三崎亜記「となり町戦争」

となり町戦争
三崎 亜記

集英社 2004-12
売り上げランキング : 1,235

おすすめ平均 傑作です! あらゆる人に読んでほしい
誰にでもお勧めできますが・・
だれもがうすうす感じていたのに

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今年最大の話題作なんて騒がれている?ようだけれども、正直そんなに面白いとも思えなかった。丁寧に書かれていて、非常によくできた小説だとは思うけれど、それだけだ。驚きや発見はボクにはなかった。

ボクは小説は、小説とう形式上、その読んでいる時間や、読む体験を通じて、簡単な言葉ではまとめられないような「問題」を用意するものだと思っていて、決して「解答」を導き出すものではないと思っている。小説が一言の「解答」で済まされるならそれは小説でなくても良いのではないか。
誰が読んでも同じような感想にしか吐き得ないような「解答」を用意している小説ってのは陳腐だと思う。

島田雅彦は「未確認尾行物体」で「エイズ」そのものを小説にしたのだけれど、文庫本のあとがきの浅田彰の解説のほうがよっぽど面白くて、エイズを知るなら解説を読めば済むなんてことを誰かに言われていた。本書もそれと同じようなものだ。本書はたしかに「現代の戦争」や「戦争とリアリティ」みたいなものを描いていて、それなりには成功しているのだとは思うけれども、それならばチョムスキーを読めば充分な気がする。

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コメント

  1. Anonymous より:

    はじめまして。

    >誰が読んでも同じような感想にしか吐き得ないような「解答」
    >を用意している小説ってのは陳腐だと思う。

    まさにそうですね。
    だから僕は最後のトリックを暴くような推理ものはあまりすき
    ではないのかもしれません。

    なんだかひっかかる、だけどそれがなんなのか形容できない。
    普遍性を持たせて言葉することが困難な方がいいですね。

    p.s.実はかなり前から、自分のblogに勝手にリンクさせて
    もらってます。スミマセン。

  2. booksjp より:

    となり町戦争

    ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説...

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