ペンシルさんの記事とコンバージョン率、分解能力

コンバージョン率の平均値を明確に答えられる制作会社は稀で、「サイト規模や扱っている商材で変わってきますので、一概に平均と言っても……」と言葉を濁すところが大半だろう。覚田氏は「サイトのコンバージョン率は平均で1%」とし、「この1%を目安にして、コンバージョンレート1%以上ならば集客にも力を入れ、1%未満であればサイト内導線の見直しを徹底的に行います」と続ける。

自ら積んだ成功実績が導き出す成果を上げるウェブ戦略/株式会社ペンシル | Web担当者Forum.

平均1%というのは、僕の感覚でもだいたい同じだ。というような言い方は後だしジャンケンっぽくて嫌だけど。EC系で言うと、経験上1~2%ぐらいが標準じゃないだろうかと思う。つまり、それ以下なら、まずサイトか商品に何か問題がある。

ちなみに、アメリカのECのコンバージョン率上位のリストは こんな感じだ。「平均1%」に較べるととんでもなく高いレートだが、ここに上がってるショップサイトのほとんどは強力なブランド力を持ち、そもそも「買う気」のあるユーザーが目的を持ってサイトに来訪 している率が高いのだろう。Amazonやebay、Yahoo!Shoppingなどが10%超えてるが、これは日本でも近い数値がでてるんではないか と思う。(QVCはテレビショッピングのサイト。日本でもジャパネットとかのサイトのコンバージョン率は高いだろう)

さて、平均ラインをクリアしてれば、より率を上げていく、最大化するためにどういう手を打てるか。重要なのは漠然とコンバージョンレート何%ではなく、コンバージョン率を作っているプロセス、ステップを分解して、それぞれのどこをどれぐらい改善するかを考えていくことだ。

そういえばこの仕事を始めた最初の頃に、ある人から、コンサルティングで最も重要なのは物事を分解する能力だ、というようなことを言われたことがある。MECEみたいなものも「分解」のためのチェック用フレームワークみたいなものだ。
分解の仕方やレベルによって、見える世界が変わる。例えば、売上を「顧客単価」×「顧客数」と分解するだけなら、顧客単価を上げる/顧客数を増やす、といういずれかの選択肢が売上を伸ばすための施策になるだけだが、これではまだまだ抽象的すぎる。顧客単価は、「平均購入商品単価×平均購入商品点数」に分解できるだろうし。顧客も「新規顧客」や「リピートユーザー」で捉え方が変わるだろう。あるいは全く見方を変えて、来訪ユニークユーザー数×コンバージョン率×平均顧客単価みたいな分解の仕方もできる。来訪ユニークユーザーを分解すれば、広告経由とオーガニック検索、その他みたいな分解ができる。1つ1つを分解して解きほどいていくことで、どこに手を入れれば一番効果的な改善が可能なのか、ROIを最大化できるのかを考えることができる。

この記事のペンシルさんの「10ステップ30ジャンル147項目」のチェックリストも、ユーザーアクションまでの流れを分解したチェックリストなのだろう。こういうものをキチンと作っているというのはスゴイなと思う。この手のツールを汎用的なフォーマットに昇華させるってのは相当なパワーがいるものだと思う。頭でわかっていてもいざ作るとなると難しい。確かにこんな風にツール化されていれば、これをベースとしてお客さんとも話がしやすくなるし。

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