あの頃、消えたベンチャー

photo credit: alles-schlumpf via photopin cc

photo credit: alles-schlumpf via photopin cc


景気の悪化自体は、Webソリューション系の会社には、まだ直接的に大きく影響を与えているわけでもなさそうだけれども、でもじわじわとその影が忍び寄ってきてることは間違いなさそうで、今年はけっこう厳しい年になるだろうなとは思う。
こういう感覚はドットコムバブル崩壊の頃にもあったけれど、あの頃もいくつかまさか!と思うようなベンチャーが消えた。

イェルネット。渋谷にあったWebソリューション系の会社。社長もよくメディアに登場してて学生ベンチャーの走りみたいな感じだった記憶がある。当時としては規模も大きかったし。
イェルネットが消えたのはいつ頃だったろうか、ネットを探しても確定できる情報がない。

そういえば、イェルネットと電脳隊、ガリレオゼストが中心となって、PIM(Personal Information Manager)をウェブで提供する会社を設立してたのはよく覚えている。Dosuleというサービスを提供していたはずだ。当時、ボクは同じようなサービスの企画をある会社さんとやっていたからよく覚えている。
AOLとかがその手のカレンダー.comだったかなんだか名前を忘れたけど、その手のサービスを提供していた会社を買収したりして、個人スケジュール管理のネットワーク化と、それに合わせたマーケティングエンジン(コンシェルジュとか)みたいな夢のような話がよく上がっていた頃だ。海外だとeviteとかが当時でてきたモデルだったと思う。今思えばたいしたことないが、当時はすごいと思ってた。でも、eviteは今も顕在だし、最近若返りリニューアルも行ったみたいで頑張っているのがすごいと思うが。

結局、その会社やDousuleは、「ヤフーがピー・アイ・エムと合併、電脳隊も傘下に」となって、 Dousuleは2003年6月にサービスを終了していた。電脳隊はこのタイミングでヤフーだったんだなぁ。Dosuleはボクも使ってたけど、よくできてたと思う
当時、携帯からも使えるウェブ系のPIMはDousuleぐらいだったような気がする。

ガリレオゼストはその後、セプテーニに買収された。自分のブログでも書いていたとは。この時はまだ28%だけど、その後、2004年8月に完全吸収している。しかし、セプテーニに吸収されてしまってからのガリレオゼストのことは、あまり聞かない。あのモバイルキャンペーンの仕組みやらはどうなったのだろうか。インフラコスト負担が大きくて結局、使いものにならなかったろうか。

これらの動きがあるので、イェルネットが姿を消したのが、2003年〜2004年なのは間違いないだろう。Webソリューションの方は順調そうに見えたけど、携帯分野への投資などが厳しかったのかな。当時はビットバレー全盛で、いろいろな悪い人達もいたし、上場路線に乗ろうとして、うまくいけなくて身ぐるみ剥がれてしまったとか、そういうことなんだろうか。

パイナップルカンパニー。神戸にあったサーバホスティングを中心として事業展開していた会社。
そういえば、イノベーションラボは、もともとキノトロープと当時のオン・ザ・エッジ、現livedoorと、この会社で共同でつくった会社ではなかったか。今、見たら出資企業にはキノトロープの名前しかないが。パイナップルカンパニーが突然消えたのは2002年の後半ぐらいだろう。パイナップルの管理していたサーバやらはどうなったんだろうか。消える前に、エッジが引き継いでいたのか、消えてからエッジが引き継いだのか、よく覚えていないけど、何かしらそういうことがあったような記憶がある。
神戸のファッションビルにオフィスを構えていた頃は、オフィスもおしゃれで、自分たちとは別世界の次元で会社やってるなーとかなり羨ましかったものだ。

ベンチャーではないけれど、当時、海外のSIPSが日本に乗り込んできて、あっという間に消えていった時期があった。2000年〜2002年にかけてだ。
びっくりしたのは電通マーチファースト。電通のリリースでは、「電通は、世界最大のSIPS企業マーチファースト社と合弁事業契約を締結」ということで2001年1月1日に会社はスタート。2001年度は8億5000万円、2002年度は32億3000万円、2003年度で60億8000万円の売り上げを見込むという計画だった。

ところが、本国のマーチファーストが2001年の春には破産。電通出資のWebインテグレータ,米国の合弁先が倒産
そもそも電通と日本法人をつくった時点で、マーチファーストには資金がなかったわけで、「電通マーチファースト」は最後の悪あがきみたいなものだった。

SIPSは、吸収合併を繰り返してたりしてて、正直、記憶が曖昧なのだが、iXLやらモデムメディアやらサイエントやらレザーフィッシュやら、当時の主要SIPSのリストがここにある。米国の「SIPS」事情 〜 SIPS発展の過程と現状、今後の展望を探る 〜
この中で何社残ってるだろうか。Agency.comはどこかの参加に入って生き延びてるか。Organic Onlineはまだ独立系なんだろうか。Razorfishもいろんな会社に買われて点々としつつ、結局どうなったんだ。
今、「電通レイザーフィッシュ」があるけど、これの前身はデジタルパレットだ。もともと日本のRazorfishは、フロンテッジと合弁でフロンテッジ・レーザーフィッシュという会社だった。これをIMJが買収した。その後、どんな変遷を辿って、電通レイザーフィッシュに繫がっているのか、さっぱりわからない。IMJが買収したフロンテッジ・レーザーフィッシュと電通レイザーフィッシュは別物だったろうか。

このへんのことを思い出していてフロントライン・ドット・ジェーピーって会社もあったことを思い出した。ここも突然消えた。こんな記事が残っている。「第22回:eビジネスの総合コンサルタント ——“日本発”の最先端を探る、フロントライン・ドット・ジェーピー」。CEOだった藤元健太郎さん(藤元健太郎の「フロントライン・ビズ」 | WIRED VISION)は、今はD4DRという会社をやっている。この業界では有名だけど、フロントライン・ドット・ジェーピーに何があって、どういう経緯でD4DRに至るのかは、ボクはよく知らない。

まだまだ思い出せていないだけど、かなりの数の会社が消えていったはずだ。
といいながら、自分が関与したところでも消えたところがあった。その名前を覚えている人もあまりいないだろうけど。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です