主流はWEB?

7月の宣伝会議の「アメリカ広告業界のトレンドを読む」という連載。今回は「主流はウェブで。進む広告主のテレビ離れ」ということで、最近ではあちこちで聞かれるような話がのってる。
WEBの業界にいるので、ネットのパワーが認められるというのは単純にうれしいけど、テレビが駄目になってウェブだけになるとかそういう単純なものではないことは言うまでもない。

「ホリスティックマーケティング」のなかに「メディアニュートラル」という言葉とか、「情報環境のデザイン」だとか、そういう言葉がでてきたと記憶しているけど、要はメディアに優劣つけるのではなく、どんなシーンでどんな人にどんなコミュニケーションを行っていくのかというグランドデザインが先にありきで、そこからメディアの選択やメディアそのものの開発がなされなきゃならないということだろう。メディアありきではない。ただ、もちろんWEBサイトが他のメディアに比べれば実現できることは多いので、メディアニュートラル状態においてWEBサイトが中心に控えるという構図が一般的になってはいくのだろうなぁとは思う。

少し話は脱線するが….
WEBサイトの役割が大きくなるにつれ、WEBサイトにも正統な価格が適用されるようになって行って欲しいというのが僕の願いだ。クリエイティブにたいしての評価やフィーがきちんと成立しないと駄目だろう。(ここでの「クリエイティブ」ってのはかなり広い意味で使ってます。)
(もちろん願うだけでは駄目なんで自分なりに価値を認めてもらおうという活動はやっているつもりではあるけれど)

大手ナショナル企業でもWEBサイトのコンテンツ制作(企画、ライティング、写真、などのもろもろ)にかかるコストをほとんど考えていないというところも多い。単純な話、TVCM1本のコピーをつくるのにかかる労力やコストと、現状のWEB構築に配分される予算を比較してみれば、WEB業界はまだまだ正統な理解を得ているとは言いがたいのではないか。(一部の大手プロダクションや超有名クリエイターでは話を聞いている限りではこのあたりの差もかなりなくなりつつあるみたいだけれど)
「WEB価格」みたいなものじゃなくて、高いクオリティ、クリエイティブを実現するために、正統なフィーが成立すること(決してぼったくりではなく)。WEB業界に従事する人間としては、これらの底上げがなければ業界全体の発展もないんじゃないかと思う。じゃないとなかなか優秀なクリエイターやアカウントプランナーは育たないんじゃないだろうか。

日本のようなメディアマージンを基本とする広告ビジネスの場合、マージン内にアカウントプランナーの働きやクリエイターの知恵が「サービス」として消化されてしまうことも多いわけだけれども、WEBでそれと同じようなことをしてしまうと、結局、規模の大きい(ページ数が大きい)サイトをつくらないと旨みがないというようなことになってしまう。
正統な企画フィーやアイディアへの対価が認められないので、ボリュームの大きい仕事のなかでそれをカバーするという発想は、効果が出る出ないに関わらずたくさん広告を出せば出すほど広告会社は儲かるという構図とまったく同じだ。
こういう状況に陥ることだけは避けなきゃならない。。。 んなことを考える今日この頃です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメント

  1. mutu より:

    おひさしぶりです。
    少なくとも企画フィーの価格ってまだまだ
    安いっすよね。
    企画フィーがあるだけで、競合で落ちたこともありました。

    ただし、実際の運用のオペレーション込みで企画をしてくれる会社を求めているクライアントもずいぶん増えてきました。

    一週間に一回WEB戦略の企画書を出しフィーをもらうという契約も最近はぼちぼち出てきたっていう感じです。

    ここからががんばりどころというかんじですな。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です