成功報酬型のWEB構築の可能性

少し前になるがリリースで気になってたサービス。

業界初のPV保証型飲食店向けホームページ制作サービス「ぐるぺ」が開始
飲食公式サイト作成サービス「ぐるぺ」

飲食店のサイトに限定し、飲食店のサイトに必要な要素や機能を共通のCMSで提供することで、そもそも制作においける効率化を図っていること、そして料金体系がPV数による保証型になっていること。
この事業が軌道にのってるのかどうかは知らないが、ターゲットの絞り方、サービスの作り方や組み立て方には、いろいろ考えさせられるものがある。

このサービスは初期費用を0円、月額費用も最大1万PVまでの27,000円にしているところがミソだ。ユニークユーザーやセッション数みたいな指標ではなくて、PVになってるのが気になるところだけれど、良いところをついたサービスだ。事業が成立するかどうかは、損益分岐点となる顧客数達成までのスピードだろうか。月額運用費を座布団にしていくので損益分岐点を越えるとかなり余裕がでてくる。
薄利多売モデルなので、一旦、損益分岐点を越えれば、1社2社が契約を辞めたりしても、大きい影響はでない。その意味では所謂WEBソリューションだとか「ホームページ制作」だとかという事業よりは安定する。
何億、何十億というビジネスにしていくのは、これだけでは難しいだろうし、別のイノベーションやサービス連携は必要だろうけれど、ビジネスの構造はシンプルだしわかりやすい。ASPのモデルに近い。
ただし、CMSを利用しているとはゆえ、初期でのある程度の稼動は否めないことと、PV連動の成果報酬というリスクはある。ソリューションよりだし成功報酬なので、何かしらのASPよりは売りやすいだろうけど、その分、初期稼動と成功報酬のリスクはあるわけだ。

飲食店サイトがどの程度のユーザーあたりの平均PVを持っているのかは知らないが、自身の経験で考えると2~5PVぐらいだろうか。5Pと考えると、ユニークユーザーで2,000人。飲食店のサイトはたいていの場合、その店舗がある地域という制約があるので、2,000人とはゆえ、この数はけっこう大変な気がする。なので、おそらく事業モデルとしてはあくまでもMAXで1社月額2.7万円とれるけど、平均的には1~2万円程度という想定で組み立てているのではないか。300店舗ぐらいを超えてくればビジネスとしては面白そうだ。

こういうモデルってのは通常のWEBインテグレーションとかでもありえるんじゃないかなと思っている。手法は違うにせよPVやユニークユーザー、セッション数みたいな指標と連動するコミッションや、資料請求数、ダウンロード数、売上といった成果指標との連動などだ。すでに手がけているところも何社かは知っているが、サービス仕様として固まっているというよりはどちらかといえば、お客さんとの話のなかでそういう契約形態になって、という形のイレギュラーなものが殆どだろうとは思うが。が、今後は増えていくかもしれないなと思う。
「ぐるぺ」みたいにサービス仕様をきちっと決めて、ASPモデルのように数をとりにいきながら、成功報酬という見せ方で営業効率を上げるという手法もあれば、ガチでウェブを通じてあがる売上に連動したものもあるだろう。リスクは高いがリターンが大きいモデル。

WEBソリューション事業のほとんどは人月単価ビジネスで、労働集約型なわけなのでリバレッジが効きにいくい。今年1億が来年10億なんてモデルは基本的にはない。各人のスキルアップによる単価向上やらいろいろな要素はあるけど、一気に化けるということはない。この「ぐるぺ」の場合は、月額の上限が決まってるので、そういうモデルではないけれど、完全な成功報酬型のモデルであれば、ソリューションでは考えられないような大化けは十分ありえる。
(が、まぁそうなったときはたいていお客さんとの契約でもめたりして、お客さん側も成功報酬型でなく、受発注型やらフィー型に変えたくなったりする)
すべてが成功報酬にならなくても、基本料金+フィーみたいな形ってのもあるだろうし。別で「人月単価」の問題ってのをずーっと考えていて、そこでの大きい課題の解決の糸口が、こういうコミッションだとか成果報酬みたいなものだったりするのではないかと。まだ整理しきれてはないんだけど。
(SIerで問題になっている「人月単価」問題とは規模は全然違うが、実はWEB制作会社でも「人月単価」の問題はあると思っていて、それについては別でも整理してみるつもりではあるが)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です