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2006年04月04日

1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方 儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法

POD野郎の作者さんにコメントいただいたのにコメントのCGIがおかしくて返事ができませーん。すいません。この場を借りてお礼申し上げます。

さて、これも新幹線の移動中に読もうと東京駅で購入。

1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方 儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法
1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方 儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法滝井 秀典

PHP研究所 2006-03-21
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なんとも扇動的なタイトルで、またか...と少し躊躇したものの、中身は面白かった。実際のデータやノウハウが詰まってて、よくある神田系の二番煎じ、あるいはトンデモSEO本とは大違いだ。
この手の本が出る頃には、実は、もうこの本で書かれてるような手法は古くなってるんじゃないかと思うところもなくはないけれども、検索キーワード広告からの来訪率、そしてコンバージョン率が必ずある一定の範囲内に納まるということや、キーワード選びのコツは、アクション系ワードというようなノウハウは、実はものすごいノウハウで、こんなの全部公開しちゃっていいんかいな、と驚いた。
検索キーワード広告ではウォンツ系の商品・サービスはダメとか、頭ではわかってるんだけど、きちんと言葉で整理して示してもらえると、わかりやすくなるし、これはお客さんの説明にも使えるなぁと関心した。

ということで、私も早速、タウンページを手に入れて、研究してみようっと。

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2006/04/04 00:20

2006年03月26日

マネーボール

大リーグの中で、今までの野球観とは違う原理で戦っているチーム、それがアスレチックスだ。選手の総年俸額は下から数えた方が早いようなチームなのに、毎年莫大な予算を持つ他の競合チームに引けを取らない勝利数を上げている。その秘密は何か?

ボクはてっきり「エスキモーに氷を売る」のようなマーケティング関連の書籍か、選手のやる気を最大限引き出していくマネジメント・コーチング系の本かと思って手にとったのだが、内容はまったく違っていた。しかしこれが面白い。

アスレチックスの野球には、ビル・ジェームスという野球分析オタクが提唱したセイバーメトリクスという主観や曖昧さを排除し徹底して確率や統計、科学的な分析から作戦を立てていくという手法が取り入れられている。この手法をいささか強引とも思われるようなやり方で導入し、球団を変えたのがGM、ビリー・ビーンだ。他の球団からは歯牙にもかけられないような選手をスカウトやトレードで獲得して勝利を重ねていく。

ビリー・ビーンのやり方は時として「旧来の」野球観に支配されている解説者やファンからは批判の矢を浴びる。しかし実際、恐ろしく低予算で高勝率の球団をつくりあげ、運営を続けているのも事実だ。その意味では、その手腕は高く評価されるべきだろう。

例えば、アスレチックスでは盗塁や犠打は作戦として殆ど利用されない。統計から考えた場合、これらはチームがたたき出す得点に影響を与える変数ではないからだ。というと、ものすごく意外なのだが、その考え方の元になっているのはビル・ジェームスが生み出したチームの得点を予測するための数式だ。

得点数=(安打数×四球数)×塁打数÷(打数+四球数)

この公式を使うとメジャーチームのほとんどの得点が正確に予測できてしまうと言う。
この公式にはチーム打率や盗塁数などが入ってない。つまり、打率や盗塁数は得点を生み出すことにたいして重要ではない、ということを意味しているわけだ。

ボクらが抱く野球観は盗塁でかき回すことは何の根拠もなく是だと思っているし、1番バッターが塁に出れば、2番は犠打でスコアリングポジションにランナーを進めて、クリーンナップに託す、ということが王道だと信じてる。しかし、アスレチックスではその考え方はまったく採用されない。多くの人はアスレチックスの作戦は積極性や作戦がなく、ただ打者任せで受け身の試合しかできないと批判する。プレーオフでどうしても勝てないのは、そのせいだと言う人もいる。しかし、現実、そういう作戦をまったくといっていいほどとらないアスレチックスが、他のチームとは比較にならない程の低予算で、あれほどの勝利数を上げているのだ。

アスレチックスでは四球だろうがヒットだろうがとにかく塁に出ることができる出塁率の高い選手が求められる。単純に打率が高い選手は年俸が高いため、アスレチックスでは打率が低くても出塁率が高い選手の獲得を優先する。打率が低くても出塁率が高くなる選手とは四球を選ぶのが巧い選手だ。

アスレチックスは、そんな選手をコンピューターを活用して見つけ出し、安く買い上げたり、大胆なトレードを繰り返し、チームを変えていく。それはシーズン中でも何のお構いもない。GMのビリー・ビーンは巧妙な話術で他チームのオーナーやGMを翻弄し、アクレチックスの戦略に沿う選手を集めていく。本書ではそんなビリー・ビーンの様を所々で描き出していている。統計的な判断を最優先し、1人1人選手を将棋の駒のように扱うその姿も、やはり野球をドラマやロマンとして見てしまうファンにとっては許し難いところもあるかもしれない。しかしまた一方で少ない予算で確実に成果を上げていくその徹底ぶりはある意味プロフェッショナルだし、他の球団GMが野球をきちんと勉強しようとしていないだけとも言えるかもしれない。

本書が出た当時は日米でかなり話題になったようだけれども、果たしてこの本によって明らかになったアスレチックスの戦略は、他の球団に取り入れられているのだろうか? ボクはメジャーリーグの事情には詳しくないので良くはわからないのだが、アスレチックスは2005年度でも88勝74敗 勝率.543 ア・リーグ西地区2位というかなり優秀な成績を残している。
本書が書かれた以降でも、GMビリー・ビーンは手腕を発揮しているようだ。そして、アスレチックスが未だに競争優位を保っているということは、他のチームは未だ今までの野球観に縛られた戦い方をしているということなのだろう。
盗塁を絡めたり、犠打で1つでも前の塁に走者を進めたりという野球もボクは否定するわけではなく、それは野球の面白みの一つだと思っているのだけれど、アスレチックスのように全く他とは異なる考え方で運営されているチームが、毎年のようにプレーオフ進出ギリギリのところで戦えているということも、違う価値観をもたらしていくれて、野球の楽しみ方の幅を広げてくれるものだと思う。

マネー・ボール
マネー・ボールマイケル・ルイス 中山 宥

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2006/03/26 01:41

2006年03月16日

月100万円のキャッシュが残る「10の利益モデル」

新幹線の移動中にさくっと読める本と思って買って、正直この手の本はあまり大きな期待はしてないのだけれど、読んでみると期待より面白かった。

月100万円のキャッシュが残る「10の利益モデル」
月100万円のキャッシュが残る「10の利益モデル」丸山 学 古市 達彦

同文舘出版 2006-03-08
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紹介されている利益モデルがどうこうというより、しょっぱなプロローグの「利益とはいったい何なのか?」という短い文章が、あらためて利益モデル/利益の内容からビジネスを考えさせてくれるきっかけを与えてくれた。
「利益」と「労働の対価」との違いという、ものすごく基本的なことを語っているだけではあるのだが、ボクらのような労働集約型の仕事に従事していて、また昨今のようにひっきりなしに仕事がやってくるようなありがたい状況にどっぷり浸かってしまっていると、「利益」と「労働の対価」の境界線がぼやけてきてしまう。「稼働時間」がそのままお客へのチャージとなり、それが普通化すると、その時間単価の中に込められている意味が忘れさられてしまうのではないか。

さて、利益モデルからビジネスを考えるってのは、本書内でも紹介されているが、「プロフィット」が有名だ。著者の丸山さんも、この本を研究したと認めている。私も以前に「プロフィット」や、同じ著者の「プロフィット・ゾーン経営戦略」 は読んでいるが、本書をきっかけに改めてこれらの本を再読してみることにした。本書単独よりは、本書とこの2冊をあわせて読むと、より理解が深まるだろう。

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのかエイドリアン・J・スライウォツキー 中川 治子

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丸山さんは利益モデルは「顧客から選択肢を奪う」か「何らかの形でコストダウンを実現する」かのいずれかだと考える。なるほど、確かに「プロフィット」の中で紹介される利益モデルはこのどちらかで考えることができるかもしれない。
「顧客から選択肢を奪う」という観点で最もわかりやすいのは「スイッチボード利益モデル」だ。「プロフィット」ではマイケル・オーヴィッツというタレント・エージェントを例にとりあげられていた。利益モデルを指南するチャオも「優雅さを兼ね備えた利益モデル」だと語り、特にこのモデルがお気に入りのようだ。
ちなみに日本語版のこの章では、「取引せざるを得なくなり」「契約せざるを得ない」という言葉が強調されているが、まさにその強調が意図するように、このモデルは何らかの形で顧客がそうせざるを得ない状況をつくり出すことが重要とされている。「スイッチボード利益モデル」は、情報を求める人と情報を提供する人、あるは売り手と買い手の間に入り、どちらかを完全に掌握してしまうことで、買い手の選択肢が奪ってしまう。まさに「顧客から選択肢を奪う」モデルだ。

インストールベース型利益モデル」も顧客の選択肢を奪うモデルだろう。あるプリンタを導入してしまえば、そのプリンタを利用続ける限り、そのプリンタメーカーのカートリッジを利用せざるをえない。ここでも顧客の選択肢は奪われている。メーカーとしては、とにかくプリンタを設置することに執念を燃やせば、あとはメンテナンス費とインク費を継続的に獲得しつづけられる。
というように一つ一つ、見ていくと、顧客を知り尽くす「顧客ソリューション型利益モデル」や、製品ピラミッドをつくりあげることで防御壁とする「ファイアウォール型」など、その殆どは何らかの形で顧客の選択肢を奪っている。その奪い方のバリエーションがビジネスモデルであり利益モデルなのだろう。

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2006/03/16 10:50

2006年03月15日

カルロス・ゴーンの「答えは会社のなかにある」

会社のNくんに借りた本。ゴーン関連の本は、「ルネッサンス ― 再生への挑戦」や「カルロス・ゴーン経営を語る」など、何冊か読んでいる。何を読んでも感じることだが、ゴーンの言葉や行動には一貫性がある。当たり前のようだけれども一貫性ってのを維持しつづけるのはかなり大変なことだ。彼の言動からは、矛盾を感じない。あらゆる判断や価値観が、一つの信念によって貫かれている。これはすごいことだと思う。

本書は、そんなゴーンの代表的な言葉を集約し、そこから経営、マネジメントなどのヒントを得ようという本だ。どの言葉も重く、そして深い。全部書き出すわけにはいけないので、1つだけとりあげておく。

正確な質問をすれば、正確な答えが返ってくる。あいまいな質問には、あいまいな答えしか返ってこない」具体的で正確な数値を知るには、「売れ行きはどうだ?」という抽象的な質問ではなく、「週にいくつ出荷している?」というように具体的に聞けば良い。
これは何も数字に関してのことではなく、さまざまな場面で応用できる。お客さんへのヒアリングだってそうだ。曖昧な質問からは曖昧な答えしか得られない。

カルロス・ゴーンの「答えは会社のなかにある」―会社を変えたリーダーの再生と復活の語録
カルロス・ゴーンの「答えは会社のなかにある」―会社を変えたリーダーの再生と復活の語録カルロス ゴーン 小宮 和行 Carlos Ghosn

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star学生こそ読むべき?
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2006/03/15 09:12

2006年03月10日

ウェブ進化論

ウェブ進化論』を読んでから、そこで展開されてた「あちら側」と「こちら側」というメタファがあまりにも的確だったので、ついついその視点で最近の業界動向を見てしまう癖がついてしまった。
でも、GoogleがWritelyを買収したというニュースなどを聞くと、やっぱりGoogleは「あちら側」にすべてを移していこうとしていることがリアルに思える。「事実上無限のストレージを提供」なんてことも現実味を帯びてきているようで、これはGoogleの「あちら側」への移行戦略のベースとなるものじゃないだろうか。

海のものとも山のものとも知れないが、ExcelもどきのNumblerやPowerPointっぽいThumbstacks.comといったサービスが続々と生まれつつある。こういったものがGoogleの超強力なインフラの上で実現されたら、今、パソコン上でやってることのほとんどは「あちら側」で済んでしまうかもしれない。

「こちら側」から「あちら側」へのシフトってのは、個人的にはかなりワクワクするものがある。インターネットのサービスがボクらの生活のさまざまなモノや事や仕組みを変革していったように、「あちら側」への移行もコンピューター業界やボクらの生活にとってかなり大きな変革の一つになるだろう。
こういう変革のまっただ中を体験できる時代に生まれてきて良かった。。。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫

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2006/03/10 19:41