F1の年間総合王者が勝利数になること

少し古いニュースだが、今年からF1シリーズの年間総合王者は勝利数で決まる方式となる。2位以下とコンストラクターズは昨年までと同じポイント方式だ。(09年のF1年間王者は勝利数で決定/スポーツ/デイリースポーツonline
同一勝利数の場合は、昨年シーズンまで通りのポイント獲得となる。妥当なルール改正だと思う。ワールドチャンピンという世界で一番速い男の座につくのは、やはり1位を一番多く獲得した人間であるべきだし、コンストラクターズというマシンやチームの性能や能力の戦いは総合戦なのでポイント制というのも納得が行く。
ただ、勝利数で圧倒的な差がついてしまうと、後半戦突入段階ですでにワールドチャンピンが確定してしまう、みたいなこともありえるのでそこは心配ではある。

こういう世界に「たられば」は禁止だし、今までは「ポイント数」だったからこそ、あえて1位を狙わずに表彰台や入賞を確実に狙うという作戦もあったわけだから勝利数で決まる方式になっていたらどうだったかなんてことは誰にもわからない。

なので、以下は意味のないデータではあるが、仮に過去のシーズンが勝利数だったらと仮定したら、2008年はハミルトンが5勝、マッサが6勝だったので、マッサがワールドチャンピンを獲得していたということになる。
ちなみに2007年はライコンネンが6勝、2006年はアロンソ、シューマッハが7勝同士でポイントでアロンソ、2005年もアロンソ、ライコネンが7勝同士でポイントでアロンソと、このあたりは勝利数が一番多かったものがワールドチャンピンになってるので順当だ。

しかし、過去に遡っていくと逆転現象は意外と多い。1989年のセナ6勝でプロスト4勝ながら、プロストがワールドチャピンに輝いてるし、1987年はもっとひどく、マンセルは6勝ながら、3勝のピケに破れ、その前年の1986年もマンセルは5勝でトップながら、4勝のプロストに。(という、データを見ると、マンセルがいかに極端なレーサーだったかがよくわかる。マンセルのような破天荒さを持ち、圧倒的な速さととてつもないイージーミスや感情に任せてポイントを失うような凡ミスをしてしまうような、そんなある意味人間味溢れるレーサーがいなくなったなぁと改めて思う)

それ以前でも、勝利数とワールドチャンピオンの逆転現象はけっこう多く見られるが、1990年以降では昨年が初めてだった。
なので昨年のシーズンの逆転現象が、今回のルール改正の引き金になったのだろうとは思う。

確かに劇的ではあったが、最終戦だけを見れば、あれでマッサがワールドチャンピンに輝いていたほうが感動的ではあったし、力と力の勝負で最後に自らの手でチャンピンを奪い取ったという構図にもなっただろう。なのでハミルトンが最終週でグロックを交わしたのは少し肩すかしだった感はある。(もちろん最終週でこういうドラマがあることはものすごいドラマチックなことなのだけれど)

年間勝利数制になれば、もっとどん欲にトップを狙いにいくという姿勢が、ワールドチャンピオンを狙うドライバーには求められるし、マンセルのように、とにかく速いときには圧倒的に速いけど、ダメなときはからっきしダメという極端なドライバーにもワールドチャンピオンの可能性は開かれるだろう。

よりアグレッシブなシーズンになることを期待しつつ、早いもので間もなくホンダのいない2009年シーズンも開幕だ。

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