いしいしんじ「ポーの話」

ブログの更新をしてなかったときにも、いつものと変わらぬペースで本は読んでいたのだけれど、これといって人に薦めたくなるような本もなかった。そんななかで、この小説はボクのなかでは飛び抜けて面白かった。

ポーの話
4104363014いしい しんじ

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いしいしんじは久々に登場した大型物語作家だと思う。

大江健三郎や中上健二に匹敵するぐらい芳醇な物語を紡ぎ出す力を持っている作家だと思ってんのはボクだけか。けど、文壇では大物扱いされてない気がする。

ぶらんこ乗り」を友達に薦められて読んで以来、意識的においかけてる作家なのだけど、本作は現時点でのいしいしんじプロデュースの物語の総括みたいな感じではないか。

簡単に要約できるような小説ではなく、むしろ要約されてしまえば何の意味ももたない、それでいてストーリーの力でぐいぐいとこの世界に引きずり込んでく力がある。ボクは小説にテーマだとか、メッセージだとか、そういう類のものを求めない。小説を読むことの愉しさ、読んでる時間の愉しさこそを重要視するんで、いしいしんじが小説のなかにちりばめる無数のへんてこなストーリーがどれもこれもツボにはまる。文庫本の「ぶらんこ乗り」の解説で誰かが言ってたけど、これだけへんな話をいっぱい思いつくぐらいだから、いしいしんじってのは大嘘つきにちがいない。ボクもそう思う。

ちなみに、「ポー」と聞くと、怪奇・推理小説の大家の方を思い浮かべてしまうが(ボクも手にするまで関係あるのかと思ってた)、こちらの「ポー」は「ウナギ女」に育てられ、泥の体積する川を愛する少年の愛称。あちらのポーとは関係ない。

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コメント

  1. ttr より:

    こんにちは。初めて書き込みます。
    私もwebの仕事をしています。
    一年前まで大阪にいて、今は東京で働いています。
    もっと早くにここのサイトを知っていたらよかったと思います。
    コンテンツおもしろいです。マネージャーとしての視点も興味深いです。
    あと、読む本の好みがかぶってて、親近感がわきました。

    ウェブ関係の情報紹介、楽しみにしてます。

  2. ゆで麺 より:

    コメントありがとうございます。超遅レスでごめんなさい。私も今年は東京に戻るというか、東京を本拠地に移す予定です。どこかでお会いできるかもしれませんね。

    最近、ウェブ関連の情報少ないですが、懲りずにたまに覗いてください。よろしくお願いします。

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