テレビショッピングのパターンとだめ押し

何気なしにテレビを見てたら、CMで30秒のテレビショッピングが流れた。
某有名なお寺の料亭でも使われている明太子。この明太子の訳あり品のご奉仕だと言う。
CMは男性と女性の掛け合いだ。
やたらとそのお寺の名前、料亭という言葉を連呼しつつ、ご飯のお供に、スパゲティと絡めて明太子スパ、キュウリに絡めてお酒のおつまみに、と食欲をそそる映像が流れる。
有名寺と料亭というキーワードでの信頼感と期待感、そして美味しそうな明太子の映像に、CMとわかりながらチャンネルスキップの手が止まる。

「料亭でも使われている明太子だと高いんじゃないですか? 」と女性のフリに男性は、
「2kg でなんと1万円です。」
「あの高級料亭御用達の明太子が1万円。1万円です。」
2Kgの明太子がパッキンに詰め込まれている映像。
映像にかぶさるように、「訳あり」の理由文字が表示。つまり皮が破れたりして使えなかったもので味には何ら変わりがないという説明。
よくよく考えると、2kgで1万円というのが果たして高いのか安いのか、よく考えてもいないのだが….

その後、
そして、なんと今なら、お買い上げの方に、もう1kgお付けします。」と男性。
「ということは、3kgで1万円ということですか! 」と女性が驚く。
「その通りです。」と自信満々に続けて「有名高級料亭でも使われている明太子が今なら2kg1万円。今お買い上げならさらに1kg付けて、3kg1万円でご提供します!」と締めくくった。

今までも何度も何度も見たことがあるテレビショッピングの典型的なパターンなのだが、
やはり短い時間のなかで「買わせる気」にさせる要素が満載で、とても勉強になる。

ここでのポイントは、3kg1万円ではなく、一旦、2kg1万円として明らかにしてから、「今お買い上げなら」1kg増量、とお得感を醸成させているところだ。
今、買わなければならない理由、今、買ったほうがお得だな、お、この商品すごいじゃん、と思わせるために、わざわざ2段階方式をとっているわけだ。

この方法は、テレビショッピングなら定番だろう。「今なら●●●をお付けいたします!」と、一旦正規の商品紹介を終えた後に、特典を大げさにアピールする。
最初から、これもこれも付けてと見せないことで、不思議と「お得感」が出る。

PASONAの法則から言うと、最後のだめ押し、「A(Action):行動への呼びかけ」みたいなものだろうか。テレビショッピングはとにかく、そのテレビを見ているこの瞬間に行動に駆り立てないと駄目で、後でよく考えてということをさせないために、今行動をとるのが一番お得だ、今すぐでないと損するという気にさせなければならない。

最近のテレビショッピング(CSなどの生のショッピングチャンネル)では、よく商品を紹介しているときに隅に「注文が殺到しています」とか「残りあと僅かです」みたいなテロップで臨場感を出しているが、あれも目に見えないライバルを顕在化させて、行動に駆り立てさせる一つの方法ではあるのだろう。

同じような手法は、オンラインでも応用できるだろう。ECでもいかに行動に駆り立てさせるか。
楽天でのキャンペーンなどの参加している店舗の商品詳細ページなどのストーリーを見ていると、そういう要素がよく組み込まれている。
あまり煽りすぎるのも得策でもないが、うまく利用できればコンバージョン率はずっと上がるだろう。今購入せずに、後回しにさせてしまうことで買うことを忘れさられてしまう、というのが機会損失としてとても大きいのは間違いないだろうし。

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