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三月は深き紅の淵を

三月は深き紅の淵を

三月は深き紅の淵を

恩田陸が好き、という人がいたので読んでみた。
「三月は深き紅の淵を」という謎の本をめぐる短編集。それぞれの短編は独立しつつも、メタ小説的な要素があったりと凝ったつくりにはなっているのだけれど...
この手の小説は苦手なんだよなぁ。習作志向というかなんというか。全編、文学研究会所属の巧い学生が書いた、みたいな感じが漂ってくる。それを狙ってるわけでもあるまい。

第三章の「虹と雲と鳥と」なんて、読んじゃおれなかった。心理描写やらストーリーに持って来る装置、比喩がすべて「文学少女、少年」くさい。いわゆる文学的装置みたいなものが成立するという前提のもとに書かれてしまってる。少しでもメタ小説を志向するなら、もう少し「書く」ってことに自覚持ってもいいんじゃないかと思うのだけれど。

これだけじゃわからんなぁーと、とりあえず「まひるの月を追いかけて」も読んでみたら、やっぱり正攻法、直球勝負だったようで。

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2003/12/07 03:33

もっと哲学がわかる神秘学入門

もっと哲学がわかる神秘学入門

もっと哲学がわかる神秘学入門

狙いは良いのになぁ。神秘学の系譜から哲学史を眺めてみるってのはあるようでなかった。でも、著者の寒いギャグが空回りしてんだよねぇ。普通に説明してくりゃいいのに。ちょい期待はずれ。

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2003/12/07 03:10

2003年11月30日

moblog

とりあえず、moblog版とわけてみた。

moblog版

今まで、デジカメとかで何か撮っても、結局誰かと共有するわけでもなく、自分で管理するのも面倒ということで、ほったらかしのことが多かったけど、これだと便利だなぁ。

過去、いろんなところでバラバラと書いてたものをMovableTypeの管理にまとめた。これで楽チンだ。しかし、1997年~1999年代に書いたもののバックアップデータがぶっとんだのは痛いなぁ。創業から東京で始めて生活し始めた頃の日記で、「人殺しに間違えられた事件」「うんこ漏らし事件」「お前何歳やねん事件」などの記録が残ってたのに。

まよなか

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やっぱ冬野さほは良いなぁー。こういう天気の悪いまったりとした日には冬野さほに限る。
冬野さほは偉大な詩人だと思う。ほんとに。心が落ち着く。我が家の猫「牛」も冬野さほが大好きだ。
ポケットの中の君マーガレットコミックス (2172)」や「ツインクルMag comics」もオススメ。


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2003/11/30 17:43

2003年11月29日

ライブマーケティング―「見せる」広告から「まきこむ」広告へ

ライブマーケティング―「見せる」広告から「まきこむ」広告へ

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最近の広告業界というのは、どこを見ても「ブランド」ばかりだけれども、どうも抽象的、学術的な臭いがしてた。本書も言ってしまえばブランドビルディング手法を解説しているのではあるけれど、事例が豊富なのが良い。ブランドをひとつの体験、体験への関与と考え、生活者の生活導線にどのように「仕掛け」を盛り込んでいくのか、世界各国の成功事例が掲載されている。


著者も言うように、この手のマーケティング手法は、サービス提供側が効果測定や指標などの数値をきちんと把握していくことも大事ではあるが、クライアントの体制や理解も欠かせない。今までのように、広報や宣伝といった他の部門とはある種独立した部署や組織として運営されてしまっていると難しい。ドラッガーは企業に必要なのはマーケティングとイノベーションだと断言しているように、マーケティングとは、単なる企業の一部門の機能として成立するものではなく、企業活動そのもの、企業活動のDNAとして全部門、全活動に染み渡っていなければならないわけだ。


ブランド戦略シナリオ―コンテクスト・ブランディング

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「ライブマーケティング」が博報堂で、こっちは電通だ。

ちなみに、ここ最近広告会社が出版したいくつかの本を比べてみると、
ブランドへのアプローチというか捉え方の差異みたいなものが垣間見えて面白い。
オグリヴィーは「ブランディング360度思考」で、読広は「マーケティング・トランスファー8つの法則―顧客創造のアプローチ」と、どれもアプローチは違うが、「ブランド」「ブランドビルディング」を扱っている。どれもそれなりに面白いけれど、ボクは電博のこの2冊がやはり飛びぬけて面白いと思う。オグリヴィは抽象的すぎるし、読広は、新しい消費者像、社会システム論どまりで、共時的な社会しか捉えてない。この手のアプローチはすぐに形骸化する。


本書は「ライブマーケティング」に比べれば、かなり学術的側面が強いし、おそらくとっつきにくい。回帰分析、主成分分析といったアプローチから生活者のなかに眠るブランドのエッセンスを導き出したり、社内に眠るブランド資産の掘り起しと、そこからのコンテクストの作成アプローチなど、よくここまで考えて実際にやったもんだと驚いた。

個人的にはこちらの考え方のほうが水に合うというか、ブランドを考えるときは、それが製品ブランドであろうが、コーポレートブランドであろうが、結局のところ、いかにして生活者が考えるブランドイメージと、企業側が伝えたいブランドアイデンティティの統一、統合をはかるかということが重要なわけで、そのためには、ある体験に巻き込むというやり方だけでは弱いだろうと思う。もちろん「ライブマーケティング」は、ブランドビルディングにおける一側面に過ぎないわけだけれど.... しかし、本書で展開されているようなことをやっていけるのは、ほんの一握りの企業だけだろうし、またやっても成功するとは限らない。


ブランドビルディングって、そもそもコンサル会社や広告会社が入ってあれやこれやして、なんとかなるものなのかなとも思う。結局のところ、一人一人の社員のやる気やモチベーションや、倫理観やらに大きく依存するのだろうし。インターナルマーケティング領域ってのは、まだまだ開拓されきってない。リンク&モチベーションみたな会社が注目をあびるのはそのせいなのだろう(リンク&モチベーションは良い会社だと思うけど。ああいうのは、自然治癒力を引き出すためのきっかけを提供しているだけであって、一番大事なのは、やはり働く一人一人の意志の方だ。)

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2003/11/29 22:28

2003年11月23日

LET IT BE NAKED

Let It Be…Naked (CCCD)
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フィルスペクター(今は殺人容疑者だけど)版を否定していたわけじゃないけど、これ聴くと、やっぱNAKEDのほうがいいわね、となってしまう。
特に、The Long And Winding Road
実は、あまり好きな曲じゃなかったのだが、NAKEDは別だ。この曲だけでもいかにフィルスペクターが「いじり」好きかというのがよくわかる。

I've Got A Feelingの印象も随分変わるな。映画「Let it Be」で、ジョージとポールが喧嘩してたなぁ。そういえば。

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2003/11/23 21:39