啓蒙かまぼこ新聞のすごさ

啓蒙かまぼこ新聞
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なぜか手元に古い宝島がある。1983年の2月号だ。古い雑誌を捨てられない性質なので探せばまだあるが、手持ちの宝島では一番古い号かもしれない。
たまにこういう古い雑誌を読み返すのは面白い。自分が未来人みたいな感覚で楽しめるのだ。

さて、この宝島にあの伝説の「啓蒙かまぼこ新聞」が掲載されている。まだ7回目。まさかこれがウェブページになっても続くものになるとは、このときは誰も想像できなかったろう。しかし、いまさらながらに「啓蒙かまぼこ新聞」はすごい。

この号では、新春巻頭対談として、かねてつの食品常務中村健と、中島らもの対談になっているのだが、この自虐ぶり、これを許すかねてつの鷹揚さは、今、この時代のマーケティングを考える上でも重要ではないか。完全に遊んでる。

村上:私がアメリカにいる間に、かねてつの企業イメージが…
中島:ハイ、秋の陽のつるべ落としと申しますか(笑)
村上:営々と築きあげてきた老舗のイメージが…
中島:ハイ、今やパンクかかまごこ屋というイメージに変わりつつありますね(笑) 今度、金ラメ入りのカマボコなんてどうですか?

なんていう冒頭の会話から始まり、

中島:ところでカマボコって家庭で作れるんですか?
村上:作れます。でもまあ、まる一日はかかりますね。下ごしらえして・・・頭と尾と皮と小骨と、それに脂の多いところは全部とっちゃう。エソっていう魚なんか一匹からオチョコ二杯分の肉しか残らない。
中島:もったいない
村上:ぜいたくな食物ですよ。その割に評価が低い。でも低カロリー低脂肪なので最近はアメリカ人もよく食べています。ボイルド・フィッシュ・ペーストっていうのね。
中島:今後はかまぼこを尊敬するようにします。とりあえずカマボコと呼ばせていただいて(笑)

と、自然にかまぼこの基礎知識から、かまぼこがいかに体に良い食べ物かという語りに進むも、らもの最後の「オチ」で、この会話自体に宣伝くささや啓蒙くささを感じさせない。

今さらながらに中島らもはすばらしい広告マンだなととおもった。合掌。

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