広告の天才たちが気づいている51の法則

広告の天才たちが気づいている51の法則

広告の天才たちが気づいている51の法則

1998年の全米最優秀ビジネス書に選ばれた本らしい。この本のなかにでてくる比喩や逸話、たとえ話、レトリックはものすごく秀逸だと思う。翻訳本を読んでるに過ぎないとはゆえ、これぞ「言葉の力」と思わせるものがこの本にはある。

この手のマーケティング書ってのはたいていの場合、著者の主張を裏付けたり、説得力を高めたりするために、精緻な調査の結果得られたデータや情報を持ってきたり、心理学的な実験や研究成果をひっぱってきたりする。
しかしながら、この本のなかでは、(おそらく)意図的にそのような「科学的な説明」は避けられている。

たとえば、広告キャンペーンを打つことは、エンコしたクルマを押すことに喩えられる。エンコしたクルマを押すとき、最初に少しでも動き始めるまでには相当な力必要だが、動き始めればあとは慣性の法則に従って、最初に必要としたほどの力も必要なく動かすことができる。
広告キャンペーンも同じだ。効果を出すまでの第一歩は大変だけれど、一度効果が出始めれば、たとえやめてもしばらくの間は効果が持続する
広告キャンペーンにも「静止している場合はその静止状態を続け、動いている場合には、同じ方向に動き続けようとする」慣性の性質があるということだ。

なるほどと思う。このようなたとえ話は、信憑性云々よりも読み手のなかにすっと入りこんできてしまう。大量のデータやそれを裏付ける調査結果、事例をいくつも提示されるよりも馴染みやすく覚えやすい。
「法則」みたいなものは、比喩やたとえ話に絡めると、実はすごく覚えやすいのだなということがわかった。本書では51の法則(といえないものも多いけど)が説明されているけれど、おそらく普通のマーケティング・ビジネス書類でこれだけの数の法則が書かれたらまず覚えきれない。でも、本書の場合なら、広告とはまったく関係のない話や身近に転がっている事例などに絡めて、重要なことが語られているので、一読しただけでかなりの数の法則が身についたような気がする。

1つ1つの話もコンパクトにまとめらているので、どこから読みはじめてもいい。とりあえず手元においておいて、ちょっとした時間にぱらぱらとページをめくるだけでも役に立ちそうだ。

法則26「ということは、つまり」
売り込みの文句の最後には「ということはつまり」ということばをさりげなく添える。すると、自然と製品の「特長」ではなく、「効用」を自然と話せるようになる。

「このクルマのエンジンはV8です。ということはつまり、長持ちする、ということになります。小さなエンジンのように目いっぱい仕事をさせる必要がないからです。そのうえ、追い越すときのパワーも十分、そして、これが最も大切なことですが、事故に巻き込まれそうなときにも、一気に加速して回避するだけの能力があるわけです。」
「このダイヤモンドの透明度はSI-1です。ということはつまり、人間の目には全く不純物が見えない、このすばらしい美しさを損なうものは全く何もない、だれかが手にとって確かめても、このダイアモンドの欠陥は突き止められないだろう、ということです。」

なるほど。

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