360度フィードバック制度(日立)

2004年8月6日日経産業新聞

日立製作所が管理職を対象として360度フィードバック制度を導入して1年余。

日立が導入した360度フィードバック制度の特徴

  • 評価を賞与やポストなどの人事考課と結びつけない。制度の狙いはあくまでも本人の能力開発
  • 自分を評価する人(上司を除く)を、本人が選べるようにした(同僚三人以上、部下三人以上を候補に選ぶ)
  • 結果を本人に知らせる際に、丁寧な説明会を開催している(15人前後を1グループとして3時間程度かけて説明)

管理職の能力開発、育成として360度フィードバック評価はありかなぁと思っていたけれども、記事にもあるように「結果へのショックが逆効果になる場合」もある。自分のセルフイメージと、他人が自分に抱く像というのはたいていずれる。当たり前だ。セルフイメージってのは自分で都合の良いように解釈された自分像で、何の現実的根拠にも立脚していない。他者が見るのは、その人の行動だ。あくまでも行動によってその人がどんな人間かという像ができあがる。この行動は、セルフイメージとだいぶずれているのが常だ。なんで、360度評価のようなものをすると、たいていセルフイメージと大きな差がでてショックを受ける。しかし、このズレも含めて、他者から見る自分の姿ってのをきちんと知ることはすごく重要なことだ。自分自身では気づいてないことはたんとある。

日立のこの方法はズレの大きさによるショックを緩和できるような措置をとっていて、きちんとした本当に客観的な360度評価かどうかは若干あやしいけれど、よくできているなぁと思う。(そもそも客観的な評価なんてものはないし)

予想外の効果としては、評価される人が「部下や同僚は意外とよく見ていると気づく点」だそうな。

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