ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

この忙しい最中だが、タイトルに惹かれて買ってしまい移動時間中の空き時間に読んだ。

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
4822244873ジョン・バッテル 中谷 和男

日経BP社 2005-11-17
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本書を読むと、今日のGoogle帝国の誕生にはいくつもの危うい橋があったことが伺いしれる。端から見るとGoogleほど順調に成功の階段をかけあがった企業もないように思えるのだけど、AdWordsがスタートするまでは、毎月膨大なキャッシュを支出しつづけ、投資家達の圧力を受けながら、ダブルクリックのバナー広告ネットワークに検索結果の身売りをする寸前のところまでいってたというのは意外だった。もしインターネットバブルが崩壊せず、Googleが生計をたてるために、あのシンプルな検索結果に殆ど何の関係もない邪魔をしているとしか思えないスカイスクレイパーバナーが掲載されていたら… 

以下の情報は本書のなかで検索市場を解きほぐすためにあげられている些細な統計データに過ぎないのだけれど面白いデータなのでメモしておこうと思う。(このデータの正当性はよくわからない)

非営利調査機関であるピューインターネット&アメリカンライフプロジェクトの2004年夏のインターネット使用状況の調査結果によると、

・インターネットユーザーの85%が検索エンジンを利用
さらにそのうちの2/3以上が積極的に活用、週二回以上1、2回検索し、平均の検索回数は月に30回以上、検索の利用は年間20%づつ増加しており、ユーザーひとりあたりの検索回数も年25%増えている。そして、
・検索の20%は催し物などのエンターテイメント情報を求めている
・15%は営業目的だが、65%は情報全般を探している。
らしい。

ケルシーグループの調査によると、検索の25%は地元の情報で、その大部分が歯科医院やレストラン、水漏れ修理など日常生活に関わる営業情報が多い。
さらに、ハリスの世論調査によると、検索の40%は「見栄の検索」と呼ばれるものだという、検索エンジンに自分の名前を打ち込んで、インデックスに載ってるかどうか探すのである。

アルタビスタのCTO時代の経験から書かれたアンドレイ・ブローダー氏の『ウェブサーチの分類学』(2001)によると…

(1)ほとんど15%の検索が、「健全なドキュメントとは言えないテーマについての豊富なリンクを求めている。

(2)セックスに関する質問がログデータの12%を占める

(3)検索の25%が「すでに念頭にある特定のウェブ」を探している

(4)およそ35%はトランザクションの情報、つまりブローダーの言う「ウェブを介した活動の実行環境」を求めてる。

どうも(1)の意味はわからない。「健全なドキュメント」って言い回しが何を指すのかはわからないけど、リンク集ってことだろう。
(3)は、今でもあんまり変わっていないかもしれない。どこかの検索エンジンのクエリー数ランキングに、その検索サイトの名称がかなりの上位に食い込んできたなんてことがあったけれども。検索エンジンでどのような言葉を入れて、検索結果のどのあたりをクリックした、という筋道自体を「お気に入り」や「ブックマーク」と同じように利用するという使い方だったりする。
(4)は「商用検索」ということらしいが、著者も書いてるが「商用目的」と「情報目的」の検索の違いなんてそんなに明確なわけではない。

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コメント

  1. 「ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」で検索の歴史を学ぶ

    多くの方が読まれているかと思いますが、遅ればせながら私も読みました。

    検索エンジンができてから今までの流れを丁寧に説明していて、検索の歴史みたいなものを...

  2. ■検索エンジンは世界を変えるタイムマシン??
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