マネジメントの正体

マネジメントの正体―組織マネジメントを成功させる63の「人の活かし方」
スティーブン・P. ロビンズ, Stephen P. Robbins, 清川 幸美



おすすめ平均使える一冊
世間一般のマネジャー向けの本ととらえれば、充分いい本なのでは
読みやすく、堅くない

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このブログのコメントで教えてもらった「マネジメントの正体」を新幹線の中で読んだ。本書は63の短い章で構成されている。さらに章は大きく10の領域に分類されている。

1.採用
2.モチベーション
3.リーダーシップ
4.コミュニケーション
5.チーム作り
6.衝突の処理
7.職務設計
8.業績評価
9.変化への対応
10.行動

この10の領域を見ても、本書がマネジメントという問題を俯瞰的に、総合的に扱っていることがわかる。これがMECEかどうかはわからないが、少なくともマネジメントについて課題なりえるほぼすべての領域がカバーされているとは思う。

頭から読み進めても良いだろうし、この10の中から今関心のある領域のところだけを読むのも良いだろう。ページをめくっていって気になるタイトルの章だけを拾っていくのでも良いかもしれない。とにかくどんな読み方でもいいけれどもマネジメントという問題、課題に直面している人はぜひ手元に置いておきたい。そして何度も読み返したい。そんな本である。

コメントの中で例としてあげて頂いた「ほとんどの場合、生産性の高い従業員が充実感を抱くのであり、その逆ではない」という言葉はCase13「部下が仕事に満足しない理由」に登場する。この考え方にははっとさせられた。

多くの企業が従業員の仕事に対する満足感を高めようと努力している。福利厚生やフレックスやらと働き安い環境、魅力的な環境を提供しようと務めている。しかし、満足度を高めても生産性が向上するという相関性はない。

生産性が高まるから満足するのであって、その逆ではないらしい」というのが真実のようだ。生産性が高ければ褒められる機会が増え、給与レベルも上がり、仕事に対する充実感も抱ける。これが満足度につながるのだ。

この考え方は、形を変えて何度か本書のなかに登場する重要な考え方だ。
例えば、Case22「認めてあげると人はやる気を出す(おまけにお金もかからない!)」や、Case40「行動は言葉に勝る」、Case60「感情が行動を導くのか、行動が感情を導くのか」といったところで語られることにも関連していることだだろう。

満足度を高める方法に注力するのではなく、生産性を高めることに力を注ぐ。たとえば、「訓練にもっと費用をかける、職務設計を改善する、もっとよい設備を用意する。そして、優れた能力を持つ従業員にとって何か障害があればそれを取り除く。」

1章1章はものすごく短いけれども、マネージャーにとっては珠玉の言葉がつまっている本だ。

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コメント

  1. t_doumori より:

    >「生産性が高まるから満足するのであって、その逆ではないらしい」

    これは間違いないですね。私もそう。
    私の周りもそうです。

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