Discoveryの問題を解決するPandoraとLast.fm
Pandora Internet Radio – Find New Music, Listen to Free Web Radio
Pandoraが日経新聞で紹介されている。Pandoraですでに解析済みの曲は50万曲。月に1.5万曲づつ増えているそうな。しかし、1つ1つの曲を「アナリスト」がメロディーやリズムなど、約400項目を点数化、データベース化しているというのは凄い。「音楽ゲノム解析」と呼んでるらしいが、アメリカらしい壮大なプロジェクトだなぁ。
Future of Web 2.0 THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006で、Last.fmのフィリクス・ミラーと、伊藤穣一さんのディスカッションで、「Deliveryの問題からDiscoveryの問題へ」というようなキーワードがあがった。
これはなにも音楽だけの問題ではないだろうけど、確かに、音楽の分野では確実のDiscoveryの問題がおきている。
音楽機器などが安くなったこともあるし、今まで大きな壁だった流通の問題もインターネットが解決していくれ、誰もが簡単に曲をつくり、公開できるようになった。実際、インディーズとメジャーみたいな垣根も消えつつある。
手に入れることができる曲はどんどん増える一方なわけだけど、そうなるとやはり一番の問題は、自分に合った曲を見つけることになる。
伊藤穣一さんも言ってたが、気づくと同じアーチストや同じ曲ばかり聴いているそうだ。そういえば、ボクも同じだ。ボク自身は音楽への関心が薄れたというのもあるのだろうけど、やはり情報が膨大にふくれあがるなか、新しいアーチストや曲が発見できない、ってことも大きな問題であることには違いない。
PandoraもLast.fmも同じように、音楽におけるDiscoveryの問題解決に取り組んでるわけだけど、音楽のリコメンドエンジンとしては、ボクはやはりLast.fm(日本版はまだまだいまいちなだけど)のほうが気になる。Pandorが人海戦術なら、Last.fmはシステム。なんかYahoo!とGoogleの構図とだぶるのはボクだけか。Last.fmは、「聴く」という自然なユーザーの行為がそのまま音楽趣味の蓄積となり、そしてそれが似てる人を探すことにつながる。いかにもWeb2.0的だ。ユーザーが増えれば増えるほど、リコメンドエンジンの精度があがっていくし、新たな発見につながっていく。