成功報酬型のWebソリューションモデル

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何年か前に、某大手制作会社の幹部陣と話をしたときに、その中の一人は、今後何年かのうちに、必ず成功報酬型に近いウェブ制作やソリューションのモデルが登場してくるだろう、ということを言ってた。
それはECやダイレクトビジネスの市場規模の拡大に伴い、様々な企業がネットでのダイレクトビジネスを活発化させていくであろう予測に基づいた発言だったのだが、実際、ここ最近大手の制作会社でもそういう動きが活発化してきているように感じる。

実はこういうモデルは、ずっと前からあって、むしろ規模の小さな制作会社が、お客さんと懇意になって共同事業みたいな形でウェブビジネスを手がけるというような感じが多かったように思える。それをテコに成長した会社も何社か知ってるし、失敗して大変なことになった会社も知っている。大手の会社でも出資者になって共同で事業を運営するようなモデルなども過去からあったし、珍しいことではないのだけれど、表立って「サービス」「商品」として打ち出すことは少なかった思う。
話の流れや、懇意にしてるクライアントからの相談や紹介などを通じて、あくまでも例外的なサービスとして実施されることが多かったのではないか。

キノトロープスリーイント、ロココとECサイト構築・運用分野で協業

~ECサイトを0円で構築可能!【レベニューシェアモデル】のサービス開始~


Web制作業界では老舗、キノトロープの子会社がレベニューシェアのECサイト構築・運用サービスを発表したのは記憶に新しいし、ベルーナとGNTのモバイルコマースで協業も内容はレベニューシェアのようだ。

GNT、ベルーナとモバイルコマース事業で戦略的協業
こちらはモバイルコマース分野での協業。

イマージュ・ネットWEB広告営業事業受託について(pdf)

報酬は全て売上に応じた完全成果報酬です。営業にかかるコストはいただきません。メディアが収益を上げられなければ、私たちの収益も上がらないという、運命共同体としてビジネスを共にするスタンスで事業を行います。

以前から、この手のモデルを手がけてるところでは、ECのコンサルティングとインキュベーション – 株式会社ECホールディングス完全成果報酬のEC事業部ドットコム - インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社などがあるだろうか。

実際、これらのサービスの体系が何をベースにした報酬体系をとり、どのような報酬率なのか、業務範囲なのかは定かではないが、1つ言えることは、協業モデルは、労働集約型ビジネスの最たるものであるWeb構築・ソリューション事業における限界を突き破ることができる事業領域であることは間違いない。

クライアントのECサイトの売上を伸ばせば伸ばすほど、自分たちの得られる利益も大きくなる。そこには人頭や労働力を超えた売上や利益を叩きだせるチャンスがある。
もちろんリスクもある。初期費用分も回収できないなんてことだって十分考えられる。

しかし、自分たちが提唱しているマーケティングや効果の上がるWEB構築手法、リニューアル手法を存分に取り入れて、実践できるのだから、これで成功させられなければ、本業の受託ソリューションも危ぶまれるかもしれない。

賭けではあるけれど、自社で開発や制作のリソースを持っていたり、マーケティングノウハウに自信がある、集客媒体を保持してるというような強みがあるならば、やり方によっては大きな成長につなげられる。リスクはあるけど取り組む価値はある。

ただ、これもある一定レベルを超えると、いろいろ問題もでてくる。うまくいかなければうまくいかないで持ち出し分を損したということになるが、うまくいけばうまくいったで、いろいろと問題はでてくる。

今は不景気なので、初期投資をかけずに、リスクを極力減らして、このようなモデルでスタートしたいと思うところは多いかもしれない。でも、うまく行きだすと、初期段階でリスクを負ってもらったことはすっかり忘れてしまって、その成功の汁は出来る限り独り占めしたい、と思うな企業だっている。
普通に人雇って社内でまかなったほうが安いやん、みたいな話がでてきたり(実際はそんなこともないんだろうけど)、普通に受発注契約にしたほうが圧倒的に安くなるので、パートナー契約を解消しようとする動きがでてきたり。
制作側もリスクを負う以上は、成功したら相応のリターンを得なければ、こういう協業モデルをやる意味はあまりないのだが。
契約で縛るという方法もあるが、一方で、そういう契約はこのモデルがうまくいかなかったときの足枷にもなりかねないので、なかなか難しいところで、このモデルは、そういう契約面も含めてノウハウが必要になるモデルだ。

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