんそくのう」で検索すると、アルプス電気のプレスリリースがヒットする。プレスリリースに書いてあるURLは「http://www.alps.co.jp/densok/」だが、「ページが見つかりません」だ。「電子部品」では7位にアルプス電気のサイトがヒット。しかしこれは「電即納」のサイトではない。「通信販売」は当然期待していなかったけど、予想通り。いちいちぐーまにとか使って調べるのも面倒なので調べてないが、少なくとも20位以内には表示されない。検索するサイトを間違ったのかと思い、Yahoo!JAPANでも、検索してみたが結果はほぼ変わらず。

結局、「www4.alps.co.jp」というURLを打ち込んで見てみることにした。
なるほど。このページの検索フォームに、こういうキーワードを入れて検索してみなさい、ということだったのか。と思いつつ、3つのキーワードで検索を実行してみたが、「通信販売」以外では0件。なんじゃこりゃ。

この広告はいったい何を言いたい広告なのだろうか?
「電即納」がどんなサービスかということも一切わからないし、且つ、そのメッセージが何を伝えようとしているのかもわからない。まぁ、アルプス電気ということで、なんとなく想像はつくのだろうけど、しかし、こんな広告意味あるんだろうか?
ものすごい金の無駄使いだろう。これは。

商品やサービスがテレビなどのメディアで放送されるタイミングをはかって、Google ADWordsやOverTureなどのキーワード広告を購入するって手法は、今後増えてくるだろうなと思ってたけど(特に、「あるある大辞典」や「思いっきりテレビ」で紹介されるときに、その商品を販売しているなら、キーワード広告を買っておけば効果は高い。でも同じこと考えている人はいっぱいいるだろうけど) 、テレビ以外でもこの手法ってのはいろいろ使えるんじゃないだろうか。URLを打ち込むよりも、ある言葉で検索するほうが楽な人も多いだろうし。

キャンペーンなどでよくやる穴抜き広告を、キーワード広告に使うって方法なんかもあるかもね。記憶させたい特殊なキーワードをキャンペーン直前に購入しておくとか。(でも、数集めたいキャンペーンとかでAdWordsとかはどうなんだろね。PPCって安上がりなんだろうか?)

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2004/01/14 10:17

「観光地」つながりで思い出した事例【メモ】

今朝は小雨まじりの雪。バスで40分ぐらいかけて出勤してきた。
久しぶりにバスだったのでぼーっと考え事をしてたら、ふと、昨日の「観光地のブランド力診断」のつながりからか、観光地や国、地域といったもののブランディング事例を思い出した。思い出したとはいっても、あの本のどこかに、どこかの国のブランディング手法が載ってたな、というレベルでしか思い出せなかったんで、その本にあたってみた。

その本とは、「あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス」だ。

あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス

この本のなかの『便益ポータル』という章で、「ジャマイカに米国の旅行者たちをいかに集めるか」という課題の例が載っている。

当時カリブ海はリゾート地としてはあまり知られていなかった。ジャマイカは多くの魅力を有する観光地ではあったが、ほとんどのアメリカ人にとって、南海の一国にしか映らなかったのである。
そこで考えられたのが、ジャマイカにハワイのイメージをダブらせる方法だった。

「ジャマイカ、それはカリブ海のハワイ」

というコンセプトが開発された。


あらかじめ良いイメージや感情を抱いているものに「商品」をだぶらせることで、わかりやすく且つうまく感情を刺激するようなコンセプトを考え出したというわけだね。なるほど。


■テッピングポイント

ブランディング事例ではないけれど、「ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか」のなかに、ニューヨークの犯罪率が下がった話がある。

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

1980年代のニューヨークでは平均して年に2000件以上の殺人事件と60万件以上の重犯罪が発生したが、1992年に約62万件の重罪事件を記録してから、その後5年間で殺人事件の発生件数は64.3%も落ち、重罪事件の数もほぼ半分の約35万件にまで低下した。つまりある臨界点を超えて、著者の言葉を借りれば、「一気に何かが傾いた」のだ。

著者はこれを単に雇用、経済が安定したことではなく、犯罪の蔓延が伝染病として生まれている背景から、犯罪率が一気に低下したのは「背景の力」だと考える。

感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する

そして、著者は、犯罪学者のQ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した「割れた窓」理論を引っ張ってきて、ニューヨーク地下鉄の「落書き清掃作戦」と「無賃乗車の撲滅」が「きっかけ」をつくりだした一つの要因ではないかとする。「落書き」や「無賃乗車」といったものが、
さらに深刻な犯罪を誘発する合図、無秩序を象徴する小さなしるしだと信じていたのである。

こういった取るに足らない小さな犯罪の取り締まりが、巨悪犯罪激減のテッピング・ポイントだったのではないか、と。
「割れた窓」理論と背景の力は同一のものである。どちらも、感染現象は直接的な環境の些細な要素に手を加えることによって、それを反転させ、一気に傾かせることができるという前提にたっている。

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2004/01/14 09:36

2004年01月13日

企業ブランド構築支援サービス

(日経産業新聞)

新サービス「ブランドシンク」は、まずグラムコが顧客企業の持つ商品やサービス、会社自身のブランドイメージにあった商品の展示方法や店舗デザインについて助言する。
その上でスカイライトが消費者との接点となるホームページの作成支援などブランド浸透に役立つIT戦略について指導。

ブランディングとIT。初年度で1億5000万円程度の売上を見込む。
こういう提携のパターンってのは今後も増えてくるのかな。アクセンチュアとメンバーズの提携とかも似たようなもんだろうし。
でも、どちらのページを見ても、いまいち説得力ないんだけどなぁ。

スカイライトコンサルティング(トラコスの子会社)
グラムコ(ブランド構築支援業務)

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2004/01/13 11:20

観光地のブランド力診断

日本経済新聞
博報堂が観光地のブランド力を評価、診断する手法を開発したとのこと。
この手法で評価したら、「京都」が首位だったらしい。二位以下は沖縄、札幌、神戸、富良野の順だって。(富良野が入ってるところからしても、メディアの影響はものすごく大きいんだろうな)
うーん。「そうだ、京都へ行こう」キャンペーンのおかげじゃないかとう気もしなくはない。

消費者に各観光地について「見たいものはあるか」「周囲の人の評判は良いか」「宿泊施設は快適か」など約15項目を聞く。消費者がどの項目を重視しているかの重み付けを加えることで、観光地が消費者の期待にどの程度応えているかを分析する。

調査リポートは1万円前後で販売するとのことだが、当然、博報堂はそんなものを売って儲けようなんて気はない。地方自治体やらからブランディングの仕事をとりたいのだろう。

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2004/01/13 11:00

窓販拡大 商品多彩に

日経新聞の「ニュースがわかる」で大手銀行が証券会社との共同店舗を広げているという記事。

これまでの共同店舗といえば、一階に銀行、二階に証券、隣接ビルに信託といった形式が多く、銀行に立ち寄った後に、他のサービスを受けるのに、階段を上ったり別のビルに足を運んだりする必要があった。三菱東京の新拠点「MTFGプラザ」ではレイアウトを利用者の視点にたって大きく見直した。
一階は振込などを「すばやく手続き」するフロア。二階は資産運用からローンまで「ゆっくり相談するフロア」。三階は富裕層向けの「じっくりコンサル」のフロア。銀行、信託、証券の営業担当者が各階で共同で顧客に対応する。

UFJや三井住友は証券仲介業務の解禁をにらんだ店舗戦略。つまり解禁になれば、共同店舗なんて必要なく、銀行窓口でそのまま株式を扱えるわけだ。

どちらにしても、銀行がたんなる銀行から「金融総合サービス」に変わろうとしている。そして、そこには利用者の視点にたった商品の組み合わせや、店舗設計やオペレーションが必要とされる。単純にこれは良いことだと思う。「護送船団方式」が崩れ(といっても完全に崩壊したわけじゃないだろうけど)、ようはく本格的な競争時代に入り、銀行もずいぶんと変わってきたなぁと思う。ドラッカーは競争がない業界は衰退するというようなことを言っていたけど、今までの銀行ってのはまさにそうだったわけで、今後は証券、生保などとも競合していくことで、サービスはどんどん改善されていくだろうな。それは生保、証券側でもそうだろうし。

さて、これらはウェブではどのように表現されるだろうか。東京三菱のフロア設計のように、利用者のニーズや行動にそった形で設計されるのか、それとも「銀行」「証券」「保険」といったようにわかりやすく商品・業務単位を切り口とするのか、はたまた...

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2004/01/13 10:51

2004年01月09日

ネットの影響力は?

1月1日の日経産業新聞を読み直す。

メモ。ネット調査。1000人の10代に聞いた。

「新しい音楽情報をどこでチェックするか?」(複数回答)は「テレビ番組」が63.3%で最も多いが、「ネット(パソコン)のサイト」も51.8%で迫る。「雑誌」「テレビCM」に加え、「友人の口コミ」が三割を超えたのも目立つ。
1970-80年代ごろはラジオの深夜放送やFM放送が音楽の情報発信地となっていた。今回の調査では、「ラジオ」を挙げた人は「レコード店」より少なかった。

ネット調査なんで、バイアスがかかってるのは間違いないけど、
「平日、自宅で暇な時に最も多くしている事」では「パソコン」が55.5%と圧倒的に多く、「テレビを見る」は13.5%にとどまった。

とのこと。

僕は仕事と生活がほとんど混在しているので、暇な時でも「パソコン」してることのほうが多いけど、僕の同居人もやはりそうだったりするのには少し驚いた。(共同生活で一番驚いたのはそのことだった) 同居人は「パソコン」の仕事をしているわけでもなく、「ネット」に特に詳しいわけでもない。でも、同居人の行動を見ていると、家にいて暇なときには、「ネット」「本」「テレビ」を万遍なく楽しんでる。10代ではないけれど、そんな同居人の行動を見ていると、なんとなく「テレビ」の影響力って落ちてるんだろうなぁと感じずにはおれない。

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2004/01/09 15:20

2004年01月07日

JTBの体験型パッケージツアー「ファーブル」

環境や歴史をテーマにしたJTBの体験型パッケージツアー「ファーブル」の売れ行きが好調だ。中心価格が約11万円と比較的高い価格設定にもかかわらず、2003年度の集客数は前年度の2倍の2000人に達する勢いだ。 (日経産業新聞)
へぇ。国内旅行ってそもそもパッケージツアー離れが進んでるのに、これはすごい。 テーマの掘り下げや、「旅行」という体験全体をこのテーマに最適化する、デザインすることできちんとヒット商品ってのは生まれるのだね。
  • 現地の事情に詳しい専門家が同行する
  • 参加人数は最大18人
  • 旅行に同行する専門家を講師に参加無料のセミナーを開催し、専門家が同行するうことの効果を体験してもらう
などなど。

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2004/01/07 10:03

2004年01月06日

スゴ録でシェア1位?

ソニー、DVDレコーダー市場でトップシェア35%を獲得

[東京 6日 ロイター/ソニー、DVDレコーダー市場でトップシェア35%を獲得


まじで? PSXじゃなくて「スゴ録」で。
これはちょっとびっくりした。ついこないだまで、ほとんど「負けムード」だったのに。
もともとコクーンを買おうかどうしようかと逡巡してたような僕のような人間にとってはスゴ録は確かに魅力で、ようやく「買ってよし」と肩を押された感じがする商品だったけど。そういう人が多かったのだろうか。

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2004/01/06 19:41

2004年01月04日

ドッグヴィル CMコンテスト

ブレアウィッチ・プロジェクトの成功の例を持ち出すまでもなく、映画のプロモーションと、インターネットは親和性が高い。
2004年2月に公開される『ドッグヴィル』のプロモーションも面白い。

Infoseekとタイアップして、「ドッグヴィル CMコンテスト」なるものを展開している。

ニコール・キッドマン主演で2004年2月に公開される『ドッグヴィル』の15秒CMを一般の方から募集いたします。今回選ばれた4作品は、なんと本作の公開前後に『ドッグヴィル』のCMスポットとしてMTVにて実際にオンエアーされます。選出された4作品については「infoseekムービー」で紹介、一般の方からの投票でグランプリ1作品を決定させていただきます。

CM作成用の静止画素材や動画素材、音声素材が用意されていて、これらを使って15秒のCMをつくろう、というわけだ。なるほど、このプロモーションには、Adobeものっかってて、動画素材なら「Adobe(R) After Effects(R) や、Adobe(R) Premiere(R) を使用して自由に加工して使用してください。」なんて。

「ドッグヴィル」という映画が「黒い床に家と道を表す白線が引いているだけ」のセットを使った映画であり、今までの映画表現とはまったく違うものらしいことから、その映像の斬新さを話題にさせることを考えたプロモーションかな。映像作家、映像作家予備群、映像編集などに興味ある人達を惹き付けることで、これらの層への口コミ誘発や、話題喚起を狙ってるんだろうか。パブリシティにものりやすそうだし。うまいなぁ。

映画は、写真だけを見ていると、なんか舞台劇を映像化したような感じに思える。
コンテストの斬新さから興味もってページを見たら、この度は、映画の映像表現の斬新さに興味が移り、今はむしょーに観たくなってる自分がいる。これはまんまとプロモーションにはまったといことか....

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2004/01/04 23:03

2003年12月30日

博報堂、広告の効果媒体別分析

昨日の記事だけど。

博報堂は消費者とマスメディアや店頭、インターネットなどの様々な広告媒体(接点)が、それぞれどの程度影響力を持つかを分析する事業を始める。
[ 略 ]
新手法「タッチポイント・アナライザー(接点分析)」は広告展開の前に消費者との接点ごとの影響力を分析し、広告した後にも影響力を測る。
(日本経済新聞)

「タッチングポイント」か。「コンタクトポイント」って言葉は電通がとってんのかな。
んなことはどうでもいいんだけど。

地上派デジタルが本格化したり、ハードディスクレコーダーなんかが広がっちゃうと、ゴールデンタイムって概念もなくなっちゃうだろうし(もう既になくなりつつある?)、CMは飛ばされるのが当たり前になるかもしれない。(放送業界側もなんとかしようと、仕様をつくろうとしているのだろうが)
そうなると、TVCMどかーん、マージンがっぽりみたいなビジネスってのはそもそも立ち行かなくなる。少なくとも日本の現大手広告会社の売上構造は、やはりここに頼っているわけで、これはすごく危険だ。だからこそ各社は、「ブランディング」というキーワードを掲げ、企業の経営の中心にまで入り込もう(入り込みたい)としているのだろう。(その意味では、広告会社とコンサルティング会社は競合でもある)

ブランディングの考え方で大事なことに一つ「接点管理」というものがある。
これを電通は「コンタクトポイント」と呼び、博報堂は「タッチポイント」と呼ぶ。呼び方は違えど、同じようなものだ。

「接点」はもちろんメディアだけとは限らず、コールセンターの対応やら、商品のパッケージ、それこそ社員の言動、態度といったことまで含む幅広い概念だ。

これらを「最適化」(最適化ってのも抽象的だけれど)して、ブランドを損なわないようにしましょうー、ブランドアイデンティティを強化していきましょうー!ってのが、今後の広告会社の主力事業だ(と言われている。)。ある意味これはコンサルティング会社が担っていた領域でもあるわけで、その意味では、今後はますます広告会社がコンサルティング会社を買収したり、また逆にコンサルティング会社が広告会社を買収するなんてことが起きるだろう。
(そういえば、コンサルティング会社がワンダーマンを買収しようとしたことあったんじゃなかったけ? 逆だったけな?)

今回の博報堂の商品は、そういった流れのなかで、まず複数のメディアへ適切な予算配分をするための効果予測を行うということを目指した商品だろう。少なくとも4マス、特にTVが圧倒的な力を持っていた時代にはこんな商品は必要はなかった。
生活者の断片化、細分化が加速するなか、当然ながらメディアプランニングも、ターゲットや商品特性、ROIを踏まえて行わないと、お金をドブに捨てることにもなりかねない。広告主もTVCMだけやっとくなんて安易な選択はできない。広告会社にとっては大変なことになってきたものだ。

もちろん、今まで広告会社がそういったことをやっていなかったというわけではなく、今までより、複数メディアを組み合わせなければならない必然性が現前化してきたということだ。

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2003/12/30 19:05

2003年12月25日

うたい文句競い合う

IBMは「eビジネス・オンデマンド」
日立は「ハーモニアスコンピューティング」
富士通は「トリオーレ」(ドイツ語で三連符の意味。サーバー、ストレージ、ネットワークの三種類の製品を統合することをめざす)

コンピューター大手各社が掲げる情報システム事業のコンセプト。
(日経産業新聞より)

「顧客から見て分かりやすい包括的な事業ブランドを設ける必要がある」ってことで、各社が自社の事業の一言で明快に表す言葉を商標登録し、広告や講演などで訴えはじめたとのこと。

標語看板をたくさんつけたら交通事故が減ったなんてニュースは聞いたことがない。同じようなものではないか。もちろん事業ブランドを一言であらわすような言葉は重要であるには違いない。言葉があれば、曖昧な概念もなんとなく、「そういうものか」という諒解と同意を得ることができるからだ。でも、それがブランドかどうかというのはまったく別問題だろう。名づけ得ぬものはブランドにはなれないだろうが、名づけて流布すればブランドになるというものでもない。

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2003/12/25 09:36

2003年12月16日

ドコモ AOLとの合弁解消

日本経済新聞より。
ドコモAOLの全株式も年内にはタイムワーナーのネット事業部門に売却だって。
合弁のニュースが流れたときは、AOLジャパンもなんとかなるなと思っていたけれど、ほとんど意味がなかったなぁ。特に目立った動きもなかったし。

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2003/12/16 08:48

2003年12月13日

悩み解消アフィリエイト

悩み解消アフィリエイトで成功![起業・独立開業]All About Japan

悩みドットジェイピーってのはうまい。

売上向上の秘訣。

タイトルに入れる言葉は、ズバリ、悩みそのものを。サブタイトルで「ぜひ買いたい!」と思わせるキーワードを入れます。たとえば、タイトルが「足のニオイ、解消」なら、サブタイトルは「忘年会 お座敷シーズン」といった具合ですね。

「足のニオイ、解消」と「忘年会、お座敷シーズン」ってのを組み合わせたりするのはなるほどですね。
サブタイトルで、悩みを顕在化させたり、時節制を出すことで、「今、買わなきゃ」と思わせるわけですな。


脱線するけど、
悩み解消系の商品は、そもそも商品名のインパクトも大事。小林製薬の商品なんてこんなこといっちゃ失礼だけど、ネーミングだけで注目を集めてる。

レナウンがはじめて抗菌防臭加工の靴下を「リフレッシュライフ」なんて名前で売り出したときは、まったく売れなかったそうな。ところが、商品名を「通勤快足」にしたとたん爆発的に売れた。単純なもんですな。

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2003/12/13 22:00

2003年12月12日

CB(コーポレートブランド価値)

企業ブランド価値ランキングが発表されてた。
一橋大学大学院教授の伊藤邦雄教授と日本経済新聞社が協力して開発したコーポレートブランド価値評価モデル「CBバリューター」を使い、主要企業680社のCB価値を測定....

原発のトラブルやなんかで東京電力が減少額が一番大きく、
増加額では、1位キャノン、2位ホンダ、3位武田薬品。そして日産自動車、トヨタ自動車、松下電器、ローム、マブチモーター、ブリヂストン、HOYAと続く。

価値ランキングでは、2年連続でトヨタが1位。

1(1)トヨタ自動車
2(2)NTTドコモ
3(5)キャノン
4(3)ソニー
5(7)ホンダ
6(4)NTT
7(8)武田薬品
8(6)セブン-イレブン
9(9)任天堂
10(11)ローム
※カッコ内は昨年順位

トップ10をみると、SONY、NTT、セブン-イレブンがダウン。減少額1位だった東京電力は前年10位から、11位へと。トップ10を逃した。

なんか、納税ランキングやCDセールスランキングや、そういったものを見る感覚と同じだなぁ。これはよく言われることだけれど、この手のランキングとかっては、この発表やランキングそのものがもたらすポジティブ価値、ネガティブ価値を計算に入れてないからなぁ。(それほど影響力ないかな。)

日経産業に「CBバリューター」の調査の仕組みが買い左折されている。
CB価値はそもそも、「ブランド力を源泉として将来得られるキャッシュフローを現在価値に置き換えたもので、」「CBスコア」「CB活用力「CB活用機会」の3つを基本要素として算出されるらしい。

CBスコアは、「優良な顧客・従業員・株主をどれほど多くかつ長期的にわtって引きつけ、つなぎとめておくことができるかを示す」
顧客、従業員、株主という3つのステークホルダーを「プレミヤム」「認知」「忠誠度」という軸で測定し、それぞれの値を乗じるらしい。たとえば、「顧客」におけるプレミヤム指標としては売上高営業利益率を採用した、とある。

他、「CB活用力」「CB活用機会」についてもそれぞれ数値化してるわけだけだ。

少し話しは変わるが、WEBでもGomezのランキングや、大和インベスターリレーションズだったかどこかがやるIRサイトランキングなんてものがあって、毎シーズン、毎年発表されている。

時々こういったランキングの悪い側面が出る。ランキングを出す以上、いちおう何かしら採点が行われ、そこにはヒューリスティック的な採点項目が設けられる。この採点項目がやっかいで、細部の積み上げが、全体を構成するという構造になっちゃってる。
で、お客さんからは、「どうしてもランクをあげたいので、これとこれとこれを対応しなきゃならない」という相談がきたりする。でも、実は、単純に細部の積み上げでつくられたウェブサイトが全体として価値を持つかというと、必ずしもそうじゃなかったりする。というかほとんどの場合、そうではない。

よい点をとるために、あるチェックポイントをクリアしていくことはできるのだけれど、それらの基準を全部クリアしても、良いものができない。

CBバリューターの評価基準を知ったからといって、各企業がその指標を改善しようと、奔走するかというと、当然、そんなことはないのだろうけれども、この手のランキングや指標化ってのは、結局のところ「結果」から分析されたものにすぎず、仮にこの指標の改善を全部やったところで、その企業のコーポレートブランドが強化されるとか、価値が増大するとか、そういう単純なものでもないだろう。

企業ってのは経済合理性だけで動いてるわけじゃないし、それはそこに働く人達や、利害関係者もそうだ。ボクは数値化できないものの価値のほうが圧倒的に大きいんじゃないかと思ってて、なんでもかんでも数値化する、できると思い込むのは大きな間違いだろう。

バランススコアカード経営などでは、CSF(Critical Success Factor)をどのように測定するか、数値化するかというのが重要視されているけれども、(数値化できないものは、改善できないという前提がある) ほんとに数値化してその数値を追いかけるだけで「改善」になるのだろうか。数値化されているというのは、あくまでも「カイゼン」や「Why×5」みたいな文化を根付かせるため、その文化を組織のDNAみたいなものにさせるためのフックにすぎず、数値自体が重要なわけではないだろう。

なんかえらく脱線してきたけど、何が言いたいのかというと、要は、数値の上下だけに注目が集まって、その数値をつくりだしている要素のカイゼンだけに目が向いてしまうような事態というのは、意味がないんじゃないかということだ。

(バランススコアカードの場合のCSFの数値化に関してはちょっと違うんだけど)

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2003/12/12 09:57

2003年12月01日

ホームページの効果 企業の8割り検証に悩む

日本広告主協会のWeb広告研究会が同協会加盟社を対象に実施したHP運営状況調査で、回答企業の約8割がHPの効果検証に悩んでいる実態が浮かび上がった。
(日本経済新聞)

物販系なら指標は明快だが、ブランド訴求、商品宣伝などの効果についてはよくわからないということか。

日本ブランド戦略研究所がWebサイト価値ランキングを出している。5月22日の日経産業新聞に掲載されていた記事を読むと、、、

売上への直接貢献はサイトで取り扱う商品の売上高に粗利益率を乗じて算出。広告媒体としての価値はページ閲覧数に雑誌広告を参考にした広告単価を乗じて計算。販促媒体としての価値はサイトの登録会員数にメール広告単価などを乗じてはじき出す。

ということで、

  1. 投資額
  2. 売上高
  3. 粗利益
  4. ページ閲覧数
  5. 登録会員数
  6. メールマガジン発行数
  7. 顧客からの問い合わせ件数
などから、Webサイトの経済価値を測るらしい。

しかし、これで算出できる「価値」と、上で「検証に悩む」と言っている人達が考える「価値」とは微妙に違うのではないかと思う。ブランド資産価値なんかでもそうだけれど、ブランド価値●●●円で示される値というのは、他企業との比較でこそ意味があるものの、それ単独では何の意味もなさない。その価値が高ければ高いほど企業が儲かるかというとそういうわけではないし。比較されるときは価値あるけど、Webサイト経済価値と、そのWebサイトがその会社の経営にもたらしている価値とはちょっと違う。少なくとも後者の価値を上記のような指標で数値化できるとは思えない。

この手の議論はテレビ広告なんかでもよくあるわけだけど、
そもそも効果が明確である(数値化できる)ことが、どれほど重要なのだろうか。
なんとなくすべて数値化されれば分かりやすいというような先入観があるけれど、本当にそうだろうか。経営やマネイジメントなんて、実際は数値化できないものとの取り組みが大半じゃないかと思うんだけどね。
数字になって、比較できたらわかりやすいというのは、数値化できないものにたいしての憧れや幻想であって、実際数値化されたところで、判断するのは人間なわけだから。

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2003/12/01 15:20

2003年11月11日

ガリレオゼストがセプテーニの子会社に

セプテーニがガリレオゼストを持分法子会社にしますな。
発行済み株式の28%を取得したってあるけど。

2003年9月期の売上高が3億3千万円。
ってのはかなり意外だった。デジタルマーケティングでは電通に次ぐシェアをもってると思われる、なんて書いてあるけど、デジタルマーケティングが花開いた昨期でこんなもんなのか。
あれだけのシステムを維持していて、これだときついだろうなと。

#しかし、楽天がDLJを買収って

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2003/11/11 09:36

2003年11月10日

新生銀行ネット・バンキング、Google新サービスの影響で意外なトラブル

http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20031031/136088/

Google ToolBarの影響でポップアップ画面を利用する際に制限がでるだろうと言ってたら、早くもでたね。
SEOやユーザビリティの観点から、フレームは駄目ってのが堂々といえるようになったのと同じぐらいの影響力が、GoogleToolBarにもありそうだなぁ。

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2003/11/10 20:42

2003年10月30日

テレビ番組を見ると、ポイントが貯まる?

テレビ番組を見ると、ポイントが貯まる?
ウェブでも、見たくもない広告を無理矢理みるとポイントが貯まるというサービスはたくさんある。この手のサービスについて、いつも思うことだが、順序が逆転してしまうと、ほとんど役に立たないのではないだろうか?

「見たい」というウォンツが先にあり、そのウォンツを満たすと、ポイントまで得られる...

というのが本来の順序だ。

ポイントが貯まるから見よう

になってしまうとどうなのだろうか。

航空会社のマイレージシステムは、初めて乗ってもらった際に、次にも自分達の航空会社を選んでもらえる可能性が高まることや、乗れば乗るほど「得」という意識が芽生える。生涯顧客単価を最大化することと、差別化の難しいサービスでの選好性の向上が目的だろう。
また、そもそも消費者側に与えられている選択肢は少なく、限られた選択肢内での比較においても、絶対的な優位性になるような付加価値がない(消費者に気づいてもらえない)という、商品・サービス上の特性があるから、まだ機能するのではないだろうか。(サウスウェスト航空ってマイレージやってたかな。たしかそんなもんなかったような)

が、考え方として、「CM」の間は、どの番組を見ていても一緒だから、どうせならポイントが貯まるテレビ朝日を見よう、なんて意識が働けば、それはそれで儲けものというのも一つある。

でも、大方の消費者はCMを見たいわけではなく、やはり番組を見たい。コンテンツを見たいわけだ。そして、どのタイミングで放映されるかわからないCMをポイントのために見るなんて動機は、どう考えても不純だろう。そうやってポイントを貯める消費者が、広告スポインサーにとって価値ある消費者かどうかということを考えなければならない。

日本テレビの視聴率不正操作の問題もそうだが、テレビ局の視聴率至上主義や、マージン商売の宿命上、GRPを稼いでマージンを大きくしなければ苦しい広告会社の構造的問題など、テレビというチャンネルを巡る広告ビジネスのあり方は、問い改めなければならないだろう。

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2003/10/30 00:14

2003年10月28日

企業の生き残りゲーム

日本経産業消費研究所の調べでは1人当たり平均所有枚数は9.8枚。顧客囲い込みを狙ってさまざまな企業が発行するポイントカードである。

ユニクロもスカイラークもポイントカードをやめたと。

「他社の真似はするな」と繰り返すのは、セブンイレブン社長の鈴木さん。

当たり前といえば当たり前だ。
ポーターも言うように、競争とは、他社と違うことをすることだ。マーケティングの基本とは差別化ではなかったか。
レビットなどは「二番煎じ」のマーケティングを有効な手法として考える視点を提供してくれたりもするが。

間違ってはならないのは、「他社と同じことをしない」というその意味だろう。商品やサービスの表層にあらわれた現象だけをとって、「同じ」と決め付けるのはよくない。今や商品やサービスという概念は、とてつもなく拡張され、それらにまとわりつくさまざなな属性やオプションも含めて商品は商品に成るのだ。根を辿ればまったく同じ商品が、私たちの手元では別の商品として輝きを見せることだって多い。これも「差別化」のレベルの一つだろう。
また、その商品を生み出すプロセスや、細胞レベルまで分解された個々の業務や製造ラインといったものまでもが、「差別化」になりえる。

ということを考えていると、ドゥルーズの「差異」を思い出した。もちろん「差異」の概念というか、考え方というか(そういう規定自体が無効なのだけれど)そういうものと、「差別化」は異なるわけだけれど、私たちの中に見出される「差異」というものの考え方と、法人という擬似人格の中に見出される「差異」というものに親和性を感じたのだ。

どんな会社も他の会社とは「異なる」。まったく同じことをやっている会社でも、それは「異なる」わけだ。その「違い」を徹底して考えること。その「違い」から目をそらさず、自身の強みとなる部分を強化するために個々の業務をフィットさせていくこと。これからのマーケティングは、大味で派手なものから、こういった会社のDNAみたいなものを突き詰める方向へ行くのかもしれない。なんとなくそんなことを考えてみたりして。

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2003/10/28 00:21

2003年10月17日

日本旅行が、個人HPで営業

今日の日経産業に、日本旅行が、個人HPで営業をはじめるという小さな記事が載ってました。

営業担当社員がHPを通じて旅行商品を販売する営業活動を順次始める。年末までに全国の店頭販売員や法人営業担当者ら約2500人がホームページを解説。担当者を指名する顧客が増えているため、ネット販売でも対応できる体制を整え顧客囲い込みにつなげる。 個人のホームページは定型で、社員の自己紹介やメッセージ、添乗スケジュールなどで構成する。おすすめツアーの紹介や旅のコラムも掲載して社員の個性を打ち出した営業が可能なほか、社員の在籍支店や日本旅行のホームページに進んでのネット予約もできる。

規模は違うけど、Macromediaのblog戦略に近いものを感じる。
これがうまく行くかどうかは、ホームページを更新していく個々の担当者のセンスにもよるだろうけど、2500人いれば、10人は面白いものができるかもしれないですね。

SEOを考えても、こういう試みは面白いかも。

ライオンズマンションの大京が、ネット営業の話で、今は何かしらの大掛かりなシステム(CRMとかメールのコールセンター版みたいなもの)入れるぐらいだったら、メール営業できる営業マンを増やす、って言ってましけけど、それとも同じようなことを感じる。


blog文化が根付いてくると、こういう手法は今後もいっそう増えてくると思う。blogに合うトピックの旅行だとかはいいかも。人のキャラクターに商品が絡むという手法かな。その人の「視点」を信じるみたいな。

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2003/10/17 12:46

2003年10月15日

戦略的クロスメディアマーケティング

http://www.contentscreate.com/

戦略的クロスメディアマーケティング

PDFで配布してます。これ内容かなりいいですよ。
普通に本屋に置いててもおかしくない。

これは読んどいたほうがいいと思う。"コンテンツ"というものを考えるうえでは。

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2003/10/15 14:44

2003年10月09日

ウェブサイトを利用したブランディング

ウェブサイトを利用したブランディング[PDF]

最近増えてきたのは、次の3種類のリニューアル

1.コミュニケーション面
2.プロモーション面
3.マーケティング改革
(経営改革につながるもの)

以上、3つのリニューアルをコーポレートブランドを

・維持するもの
・醸成するもの
・実現方法

という2つの軸でつくられる平面上に配置。
このへんが面白い。

ただし、企業のサイト=コーポレートブランドというのは間違いだと思う。

ブランドは階層構造になってるから。日本ではとくにブランドというと、すぐにコーポレートブラ
ンドに直結しがちだけれども、本来的には、ブランドは会社だけでもなく、商品だけでもなく、サービスだけでもない。

商品ブランドを強化することが、コーポレートブランドの強化につながるかどうかは、その企業のブランドマネイジメントの手法や考え方にもよる。

むしろ商品ブランドとコーポレートブランドをまったく別ものとしてマネイジメントしたほうが好ましい業態もあるから。

たとえば、MINIとBMW。MINIは製品ブランドだけれど、BMWはコーポレートブランドでもあり、製品ブランドでもある。MINIブランドの強化が、BMW製品ブランドの強化にはつながらないし、つなげる必要もない。その逆もまたしかり。また、MINIブランドの強化は、BMW
という会社にとって利益に貢献はするけれども、BMWというコーポレートブランドの資産価値としては、MINIブランドを保持しているという、その分でしかない。

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2003/10/09 12:24

2003年07月01日

イベントプロモーションネタ

お好み焼きチェーンゆかり

お好み焼きチェーン店の「ゆかり」が新メニューのレシピを一般公募するコンテスト。
Yahoo!のTOPニュースになってるし。

考案したお好み焼きは全店で販売、優勝者とは5年契約を結ぶ。同店で一番人気の「特選ミックス焼」は年間約1億8000万円の売り上げがあり、「これを超える人気メニューになれば、
印税は1000万円も可能」という。

メニュー自体が話題になれば集客にもつながるし、印税が1000万円になるかも?というのは、インパクトとしては強いからパブリシティにもなるし。

ネットとはあまり関係ないけど、こういう企画・アイディアってのはすばらしいと思う。

大きなお金賭けなくても、世間の注目を集めることができるわけだねぇ。

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2003/07/01 22:22

2003年05月22日

MS症候群

MS症候群
マルチサイト症候群には重複投資やブランド・バリューの低下が潜んでいるのは確かだろう。

でも、最近大手企業がやりはじめた統一グローバルナビゲーションヘッダみたいな考え方ってどうなんだろう?

松下電器、明治製菓、サントリー、ネスレジャパンなど、多彩な商品ブランドや事業ブランドを抱える大手企業が、一つの統一ナビゲーションを採用するようになった。

これは一種、コーポレートブランドをあらゆる製品にも紐付けちゃえという強引さに映る。「無頼派」は「サントリーの」「無頼派」だろうが、その「サントリーの」という「所有格」がそれほど必要であろうか。

無頼派のサイト

統一ナビゲーションがついたことで明らかに「無頼派らしさ」みたいなものは弱まってしまったと思うのだが。

カールは「明治製菓の」カールである必要はあるのだろうか?

統合ナビゲーションは、細分化され、巨大になったウェブサイトに統一感をもたらしたり、巨大な自社サイトネットワーク内での横移動を促進し、それがコーポレートブランドの強化を導くとでも言うのだろうか?

BMWに買収されてしまったローバー。

MINIのサイトが「BMW」という枠組みの中に納まってしまったら、MINIのMINIらしさ。旧MINIからのDNAみたいなものは消えてしまうんじゃないだろうか? 

ブランドにとって、「らしさ」とは「信頼性」と並んで最も重要な「なにか」だ。統合ナビゲーションヘッダは、ブランドがブランドたる最も重要な「何か」を消してしまいかねないのではないか。

統合ナビゲーションヘッダの発想は、どこか同じ「学生服」を着せるという日本の教育発想に近いものを感じる。

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2003/05/22 22:02

2003年05月18日

不採算顧客で儲けるビジネスモデル?

Harvard Business Review(HBR)の6月号は「マーケティング戦略の再発見」という特集テーマだ。

「不採算顧客で儲ける[]ビジネスモデル」も、とりたてて目新しいところはない。同一業界カテゴリーにおいて、他者があまり手を出したくないような顧客をターゲットとすることで成長していくという例は、この論文中にもあげられていたが、サウスウェスト航空の事例に留まらず、探せばいくらでもある。
ただ、「不採算顧客で儲ける」という言葉が魅力的なだけだ。他社にとっての「不採算顧客」をいかに自社の「優良顧客」にするかという視点設定は、「ニッチを狙う」とか「オンリーワンになる」といった掛け声と同じようなものだろう。

不採算顧客で儲けようと考えるとき、そこには不採算顧客にむけた全ビジネス活動のフィットが必要だ。サウスウェスト航空が成功したのは、何も「不採算顧客」にターゲットを設定したからではないし、低価格中距離航空会社という事業コンセプトがすばらしかったからでもない。サウスウェスト航空の成功を見て、大手航空会社も同じことを始めたが成功しなかったのはなぜか? それはビジネスの概観だけを繕い、真似たにすぎなかったからだろう。ポーターも分析しているように、サウスウェストの成功は、自身のビジネスモデルを強化するために、事業における全活動の最適化がはかられ、それぞれの活動を通じて、自社の強みをより強くするための戦略が実行されているからなのだ。

飛行機の型を統一するとか、機内食を出さないとか、席順を決めないなどなど、あげればきりがないが、細かい個々の業務活動を通じて「戦略」が「実行」されているわけだ。

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2003/05/18 03:26

2003年05月17日

システム思考のマーケティング

こちらはマーケティング活動では全体最適化が大事だよ、といってるだけだ。「システム工学的に」というと難しそうに聞こえるが、(なんでHBRとかの論文ってのは、簡単なことをわざわざ小難しい言葉で語るのか? 難しく語るほうが賢そうに見えて、権威付けができるからか?) なんてことはない。全体的な目標を設定し、その目標にそって、それぞれのキャンペーンへのリソース配分、役割づけを行わなきゃならないと言ってるだけだ。
もちろん大企業ではこれはなかなか難しい。自社のマーケティング活動すべてを俯瞰して、計画だて、リソース配分できるようなマーケターってのはあまりいないからだ。

「システム工学的」アプローチをとったことで、USPS(アメリカ郵政公社)の「プライオリティ・メール」サービスは大成功したという事例。3つのフェイズにわけ、第一フェイズでは、マス広告を用いて、オンライン小売企業がプライオリティ・メールを使っていることを広く訴える。第二フェイズは業界紙、ダイレクトメール、ウェブサイト、テレマなどを使い、ダイレクトマーケティングを展開。プライオリティ・メールへの乗り換え方法、その理由を語りかける。第三フェイズでは、コミュニケーションターゲットを「小売業者」から、「消費者」に変えて、再びマス広告を展開。さらにダイレクトメールなどで、消費者にプライオリティ・メールに変えるよう小売業者に訴えよう、というキャンペーンを展開する。(実際に消費者が小売業者に訴えたかどうかはわからない)

確かにコミュニケーション戦略としては見事だろうけど、これって普通の成功事例じゃないだろうか。「システム工学的」などとあらたまってはいるけど、話は「プライオリティメール」のシェア向上を目指したキャンペーン展開のロードマップを描いたというだけじゃないか。
まぁ、欧米の広告会社はダイレクトマーケティングや、ブランディング、メディアバイイングというように機能特化型がほとんどなので、統合的なコミュニケーション戦略を実践していくのは、難しいことも多いのかもしれない。
日本なら、この手の戦略ロードマップというのは特に珍しいとは思えない。(とはいっても、SP局とメディア局、プランニング局、インタラクティブ系メディア局といったところが一つのプロジェクト内で、全体のキャンペーンシステムの「サブシステム」として、機能的に動いて、プロモーションを展開していくというのはなかなかむずかしく、プランニング段階まではできても、その後は絵に描いた餅になっているケースも見受けられるけど)

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2003/05/17 03:28

2002年12月10日

環境経営度指標

今日の日経産業の「環境経営度指標」。

とくに、環境経営度の算出ステップなどは把握しておいたほうがいいし、環境経営度ランキング2位のリコーは、ウェブでも環境対策セクションがひじょーに充実しているということも覚えておこう。

評価項目として (1)運営体制・情報公開 (2)環境教育・社外貢献 (3)ビジョン (4)汚染リスク (5)資源循環(6)製品・物流対策 (7)温暖化対策

リコーの環境対策

特に、ウェブだと、「情報公開」ってところが評価項目として重要になってくると思うが、ここの指標では「関電」がけっこう高かったりする。

関西電力

「環境対策」に関するものは絶対にくる。
特に、ここは製造業とか、エネルギー系などの、一般的にウェブ向きではないような会社でも、ウェブを活用するメリットが十分に見出されるところなんで。

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2002/12/10 09:38