マネジャーにおける真摯さの欠如

新しいカテゴリーで「マネイジメント」というものをつくった。ここ数年来のテーマであり、自分でもここには意識的に取り組んでいかなきゃならない。無理矢理カテゴリーをつくっちゃうことで、「マネイジメント」に対してのアンテナを広げていきたいと思っている。

で、初エントリーは、マネイジメントといえばドラッカーだろうと。(もしかしたらドラッカー書物の備忘録になっちゃう可能性もあるな。)

ドラッカーは「真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる」と語り、真摯さというものを組織の条件であると語る。そして、マネジャーとして失格とすべき真摯さの欠如の定義として次の5つをあげている。

  1. 強みよりも弱みに目を向ける者をマネジャーに任命してはならない。できないことに気づいても、できることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。
  2. 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジャーに任命してはならない。仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがては組織全体を堕落させる。
  3. 真摯さよりも、頭のよさを重視する者をマネジャーに任命してはならない。そのような者は人として未熟であって、しかもその未熟さは通常なおらない。
  4. 部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。そのような者は人間として弱い。
  5. 自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネジャーに任命してはならない。そのような者をマネジャーにすることは、やがてマネイジメントと仕事に対するあなどりを有無。

    (【エッセンシャル版】マネイジメント 基本と原則 P.147~148)

(1)の「強みよりも弱み」というのは、裏を返すと「組織は問題ではなく機会に合わせなければならない」ということと同義だろう。この言葉は非常に重い。ついつい僕らはすぐに「問題」にばかり目が行く。悪いところばかりが目につく。しかし、マネジャーは、本来、弱みよりも強みを視なければならない(これは、弱みを見ないということではない)。

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コメント

  1. 津川義明 より:

    マネジメント実践ならこの一冊。
    「マネジメントの正体」スティーブン P.ロビンズ(ソフトバンク パブリッシング)

    たとえば
    「ほとんどの場合、生産性の高い従業員が充実感を抱くのであり、その逆ではない」
    など、目からうろこの63章。

  2. ゆで麺 より:

    「マネジメントの正体」、早速購入させてもらいました。
    読んだらまた感想書きます。

    これは!って本があったらまた教えてくださいー。

  3. 津川義明 より:

    この国ではもう20年以上、マネジメントといえば「こんな上司は辞表を書け」というクリプトン星の教科書しかなかった。スーパーマンの作り方ではなくて普通の上司になるための基礎コースを説き明かしたのは「マネジメントの正体」がはじめてだ。当面この一冊でよろしいでしょう。

    もう少し各論にふみこんで、たとえば、今あなたの会社で一番の課題になっている(勝手な想像ですが)効率的なチーム運営ということに絞れば「あなたのチームは機能していますか」パトリック・レンシオーネ(SHOEISHA)がよろしいでしょう。
    帯に曰く「危ない組織の5症状」
    ・各自の仕事にかまけて全体をみない
    ・衝突を避けて互いの説明を求めない
    ・決定したことがきちんと支持できない
    ・不満があっても会議で意見をいわない
    ・意見は一致してないのに議論が起きない

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